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『願いの木』-世界を超えた僕の運命の物語-  作者: シュン
第4章:登山大会
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4-5 登山当日

いよいよ登山当日だ。

朝ご飯をしっかり食べて、元気よく学校へ向かう。今日の流れを頭の中で確認する。まずは学校に集まり、そこからバスに乗り、山の麓まで行き、各自パーティーで山を登り、下山するという流れだ。まず上るのに、だいたい六時間かかる。道も整備され、ところどころに目印もあるということなので、それほど難しい難易度ではないらしい。

学校につき、体調確認を坂木先生にされ、僕らは、一日の説明を聞いて、バスに乗り込み、席は、優君の隣となった。


「あーあ、、、とうとう登山かぁ、、、」

「ウチもいやだなぁ、、けど、毎日走ったし、せっかくだからいい思い出になればいいよね!」

「そうだけど、やっぱり不安だなぁ、、、」

「マイペースで行くことが大事だよ。」

優君は、明るく笑ってくれた。

「僕のパーティーって、みんな運動得意な人が多いんだよね、、」

「大丈夫だって!みんな優しいし、きっと愁君に合わせてくれるよ!」

笑顔で励ましてくれる。

「そういえば、優君は、重岡君と同じ班だったよね?どんな感じなの?」

「えっ、、良い感じだよ、、」

顔を赤らめている。

「仲良しだねぇーーーうらやましいー」

「愁君だって、藤澤君とどうなんだよーー」

「なんで、藤澤君の名前が出るんだよ、、、」

「もう、わかってるくせに、、、」

「わかんないよーー寝ようっと、、」

僕は、寝たふりをした。気づくと本当に寝ていて、起きたら、麓だった。


「着いたよ!」

「僕、ほんとに寝ちゃってたー」

優君に起こされ、バスを降りた。


「はい、みなさん。ここからは、パーティーに別れて、順番に山へ入ります。気を引き締めていきましょう!」


僕らは、パーティーで早速集まる。

「さ、行くか!」

武藤君が元気よく言った。

僕らのパーティーは、武藤君がリーダー、藤澤君がサブリーダーで、並び方は、先頭から藤澤君、僕、東条君、凛君、武藤君の順番だ。早速、山を登り始めた。空気がおいしくて、どこからか虫の鳴き声が聞こえ、僕らを歓迎してくれているようだった。


さわやかな風が吹き、気持ちいい、、


少しずつ登り続ける。まだ、息は上がらず、少しは体力がついたのかなと思う。しばらく登り続けると、森の茂みが深くなり、それに伴い、少しだけ斜面が急になった気がした。


「はぁ、はぁ、、、」

「大丈夫か?」

武藤君が心配してくれる。

「よし、ここで一旦休憩だな!」

予定より少し早めの休憩をとる。丸太に座り、少しお水を飲んだ。


「大丈夫か?」

藤澤君が、横に座り心配してくれた。

「大丈夫だよ、、ありがとう、、」


「はぁ、もうダメーーーーーーー」

東条君が、ぐったりして言う。

「瞬は、大丈夫だろ。」

東条君を見て、藤澤君は、冷静に言った。

「ひどいなぁーー愁君ばっかり優しくして、」

東条君は、少しふくれていた。

「別に、そんなんじゃない、、、、」

少しだけ藤澤君が慌てているように感じた。


「よし、行くか!」

武藤君が立ち上がる。僕らは、また登り始めた。休んだおかげで、少し体力が回復した気がする。どんどん登り続けると、景色が少しずつ変わり、その変わり方が面白い。しばらして、もう一度休憩をとってくれた。


「はぁ、、はぁ、、、」

僕は、思いのほか疲れていた。

「体調悪くないか?」

隣に座った武藤君が僕の顔を覗き込む。

「うん。大丈夫、、」

「何かあったら、すぐに言えよ!」

「わかった。ありがとう。」

二回目の休憩が終わり、さらに上へと登る。頂上まであと少しのところまで来た。

「もう少しだ!」

武藤君がみんなを励ます。僕らは、頂上を目指して、登り続ける。やっとの思いで頂上に着くと、そこには、坂木先生たちがいた。

「お疲れ様です。君たちのパーティーが最後です。少し予定より遅れていますが、時間は、多めにとっていますから大丈夫ですよ。焦らず確実に行きましょう。」

「わかりました。」

先生たちの注意を素直に聞いた。

「みんな、ごめんね、、僕がもう少し早く登れたらよかったんだけど、、」

「なーに、気にするな!」

武藤君が肩を叩く。凛君と東条君も僕を気遣ってくれる。

「ほら、見ろよ!この景色!」

藤澤君が景色を指さしながら言った。


「わぁーーーすごい!!」


そこには、今まで見たことのない雄大な景色が広がっていた。なんだか自然と一体になった気がする。ここまで登ってきた甲斐があったと感じた。

お昼休憩をとり、みんなで景色を見ながらお弁当を食べることにした。

「景色がいいとこで食べる飯はうまいな!」

凛君が元気に言った。

「うん、本当だね。」

武藤君は、何も言わずガツガツ食べている。

「恭くんのこれ、もーらい!!」

東条君が、ウインナーを取る。

「あっ、お前!」

藤澤君が怒っている。この二人は、仲良しなんだとほほえましく思う。そういえば、お菓子のチョコレートを持ってきたことを思い出した。みんなに配ると、喜んでくれて、お返しとして、アメなどをもらった。

しばらくして休憩も終わり、

「先生、行ってきます!」

「はい。気を付けてくださいね。」

先生に挨拶をして、下山を開始する。下山は、登りよりも楽に思えた。来た道を帰るだけだから、時間も早く感じられて、ルンルン気分で降りる。これなら、遅れた時間も簡単に取り返せると思ったその時、僕は、バランスを崩してしまった。


「あっ、」


「おい!」

武藤君が叫ぶ。僕は、尻餅をついた。

「あいたたたた、、はは、、、ごめん、、」

みんなが心配してくれる。

「下りだからって油断するなよ」

藤澤君が怒る。

「ごめん、、、」

武藤君から手を差し伸べられて、その手を握って起き上がる。

「怪我ないか?」

武藤君が心配している。

「大丈夫、ありがとう。」

「気をつけろよ!」

武藤君にも叱られた。


それから僕は、気を引き締めて、一歩一歩踏みしめながら下り始める。左足が少しだけ痛かったけれど、下り道だから問題ないと思い黙っていた。


少し歩くと、霧が出てきて、その霧が、森とうまく調和し幻想的な雰囲気を醸し出す。


「きれいー!!」

「きれい!」

凛君も東条君も目を輝かせる。




僕らは、この綺麗さの魅惑に囚われてしまった。



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