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那須大八郎宗久  作者: 黒井 羊
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鬼の子弁慶

「静、美砂に武蔵坊(べんけい)の話でもしてやったらどうだ。」

 義経は壁際で横になり背を向けたまま言った。静は返事をせずに美砂に話し始めた。


「弁慶の父親は熊野の別当の湛増で二位の大納言の姫君と仲良くなったの。直ぐに弁慶を身籠ったんだけど、身分があまりにも違いすぎるから二位の大納言は激怒。生まれた子供は殺してしまうように周囲に言ってたのよ。だから姫の母親は弁慶が生まれても周囲には〈まだ産まれないのです。〉と言い続けたの。生まれたと知らせたのは早い人にでも一年ちょっと経ってから。遅い人だと三年ぐらいかな。事情を知っていたら弁慶が生まれた時から奥歯まで生え揃っていたとか、言葉を喋れたとか、背丈は優に三尺を越えてたとかごくごく普通の話でしょう。」

「そうだったんですか。」

 静が話し終えると美砂は疑問が解けたので吹っ切れたような明るい表情で言った。そんな表情の美砂に静は

「弁慶の見てくれは父親似で鬼みたいだけど心は母親似で優しいのよ。誰かと違って。」

と義経を見て言ったが義経は何も言わない。

 静は弁慶の修行時代についても話し始めた。

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