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悪役令嬢は婚約破棄を言い出した王子様に決闘を申し込む。  作者: 藤宮サラ
第一章 決闘まで

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【番外編】アリアナと事件(アリアナ視点)

ブックマークなど、ありがとうございます。

昨夜、投稿しようと見直していましたら、まさかの寝落ち。投稿遅れてしまいました。


アリアナ編です。

 兄が私に声を掛ける。

「アリアナ、状況を説明してくれ。」


「ええ、今日の夕方、孤児院の女の子2人が攫われたの。一緒にいた男の子は怪我をしているわ。犯人は男が4人だったらしいわ。」


「街の警備に報告は?」


「一緒にいた子が助けを求めたらしいけど、取り合ってもらえなかったって。」


 クロード殿下の瞳が鋭く光る。

 周囲の団員が息を飲む。

 取り合わなかった警備員は、魔法師団ではない。街の警備担当の騎士団の団員だったはず。彼らの落ち度では無いのだけど。


「アジトがどの建物かわからないのでしょう?倉庫街を私が子供達を探す振りをすれば、出てくるんじゃない?」


「それはお前を囮にしろと?」

 兄が怪訝そうに言う。


「そう。それが早いわ。」


「それは絶対ダメだ。」

 クロード殿下が口を出す。


 やっぱり。


「だって、あの広い倉庫街を探すより、向こうから、来てくれた方が早いじゃない。わたくし一人で行く訳ではないのだから、いいでしょう?」


 クロード殿下ではなく、兄に頼んでみる。


「ダメだ。」

 答えたのは、クロード殿下だった。


「だって、囮になれそうなのは、わたくししか、いないじゃない。」


 兄に向かって説得する。

 だが、クロード殿下が応える。


「あの人攫いの集団は、裏で貴族と繋がっている可能性がある。どんな手を使ってくるか、わからない。」


「じゃあ尚更、早く見つけ出さないと。私が囮になる以外に、他に何か手があるのですか?」


「シラミつぶしに探すしか、無いだろ?」

 兄が答える。


「そんな事していたら、逃げられてしまうわ。私が囮になるから。」


 兄はため息を一つ吐く。

「絶対一人ではダメだ。」


 じゃあ一人じゃないといいのね。


「じゃあ、誰か女装して付いて来てくれる?」

 女性じゃないと警戒されてしまう。女装なんて誰が請け負ってくれるかしら?


 兄は団員を見渡し、一人の団員に視線を合わせた。


「マルティン、お前女装しろ!」


「えっ!また俺ですか?」


「そうだ。お前はまだ背も高く無いし、童顔で可愛く見える。この間も似合っていたぞ。」


 確かに女装似合いそうな若者だ。


「そんなぁ。」


「諦めるんだな。」


「貴方どれくらい力がある?自分の身は守れる?」

 私は彼とは組んだ事が無いので、実力を知らない。


「はい!身を挺してお守り致します。」


「わたくしの事はいいの。」


「アリアナ、そいつは見た目ひ弱そうだが、かなり魔法力もあるし、体術も出来る。安心しろ。」


 それは頼りになりそう。


「そう?本当に?」


「はい!」


 話がまとまりそうになったところで、クロード殿下が口を出す。


「やっぱりダメだ。」


「殿下、わたくしは大丈夫ですわ。」


「アリアナを危険な目に合わせたく無い。」


 気持ちはありがたいのだけど、私も黙って見ている訳にはいかない。


「クロード、こいつは言い出したら聞かないのは知っているだろう。勝手に動かれるより、監視の上で動かした方がより安全だ。それに大掛かりに捕物ができれば、一石二鳥だ。」


 兄が味方になってくれた。


「お兄様、黒幕の貴族まで捕まえるので有れば、わたくしはしばらく潜入しましょうか?」


 そうすれば、黒幕に辿り着くだろう。


「絶対にダメだ!」とクロード殿下が叫ぶ。


「今回はそこまでは望んでいない。黒幕は現場には出てこないだろう。証拠になりそうな物が出てくるか、犯人が口を割るか、どちらかが出来れば上々だ。だから、絶対に無理するな。」と兄が冷静に私を諭す。


 確かに黒幕を突き止める事は、難しいかもしれない。


 兄と打ち合わせをして、準備を始めた。


 マルティンは町娘の服装に着替え、カツラを被る。

 私は魔法で髪の色を漆黒に変えた。


 そして、私達は倉庫街へ移動する。


「アリアナ、決して無理をするな。」

 クロード殿下が私の肩に手を置いて、念を押した。


「はい。」

 私も素直に返事をした。


 私とマルティンは倉庫街を歩く。


 ジャックが駆け込んだ時は、まだ明るかったが、今は闇に包まれていた。

 申し訳程度にあるランタンが、ここが倉庫街だと教えてくれる。


 女装のマルティンは可愛らしい。


「マルティン、貴方は捕まりそうになったら、逃げて。男性だとバレると大変だから。」


「そんな事をしたら、私は副団長から殺されます。バレない様に魔法で何とか誤魔化しますよ。皆の前では、ああ言いましたが、私は女装して潜入捜査をする事は時々あるので、大丈夫です。あっ、女装の時の偽名はマルティナでお願いします。」


「それでそんなに慣れているのね。私のことはリアと呼んでね。」


 そう、女の子みたいに歩く事が上手だった。

 私も街での名前で呼んでもらうように頼む。


「マリア、ソフィー!どこにいるの!」


 こう叫んで探せば、彼らはアジトがバレたと思って、慌てるだろう。

 私達、若い女二人だと、わかれば、絶対に攫うはず。


 そう考えながら、二人の名を呼ぶ。


 倉庫街の中心部付近を歩いていたら、突然屈強な男達に囲まれた。


「これはこれは。俺たちのアジトがバレたかと思って出てきてみれば、お嬢ちゃん達だったぜ。」


「ハハハ」

 男達が笑う。


 怖がる振りをして、何人いるのかを探る。

 10人ほどだろうか。

 ここに10人出てきても、アジトにも残っているはず。

 何とかなる人数かしらと計算する。


 私は怖がりながら声を出すという、難しい演技に挑戦した。

「あなたたちなの!マリアとソフィーを攫ったのは!二人を返して!」


「それは出来ないなあ。だが大人しく付いて来るなら、会わせてやってもいいぜ。」


「あの子たちは、無事なの?」


「自分の目で確かめな。」

 彼らは卑俗な笑みを浮かべる。


 そんなやり取りの間に、私達は男達に囲まれた。

 両手を後ろ手に取られる。


「何するのよ!」


「おっと、傷つけるなよ。大事な体だ。嬢ちゃん達も大人しくしな。」

 そう言って、私達を縛る。


 男達に囲まれながら、倉庫の一つに連れて行かれた。

 倉庫には、私達を連れて来た男の他に10人ほどの男達がいた。


 そこには、大型の檻があり、下は5歳から15歳ぐらいだろうか。女の子が十数人入れられていた。


「お前達も入れ!」

 縛られた腕は解かれたが、私達も檻に入れられた。


「マリア!ソフィー!」


 二人は中にいた。私を見て、キョトンとしている。

 髪の色を変えているので、わからなかったのだろう。

 私は彼女達を抱きしめながら、耳元で囁く。


「リアよ。髪の色は染めているの。もうすぐ助けが来るわ。だから頑張って。」


 彼女達はコクコクと肯く。


 周りを見渡すと、皆疲れ果てて、怯えた表情をしていたが、命に危険があるような状態の子はいなかった。

 とりあえず、私はホッとした。


 さて、次はどう彼女達を助けよう?

 とりあえず、兄達が踏み込むのを待つしかないのかな。

 マリアとソフィーの二人だけなら、マルティンと助ける事は可能だとは思うけれど。でも、全員を確実にとなると、防護魔法で守りながら、賊を退治しなければ無理だわ。

 出来ない事は無いけれど、この子たちがパニックでも起こせば難しい。


 男達は私達を捕まえて安心したのか、倉庫の入り口に見張りを二人残して、酒盛りを始めた。


 私はマルティンに視線を合わせ、小声で囁く。

「外から踏み込んで来たら、そのドサクサに紛れて、檻を壊して防護魔法をかけるわ。貴方どこまで出来る?」


「私は檻を壊して、外からお守りします。」

 マルティンは自信を持って答えてくれた。


「では、お願いね。」


 私はそう言ってから、兄に魔法通信を使い、連絡を入れながら、魔法制御ブレスレットを外す。

 男達は酒盛りに夢中なので、多少の小声は大丈夫だろう。


「お兄様?」


「ああ、今建物の外で待機している。いつでも踏み込めるぞ。」


「今、賊は酒盛りを始めたばかりよ。酔わせた方がいいから、少し待って。」


「すぐに踏み込むらしい。準備しておけよ。」


 そう言って、切れた。

 私が入り口に顔を向けると、一人の男が厳つい形相で私を睨んでいた。


「お前、今、何をしていた!」


 話していた事がバレたみたいだ。

 仕方がないと、防御魔法を発動させようとした時に、倉庫の扉が開く音がする。


 男が扉に気を取られる。

 その間に、マルティンはさっさと魔法で檻を壊してくれた。私は皆をそのまま防御魔法で守る。


 数人の男が慌てて、私達の方へ走って来たが、マルティンが鮮やかに倒してくれた。


 強かったんだ。見かけで判断してごめんなさい。


「みんな、助けが来たから、もう大丈夫。男達は手出し出来ないように、守っているから、あなたたちは大人しくじっとしていて!」


 彼女達もわかってくれたようだ。


 入って来た魔法師団に、男達は次々と捕われていく。


 捕まえられた男達が集められ、兄とマルティンが確認している。


 私達のところには、クロード殿下と魔法師団の団員が数人やって来た。


「アリアナ、もう大丈夫だ。」


 私は防御魔法を解く。


「それぞれの身元を確認しろ。事情を聞いたら、送り届けるように。帰る場所が無い子は、いつもの孤児院へ。 」


 クロード殿下は団員に指示を出した。


「この二人は孤児院の子なの。ちゃんと送り届けてくださいな。」


 二人の事を頼んでいると、クロード殿下から腕を引っ張られた。


「きゃっ!」

 私はバランスを崩して、クロード殿下の胸に倒れ込んだ。


「アリアナ、無事か?」


「ええ。私はなんともありませんから、離してくださいませ。」


「ダメだ。男達が手を触っただろう?マルティンとも手を繋いだだろう?」


 心配性の兄と一緒だ。


「仕事ですから。いちいちそれくらいで、騒がないでくださいませ。わたくしも事後処理を手伝って参ります。」


 そう言って、殿下の胸に力を入れて、体を離そうとするが、逆に両腕を取られてしまう。


「アリアナは私に報告だ。魔法師団に帰るぞ。エリック!先にアリアナと本部に戻る。後を頼む。」

 そう言って、殿下は私を抱きしめたまま、転移魔法で飛んだ。





お読み頂き、ありがとうございました。


このところ仕事が入って来て、思うように執筆が進みません。更新が不定期になってしまいますが、お付き合い頂けますと幸いです。


次回は明日か明後日には投稿できるよう、頑張ります。

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