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悪役令嬢は婚約破棄を言い出した王子様に決闘を申し込む。  作者: 藤宮サラ
第一章 決闘まで

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【閑話】アリアナとフワモコウサギと鏡

ブックマーク、評価、感想の御礼の閑話です。

本当にありがとうございます。

前話がなかなか出来なくて、現実逃避してしまい、つい、書いてしまったアリアナ視点のお話です。


読まなくとも、番外編の進行には影響はありません。本当に、軽い気持ちで書いてしまったので、温かい目で見て頂けますと幸いです。

「おはよう!」

  私は今日もフワモコウサギちゃんに朝の挨拶をする。


「あぁ。どうしてこんなに可愛いのかしら。」

 撫でていると、前世の記憶を思い出す。


 小学生の時、飼育係でウサギの世話をしていた。

 嫌な事があった時など、ウサギを撫でながら、愚痴を言っていたなぁと。


 それから直接生きたウサギと触れ合う事は無かったが、ウサギのモチーフの物は、私のラッキーアイテムのひとつだった。


 アラサーになっても、それは変わらず、部屋にはぬいぐるみまであったのだ。まぁ訪ねて来る彼氏もいなかったので、遠慮なく可愛がっていたのだが。


 そんな事を思いながら、ウサギを撫でていく。

 ブサかわいいこのウサギは、私のドツボにハマってしまった。


 作ってくれたマリーちゃんには、お礼の品とカードを渡してもらうようにお願いした。

 また作ってくれないかなぁなんて、邪な事を考えながら。


 しかし、何で攻略キャラ達は皆揃いも揃ってイケメンなんだ。少しぐらいブサかわいいところがあっても良さそうなのに。


 観賞用や想像上の人物なら許せるが、実際の人物になると胡散臭く見えてしまう。

 性格がいい子もいるのだろうけど、前世の記憶が邪魔をして、一線を引いてしまう。


 そう言えば、マリーちゃんのお兄さんのヨハネス君は性格は素朴で良さそうだな。だけど綺麗すぎ。女装させると、とても可愛い美少女になりそうだ。

 しかし、アラサーのお姉さんが手をつける訳にはいかない。いや、今の私は16歳で、同じ歳のはずなのだが。

 ついつい、そんなバカな事を考えてしまう。


 まぁ、攻略キャラにさえ、関わらなければ、私のバッドエンドは回避されるはず。


 そう言えば、ヒロインは、ブサかわいいかも。

 整っているわけではないが、見た目の愛嬌だけは、あるものね。


 そんな事を考えながら、朝の準備をする。

 私は鏡を見ながら、

「カガミン、カガミン、カガミンミン、私を16歳に戻して。」

 とおまじないをかける。

 毎日の日課だ。

 童話に出てくるような鏡を見た8歳の時に思いついた。

 鏡が話す訳では無いが、自分自身への暗示のようなものだ。

 そうしないと、アラサーの私が出てきて、大変なのである。

 童話の様な呪文で鏡に話しかけると、自分が継母になった気分になり、アラサーから抜け出せない。やって見たが、ますます老け込んだ気分になってしまったのだ。

 でも鏡に呼びかける方法は、いいアイデアだと思い、何かいい呪文が無いかと考えた。

 そういえば、カガミンって呼ばれていた可愛い後輩がいたなぁと思い出した。本名も鏡だったはず。

 アラサーで化粧もそこそこに、髪振り乱して働いていた私に、彼女は(先輩は素材がいいんですから、キチンとお化粧しましょうよ。)と丁寧に化粧の仕方を教えてくれた。

 それで、私は鏡にカガミンと名付けたのだった。


 鏡の暗示は意外と効果があった。

 だけど、クリストファー殿下だけには、いくら自己暗示をかけても、彼の事を子供を見るような目になってしまった。婚約者と思ったからかもしれないが。

 彼にとっては母親が二人に増えたように感じたかもしれない。


 彼は今、カーラに夢中である。

 自分が優位に立てるって、居心地がいいのだろう。そして、それは自信に繋がるのだろう。

 頼られるって、大事な事かもしれない。


 アラサーの前世の私も、頼るより頼られる方で、男性からしてみれば、可愛くなかったのだろうと思う。

 中には頼りたいと言う男性もいるが、私が自立しない男性は嫌いだった。いや、今でもお断りだが。


 カーラが乙女ゲームのヒロインである事はすぐに分かった。彼女はヒロインだから、攻略キャラの誰かと結ばれるはずだ。


 普通の優しい令嬢であれば、私も応援したのだが、育ちのせいか、自己中心的であり、嘘を平気で吐く。


 何度か彼女を矯正しようと試みたが、難しかった。

 

 私のこの行動が、悪役令嬢としての振る舞いだと気付いていても、彼女にはヒロインらしい令嬢になって欲しかった。


 フーと息を吐く。

 おまじないをしていないと、アカデミーの学生は皆子供に見えてしまう。いけない、いけないと首を振る。

 今日はもう一度おまじないが必要かも。そう一人呟いて、鏡を見る。


「カガミン、カガミン、カガミンミン、私を16歳に戻して!」


 その歳に合わせて、年齢のところだけを変えているおまじない。

 あと、何年したら、このおまじないから解放されるのか。


 さあ、今日も頑張らないと!

 そう自分にいい聞かせて、フワモコウサギちゃんを撫でてから、部屋を出た。


お付き合い頂き、ありがとうございました。


実はこの話の流れで【もしも】話を少しだけ追加で書いたのです。【もしも…鏡とアリアナの25年後のやり取り】


ここに書くとイメージが…と思い、この後、活動報告に投稿します。

もしも話ですが、ご興味のある方は覗いて見てください。注意)もしもアリアナの実年齢がアラフォーだったら設定です。アリアナは若いままの方がいい方はスルーしてください。


明日は通常(?)の番外編です。

兄かルーカスか。これからの進み具合ですが、お付き合い頂けますと幸いです。

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