表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/120

卒業パーティーは婚約破棄の予感

初投稿です。

温かい目で見守って頂けますと、幸いです。

本当は短編にするつもりでしたが、中途半端な量となったので、短めの連載とします。

「アリアナ-ファーガソン、お前との婚約を破棄する!」


 こう叫ぶのは、この国の第2王子クリストファー殿下である。


 私は(ああ、やっぱり)と納得した。

 

 ここは王立魔法アカデミー、高位貴族の令息令嬢が11歳から16歳まで、魔法の扱い方や一般常識、礼儀作法などを学ぶ学び舎である。


  私、アリアナは筆頭公爵家の令嬢で、クリストファー殿下の婚約者であり、このアカデミーの最上級生である。


 白薔薇姫という、私は望んでいない愛称で呼ばれている。確かに色は白く、目鼻立ちは整っている方だと思うが、自分にとって、容姿はどうでもいい。

 いや、今となっては、目立たない凡庸な容姿が良かったと思う。容姿のせいで、相手から勝手に嫉妬され、絡んでこられた事が何度あったか。外見だけと言われないように努力する事も怠らなかったが、誰も私の努力を知らない。


 アカデミーには入学せずとも、一般教養も魔法学も身に付けていたが、クリストファー殿下が入学するという事で、一緒に入学し、今日を迎えた。


 広間では、今日卒業記念パーティーが今から開催されるので、国王陛下、王妃陛下を始めとする大勢の保護者と卒業学年と、二つ下の学年までの学生が、集まっていた。


  本来ならば、今、クリストファー殿下の隣にいるのは、私のはずなのである。


 しかし、殿下は隣にカーラ-アルフォン子爵令嬢を侍らし、周囲にはクリストファーのご友人(こしぎんちゃく)と言われる令息達が、敵意丸出しで私の事を睨んでいる。


  私の周りは空間が出来ていたが、周囲は仲が良かった令嬢と、数少ないカーラに靡かなかった令息たちが、憤慨した表情で私の背後を守ってくれている。


 ゲーム通りなら、ここで殿下が私の罪として、色々と並べ立てるはず。


 この状況は、私が前世で密やかな楽しみにしていた乙女ゲーム「魔法アカデミー⭐︎華の乙女と7人の王子様」と状況が一緒だった。


  そう、私は前世の記憶があったのだった。


  私の役所は、ヒロインの子爵令嬢を虐める悪役令嬢。転生前の記憶が蘇ったのは、殿下と初めて会った8歳の時。その日から今日に備えて、ありとあらゆる努力をしてきたつもりだ。


  私は決して苛めなどしていない。


  ゲームでは、この悪役令嬢は酷い!と憤っていたのに、実際は当事者にならないとわからないものね。と溜息が出る。


「お前は、ここにいるカーラを虐めてただろう。」

 

「はあ?」


「それだけではなく、密かに亡き者にしようとして、暴漢に襲わせた。」


「なんの事でしょう?」


「とぼけるのか!公爵令嬢にあるまじき行為だ。引っ立てよ。」


(ああ、やっぱりね。ゲームではここから牢に繋がれて獄死するか、戦場の前線に行かされ魔力を使い果たした後、軍人たちのおもちゃにさせられるか。

 でも、ゲームのようにはさせないわ。やられたら3倍返しで返してあげよう。フラグは叩き潰すわ。)


 と不敵な笑みを浮かべてみた。


  私を取り押さえようと、学年一番と言われる屈強な男子生徒が側によって来る。


  私の肩を掴みかけようとした瞬間に、拘束魔法をかけて、床に跪かせた。


  殿下は金魚のように、口をパクパクしている。

 きっと自分に使えない魔法を私が使った事に驚いたのね。私は殿下より成績が下になる様に、手を抜いていたから。


 本人は自分は美しく賢く非の打ち所がない王子だと思っているのが、厄介だったのよね。


 それにしても、拘束魔法って便利だわぁ!と思う。

 ついでに、私の力を抑えるための魔力制御のブレスレットを外す。

 これで、魔力全開できるわ。と微笑む。


 さあ、反撃開始だわ!

 ゲームとは違う、悪役令嬢の私を見せてあげるわ。













読んでいただき、ありがとうございました。

早めに次も更新する予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=158316304&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ