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サイド:偽物勇者(1)


短めです。


多分、もう少ししたらドパッと一気に更新します。







オレ、勇者のアルドは沢山の人々見守られながら神殿にて、《祈祷の儀》を終えた。



巡礼なんて言ってるけど、四大神の神殿で祈るだけで聖具顕現っていうか魔王を倒す武器を召喚できるようになるんだから、楽なもんだ。

旅の途中ではパーティーメンバーとも楽しめたしな。

それに……これからはテオドールがいないから、更に楽しめるはずだ。


「今ここに勇者の巡礼は成り得ました‼︎」


智の大神官の言葉に、人々から歓声が湧き上がる。

あぁ、なんて心地いいんだ。


「さぁ、勇者よ‼︎聖具顕現を‼︎我らに聖剣をお見せ下さいませ‼︎」

「聖具顕現‼︎」


オレの声に合わせて右手から炎が上がる。

そして、顕現するのは赤く燃え盛る炎の剣。

…………ん?


「…………ん?……聖剣は白銀の剣だと聞いていたのですが……?」


智の大神官は、オレの剣を見て怪訝な顔をする。

オレも慌ててそいつに駆け寄った。


「オレもだ。一体、どういうことなんだ⁉︎」

「わ、分かりませぬ‼︎どうして勇者様の剣が……」


この聖具顕現は、巡礼を成し得たものなら誰しも取得する。

オレの他に巡礼を終えた者なんて………。


「………………あ……」


いた。

一人だけ、いた。

オレの仲間だった奴。

アイツがっ……。


「テオドールが、聖剣を盗んだんだ……」

「テオ、ドール?」

「オレの仲間だった奴だ。奴はオレらのパーティーを辞めさせられた腹いせに、聖剣をっ……‼︎」


そうだ、そうに違いない。

オレは怒りの炎を燃やし、人々に向かって叫ぶ。


「テオドールという男を探せ‼︎そいつが聖剣を勇者から奪ったぞ‼︎」

「ゆ、勇者様っっっ⁉︎」


大神官の制止を無視して、オレは叫ぶ。


「亜麻色の髪と瞳の平凡な男だ‼︎オレの仲間だったが、今は裏切り者だ‼︎」

「なんと‼︎」

「ふざけやがって……‼︎」


オレの言葉に人々は驚き、そして「テオドールを探せ‼︎」と掛け声をかける。

あぁ……これで大丈夫だ。

きっと聖剣はオレの元に戻ってくる。


「………………まさか……」


だけど、オレは気づかなかったんだ。

オレの後ろで智の大神官が慌てて、駆け去ったこと。





テオドールは……もうこの地にいないことをーーーー。






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