表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王軍復興物語  作者: 夜桜水明
第1章 プロローグ
5/12

親との対面と旅立ち

ソフィのロリコン度に引いてください(謎)

「本当にミーシャが帰ってきたのだな」

 感慨深いと言った様子でミーシャの父、ラックは帰還した娘を歓迎する。

「見てよこれ。ミーシャが1週間帰ってこなくて、探しても見つからなかったから作っちゃったのよ。うふふふふ」

 シュッツが笑いながらミーシャの写真が置いてある祭壇を見せる。ミーシャが何も言えなくなっていると、ミレインが切り出した。

「それで、あなたは今までどこにいて、何をしていたの?」

「洞窟でずっと眠ってたの」

 ミーシャが説明を面倒くさがり、あまりにも省略しすぎた説明をかますと、ミレインから「真面目に答えて」と言われ、ミーシャはこれまでのこととこれからのことを淡々と語り始めた。


      ☆     ☆


「――というわけなんで、息子さんを貸していただけると幸いです」

「…はぁ、」

 ソフィの説明にハルライトは気の抜けた返事をする。それもそのはず、アイロアが200年間帰ってこなかった理由は本人から聞いていたので、聞くのはこれで2回目なのだ。しかし、ハルライトが呆れている理由はそれだけではない。

「いつまで私のことを抱いてるの!ロリコン機械(アーティファクト)!」

 ソフィのロリコンが発覚してから開き直ったようにクーニラを抱きしめ続けたあと、膝に乗せたまま説明を始めたのだ。クーニラに面と向かってロリコンと言われても当のソフィは

「あぁっ!イイっ!もっと罵って!」

 と言うのだ。もはや恐怖である。キャラ崩壊である。

「…」

 サンローズは先程から何も言えない。200年前まで自分達を支配していた主の側近と言われていた、高貴な存在だった悪魔が重度なロリコンだったのである。評価の上から下への変動が激しすぎるだろう。そこでアイロアが話題転換する。

「そういえばソフィ。さっき持ってきてた剣と杖ってなんだったの?」

「ああ、あれはあなた達の装備ですよ。ちょっと貸していただけます?」

「え?家の外にほったらかしだけど?」

「…」

 ソフィが家の外に飛び出し、剣と杖を抱えて戻ってきた。もちろん、クーニラを抱きながら。

「では改めて、これはあなた達の装備です。この剣はアイロア様に装備していただく、ジジイの剣です。」

「…今なんて?」

「ジジイの剣です」

 説明しながらソフィがジジイの剣をアイロアに渡す。するとその瞬間、ジジイの剣が淡く光り始めた。

「私の予想通り、ジジイの剣とアイロア様の相性は素晴らしい。これなら大丈夫でしょう。」

「…名前がダサいので変えてくれません?」

 アイロアの言う通り、名前がものすごくダサい。取替を願うが、

「すみません。これ以上アイロア様に合う剣はありません」

「そ、そんな…」

 拒否される。どうやらジジイの剣に決定したらしい。

「仕方がない。他の名前で呼ぶことで万事解…」

「他の名前で呼ぶと拗ねて正常に機能しなくなるのでやめたほうがいいかと。」

「くっそおおおおおおう」

 アイロアが机をバンと叩く。どうやら、ジジイの剣は改名不可らしい。

「さて、アイロア様に武器も渡せましたし、積もる話もあるでしょう。私はミーシャ様の家に向かいますので家族団らんをお楽しみになってくださいませ。では」

 そう言ってソフィが出ていこうとしたところをハルライトが止めた。

「ちょっと待って下さい」

「?何か?」

「あの、クーニラを連れて行こうとしないでくださいません?」

「…」

 そう。ソフィはクーニラと杖を持って家を出ていこうとしたのだ。

「…息子さんのついでに娘さんも貸してくれません?」

「個人的なお願いなら拒否します」

「…デスヨネ」

 ソフィは残念そうにクーニラを置いてミーシャ宅へ向かった。クーニラは解放され、すごく満足そうな顔をした。


      ☆     ☆


「――というわけで娘さんを貸していただけると幸いです。」

 アーティファクト特有のコピペを駆使し、ミレインとラックを説得する。

「テスラーさんちは認めたの?」

 シュッツから声がかかる。

「ええ、サンローズさんとハルライトさんは認めてくれました。」

 ソフィがクーニラのことを思い出しているとラックから許可が降りる。

「ウチもいいですよ。ミーシャはたしかに強い。そしてこの武器も相当なものでしょう。」

 そう言ってミーシャの杖を見やる。

「さすがはレグルディウスに魔術を教えたラック=ケセランですね。それは品質が最高峰かつミーシャ様に1番相性がいい杖で、名前は『極杖タコヤキ』と言います。」

「…今なんて?」

「極杖タコヤキです」

 先程と同じようなやり取りが成される。

「それでは早速旅立ちをさせたいと思います。アイロア様を呼んできますので少々お待ち下さい。」

 ケセラン家にはロリっ娘がいなかったからか、スムーズに終わった。

「ソフィティア=フランセスカ様。いい人だったわね」

「ああ、さすがは魔王様の側近だ」

 テスラー家とは真逆でケセラン家でのソフィの評価が大きく上がった。


      ☆      ☆

「じゃあ、行ってくる」

「必ず帰ってきます」

 アイロアとミーシャが旅立つ時がやってきた。

「2人とも、気をつけてね」

 とサンローズ。

「魔王様達によろしくな」

 とハルライト。

「悪魔ってバレたらだめよ」

 とシュッツ。

「いってらっしゃいアイロア、ミーシャ」

 とミレイン。

「アイロア君、ミーシャをよろしくな」

 とラック。

「検討をお祈りしています」

 とソフィ。

 ……ソフィ?

「って、何で見送りオーラ出てるんですか?ソフィさん?」

 アイロアの問に真顔で答える。

「いえ、人間のロリっ娘には興味がありませんので」

「知るか!」

 アイロアがツッコむとソフィが説明する

「2割くらい冗談です。もともと私は魔王国サクレムの防衛手段として作られたので、国の外には出られませんので。」

 2割くらいという言葉とさっきまでのクーニラに対しての態度的につい疑ってしまうアイロア。それをごまかすように「いってらっしゃいませ」と促す。疑っても仕方がないと判断し、アイロアは「行こう」と言って、ミーシャと旅に出た。

旅立ちました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ