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異世界で三兄妹が奮闘する話。  作者: G2
始まりの物語編
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第四話 黒い宝石

投稿遅れて本当に申し訳ございませんでした。

夏休みの宿題という名の敵と戦っておりました。本当に本当に申し訳ございませんでした。

  俺達が着いたのは、池・・・いや、湖だった。しかも、あまり深くはなかった。

  その湖にちょうど陽の光が反射して、なんだかも◯のけ姫を思い出して、とてもきれいだった。

  よく見ると、湖の中央に小島があり、祠が建てられていた。

  祠を見た瞬間、好奇心が沸き上がり祠の中身が見たくなったので、ティーから降りて綿でできたズボンをたくし上げて祠へと向かった。俺が一人で水の中に入ると、つられてユーズとアンがついてきた。流石にティーは大きすぎるのか、水に入らずこっちを見て待っていた。少し怖い。

  小島に着いて、祠をよく見ると、蔦や苔がたくさん生えていた。近づいて祠の中身をのぞいてみると、何かが入っていた。


「ねえ、兄ちゃん。なにか入ってない?」


  俺の次に気づいたのは、ユーズだった。


「取り出してみるか。」


  そう言って、蔦をどけて祠の中身を取り出そうとすると、南京錠のようなものが付いていることに気づいた。仕方ないので、「創造力」を使って、南京錠を金属の玉にした。

そして、俺は今度こそ祠の中身を取り出す。


「宝石か?」


  中に入っていたのは、紐のついたネックレスに似た、黒い宝石だった。ひし形の黒というより漆黒で中が透き通っていなかった。例えるなら、闇が宝石の中に押し込まれている感じだった。

  二人も興味がわいたのか、俺の手のひらの上にあるこの宝石をキラキラとした目で見てきた。


「お兄ちゃん、これ何?」


「ネックレス・・・に見えるけど紐が短いしな。なんだろう?」


  紐が短かったので、ネックレスではないのだが取り敢えずつけてみることにした。

  ・・・

  ・・・・

  ・・・・・

  取れなくなった。

  着けようとして、頭に通そうとしたら宝石が額のちょうど中心のあたりに来た時にそれ以上入らなくなった。なので、外そうとしたら紐が動かない。ハサミがあれば良かったが、森の中に持ってきているはずがなかった。刀で切ろうともしたが、下手すると皮膚ごと切れそうなのでやめといた。


「取れないね~。」


「そうだな、村に戻ってからハサミで切ってみるか。」


  ユーズは、マイペースなのがいいところだが、少しは心配してほしい。

  それにしても失敗したのが、着ける前に「解析鑑定」しておけばよかった。今、宝石はギリギリ目の届かない位置にあるので、解析ができないのだ。

  本当にこれは一体何なんだろうか?


「ねえ、お兄ちゃん。そろそろお昼じゃないの?」


  そう言われて、ふと空を見上げると太陽がちょうど真上にまで来ていた。

  おっと、もうそんな時間になっていたか。


「そろそろ帰るか。」


「「え~」」


  二人そろってそう言った。

  どれだけ帰りたくないんだ、まったく。


「母さんに怒られるぞ。」


「さ、さあ早く帰ろうかユーズ。」


「そ、そうだね、姉ちゃん。」


  ものすごい速さで前言撤回して、少し声が震えていた。

  まあ、それだけ母さんが怖いのだが・・・。


  というわけで、俺は宝石をつけながらティーの背中で揺られていた。

  魔物はティーを恐れているのか全く見ない。その為、かなり暇だ。


「そうだ、ユーズ。」


「なに?」


「お前の「独裁者」は、本当に必要な時以外使っちゃだめだからな。」


「なんで?」


  しまった。考えてなかった。危険だから、というはダメだし、なんかいいのはないかな。う~ん・・・そうだ!


「力とは相手を傷つけるためにあるものじゃないんだ。自分の大切なものを守るためにあるものなんだ。だから、むやみやたらと力を使うんじゃないぞ。」


  俺が言ったのは、漫画のありがちなセリフなのだが・・・。


「うん。よくわからないけどわかった!」


  元気よく返してくれた。よくわかっていないみたいだけど、まあいいか。


  そうこうしているうちに、木々の間から村が見えた。ティーのことをどう説明しようか、

  村に着き、ティーを家の前に置いて家の中に入ろうとしたら、


「おや、おかえり。」


「・・・おかえり。」


  洗濯をしている、母さんと父さんに出くわした。

  少し控えめで、後からしゃべったのが父さんだ。

  そして、ティーを見るなり、


「おや、丸々太った美味しそうな豚さね。」


「・・・どう調理しようか。」


  心配する必要など皆無だった。

  父さんは、すでに調理しようとしてるし、母さんは猪だとさえわかっていない。

  まったく、どこにこんな大きな豚がいるんだよ。ティーは、ユーズに「独裁者」使われた時ほどじゃないけど、震えているし・・・。


  結局、ティーは獲物じゃないことを説明するのに、ずいぶんと時間をかけたのは言うまでもないだろう。

  ティーの説明をしている時、


『この豚に名前を付けたのかい!?』


『だから、ティー(こいつ)は猪だって・・・』


『そんなのどうでもいいんだよ!本当なのかい、ユーズ?』


『う、うん。そうだけど・・・』


『・・・あ~そうだったよ。教えるの忘れてたよ。』


『『『???』』』


『いいかい?魔物や魔人っていうのは、名を付けられると進化したりスキルってのを獲得することがあるのさ。だけど、名付けをした方は名付けをした時、自分の魔力をゴッソリ持っていかれちまうのさ。ユーズは魔力が多いから良かったものの、魔力が少なかったり名付ける相手が強かったりすると、最悪死ぬことだってあるから、名付けるのはほどほどにしたほうがいいのさ。』


  とかなんとか言っていたような・・・まあ、いいか。


  そして、俺の額の宝石についても聞かれたので説明しようとしたら、村の東・・・山脈の方から歌声のようなものが聞こえた。


「あっそびましょ♪あそびましょ♪みんなと一緒にあっそびましょ♪(こっろ)しましょ♪|殺しましょ♪ひ~とりのっこさず殺しましょ♪」











 



お読みいただきありがとうございます。

「陰陽師と妖怪使いのなりそこない」というのも連載し始めたので、そちらもどうかよろしくお願いします。



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