第三話 ティーと独裁者
今回も少し短いです。
後から思いましたが、前回と今回を合わせて出せばよかったですね。
俺は今、大猪の背中に乗せてもらっている。
何故、こんなことになっているかというと・・・
俺は、絶対に間に合わないと思った。しかし、俺の目に飛び込んできたのは、異様な光景だった。
重力猪は、急に土煙を一切立てずに、震えながら怯えるように、ひれ伏すような形で前足を折り曲げ、ユーズの目の前で重力猪が止まった。自分自身におもいっきり重力をかけたんろう。 それにしても、何で重力猪は急に態度を変えたんだ?まるで、強者に恐れをなしたみたいだ。これがユーズのスキルなのか?でも、だったらなんで、俺の「神ノ瞳」の解析で何も出てこないんだ・・・?まさか、俺の「神ノ瞳」はユニークスキルだ。ユニークスキルの一つ下がエクストラスキルで、解析したら結果を見れる。つまり、同等の強さのユニークスキルなら、結果を見れないのか?・・・でもそれだったら納得がつく。
俺が一人でそんなことを考えていると、
「兄ちゃん、早くティーに乗ってよ!」
重力猪の背に乗った、ユーズが言った。そう言われて見上げてみると、ユーズといつの間にか、アンが乗っていた。
いつの間に、と思ったが、気にせずに俺は重力猪の背に乗った。乗ってみると、重力猪の毛は一本だと硬いがたくさんあると、フワフワしていて乗り心地が良かった。
それにしても、重力猪の名前がティーて、グラビティだからティーなんだろうけど、安易だな。そもそも、ティーは雌なのか?そこが、疑問なところだな。
そして現在、俺達はティーの背中に乗って、森の奥へと進んでいる。
まあまあ歩いて、話すことがなくなったので、俺はさっきの一番の疑問を聞いてみることにした。「ユーズ」と聞くと、「ん、なに?」と返してくれた。
「お前、特殊能力持ってるだろ。」
俺が率直に聞いてみると、
「ゆにーくすきる?ああ、「独裁者」のこと?」
普通に返された。
そこで、かなりすごい名前の「独裁者」の能力について説明してもらった。説明されてる時、アンが話についていけず、ボーっとしていたが、放置でいいだろう。
「独裁者」の能力は、大雑把に言うと、精神や本能に直接語りかける、という能力らしい。つまり、さっきユーズは、ティーの本能に直接、狩るイメージを語りかけて、自分は強者だと錯覚させたらしい。名前のとおり、凶悪な能力だ。
それにしても、
「何で隠してたんだ?」
「別に隠してなかったよ?言うの忘れてただけで、それに今日は、魔法が間に合わなくて、もう無理かもって思って使っただけだし。」
隠してなかった?・・・まてよ、もしかして動物や虫に好かれていたのが「独裁者」の能力だとしたら・・・何で、気が付かなかったんだ俺~!
それにしても、やっぱりあの時、危なかったんだな、よかった「独裁者」をユーズが持っていて。
そうやって、ユーズと二人で話していると、
「お兄ちゃん、すきるって何?」
「そうだよ兄ちゃん、すきるってなに?」
アンが話に入ってきて、ユーズがそれにのっかった。
あれ?俺も「創造力」けっこう使っていたから、説明したと思っていたけど、してなかったけ?
それから、二人が能力を理解するまで、結構時間を使って説明する羽目になった。
そして、説明してわかってもらえたところで、なにやら、ひらけた場所に出た。
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