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異世界で三兄妹が奮闘する話。  作者: G2
第二章 魔の大森林編
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第二十二話 密談

先週はお休みしてしまい、申し訳ございませんでした。


文章の書き方を少し変えてみました。

本日、二話同時投稿。こちらは一話目です。

  『神樹シドラ』最上階層、『自然の楽園(オーフィール)』の扉の前で、


(・・・ったく、話って何だよ・・・。)


  ルーミは苛立ちを抑えながら心の中で悪態を吐いていた。

  何故なら、彼は今途轍もなく疲れているからだ。

  その理由は二つある。

  一つは、大量のラーメンを作りまくったこと。そしてもう一つは、アンとカーリーが異常に仲良くなっていて、全然寝てくれなかったからである。


(まったく、あの二人はどうしたらあそこまで仲良くなれるんだ?カーリーなんか、アンのことを姐さんって呼んでたし・・・。)


  そんなこんなで、アンとカーリー、そしてユーズを寝かしつけてここにやってきていた。

  つまり、純粋に。


(眠い。マジで眠い。)


  たとえ〝原初〟の悪魔と契約しようが〝九罪王〟とかいうのと戦って生き残ろうが人間をやめようが、睡魔というのは強敵なのだ。

  なので、早く終わらせようとルーミは扉を開ける。

  扉の中へと入り、自然に囲まれた道を歩く。そして、開けた場所へと出た。


  夕食前に集まった時とは違い、重厚な長机が置かれていた。天井は夜に設定されており、灯りは机の上の『光り苔』のみで薄暗くなっていた。

  その奥にはフィスィノシアが座り、ルーミから見ればその左側にシヴァ、右側にシドラが座っていた。フィスィノシアの後ろにはオルシオが立って控えている。

  そんな面々のいるこの空間は重々しい空気によって支配されている。


(うわー。何だこの空気。)


  そんな中、始めに口を開いたのは、部屋の主、フィスィノシアだった。


「よく来たのう。まあ、座るのじゃ。」


  ルーミは言われた通り、自分から見て一番近い椅子・・・フィスィノシアからだと正面の席に腰を掛ける。


「話って何だ?」


  ルーミは眠いのといち早くこの空気から解放されたくて、重々しい空気を裂くようにぶっきらぼうに言った。


「そうじゃな。まず、始めに、サーガ村に何があったか聞かせてもらおうかの?」


  ルーミは全てを話した。起こったことを何一つ包み隠さずに。


「・・・で、そこで俺の意識は途絶えて、気づいたら『神樹シドラ(ここ)』だったってことだ。」


「ふむ。なるほど。超感謝するぞ、ルーミ。」


「いいって、感謝するのはこっちだしさ。これで終わりか?だったら眠いからかえ・・・。」


「待ってくれるかの?まだ、話は終わっとらんのでな。」


  椅子から立ち上がろうとしたルーミを、フィスィノシアが止めた。

  そして次に口を開いたのは、


「さて、本題に入ろうか。君の額の『黒い宝石』の秘密・・・というより、そもそもの正体について。」


  爽やかイケメンお兄さんのシドラだった。

  ごくり、という音が自分の喉から聞こえたことに気づくのに、ルーミは少しの時間を費やした。

  よりにもよって何故今なのか。何故このタイミングなのか。

  ルーミは目を閉じ、少し考えると、


「お休みなさーい。」


  と言い、先程入った扉に向かって歩き出した。


「ちょ、ちょ、え?え、何?最近の子ってこんなに辛辣なの!?シビアなの!?それとも〝異世界人〟だからなの!?『黒い宝石』の正体って言われたら喰い付かないの!?え、喰い付かないの!?」


「お先に失礼しまーす。」


  後ろでどんだけ呆気に取られていようが、どんな素っ頓狂に驚いた声を出していようが、ルーミは無視してスタスタと歩いていく。

  眠いものは眠いのだ。

  たとえ、どんな話を切り出されようが、それが重要なことだろうが、関係ない。


「あっ!そうだフィー。命魔法にあれあったよね、あれ。あれあれ。あのー・・・眠気取るやつ。あれやって!ホントに!お願い!!」


 _____________


「さて、本題に入ろう。本題に。」


  フィスィノシアに魔法をかけられ、眠気を吹き飛ばされたルーミは再び座らせられていた。


「まあ、こちらから話すより、本人に話してもらった方が効率がいいんだけど・・・どうかな?」


(ってことで、サーガ、頼めるか?)


 《畏まりました。》


  そこでふと、疑問が浮かぶ。


(畏まりました。って言ったけど、何するつもりなの?頼めるか?って言った俺が言えないんだけど。)


  その時、ルーミの背後に控えるような気配が突然現れた。


「やはり、お主じゃったか。」


  ルーミはすぐさま後ろに振り向く。

  そこに立っていたのは()()()


「・・・な・・・っ。」


  いや、より明確には、その姿をしたサーガだった。


  ルーミにそれがわかった理由は、いくつか自分とは違う点があるからだ。

  例えば、髪。ルーミは茶髪の混じった黒髪だが、ルーミの姿をしたサーガは漆黒ともいえる黒髪だ。さらに、前髪をかき上げて、オールバックにしている。

  そして瞳は金色で、底のないような、それでいて敵意の一切ない眼をしている。

  服は黒を基調とした豪華な執事服で、それだけでサーガの〝力〟を表していた。


「お初お目にかかります、ルーミ様。貴方様の御姿をお借りすること、お許しください。」


  脳に直接響くような声ではなく、肉声。

  お、おう、と呆気にとられながら、ルーミは言葉を返した。


「久しぶりじゃな、原初の黒(ノワール)よ。いや、今はサーガじゃったかの?」


  旧知の仲だったのか、フィスィノシアはサーガ話しかける。

  しかし、


「それでは、ご説明させていただきます。そもそも私達〝原初〟というのは・・・。」


  まるで、そんな声などなかったかのように、サーガは話し始める。

  当然、そのままの流れで綺麗に流すフィスィノシアではなく、


「ちょ、なんで無視するのじゃ!ここは感動のシーンじゃろう!」


「私は貴方とそこまで仲良くしていた記憶が無いのですが?今は、ルーミ様にご説明させていただく時間なので黙っていてもらえますか?」


  ルーミは自分自身でも気づいていないが、魔王にここまでの態度を取れるものは少ない。何故なら、魔王にも種類がおり、善と悪が存在する。善は問題などあまりないが、悪は即刻拷問を始めるなど、残虐な力を使うことに躊躇など一切しない。まさに冷酷非道。それがこの世界の常識である。

  そんな常識を知らないのは、サーガ村が田舎すぎるということもあるが、最初に出会った魔王が()()()善なフィスィノシアやカーリーだからだろう。


  そしてフィスィノシアは、サーガが昔からこのような態度だったことを思い出し、呆れた様子でこれ以上口を開くのを諦めた。


(そうじゃった。(わらわ)の知る人物で、ここまでの超奇人変人はこやつ以外いなかったのう・・・。)


「あー・・・サーガ。何でお前はそこまで俺に心酔しているというか、敬っているんだ?」


  多少サーガの態度に引きながら、ルーミは聞いた。


「それは勿論、ルーミ様に未知なる知識をこれでもかというくらいに見させていただいているからです。」


  即答だった。

  相当、喜々とした様子で、ルーミはそ、そうか、としか返せなかった。


「それでは、再開させていただきたいと思います。」


  今度こそ、サーガによる説明が始まった。


 









どうでしたか?

前回までの方がいいというコメントがありましたら、戻そうと思います。

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