第二十話 クッキングアニ
危なかった~。書き終わったの21時40分だった~。
タイトル変えました
『神樹シドラ』の廊下を、食堂を目指すために、案内役としてオルシオさん、イリス、そして俺とアン、ユーズの五人で歩いている。
フィーはあのまま『自然の楽園』に残る、って言ってたし、シドラさんはいつの間にかいなくなっていた。理由をオルシオさんに聞いてみると、『ナ、ナ、ナ~♪何も心配はありませんよ~♪』と歌いながら言ってくれたので大丈夫だろう。料理ができたくらいの時に、ひょっこり現れそうだし。
「でっ?兄ちゃん、何作るの?」
「う~ん、何作ろうかな~。」
・・・本当に、何を作ればいいんだろう。
というか何作れるんだろう。
ユーズは瞳をキラッキラと輝かせて、ワクワクとした様子で聞いてくる。
料理法は『村上 仁の記憶』を頼りにすればいいと思うんだけど、材料が・・・どうしよう。
今更、作れませんでした~テヘペロ♡とか言ったらヤバそうだしな~。
マズいな。この世界で牛乳なんて飲んだことないし、肉とか魚、野菜や調味料だってないわけだし・・・う~ん・・・誰か頼りになりそうな人に聞いてみるか。
イリス・・・、
ひゃあ!!という声と共にイリスが倒れた。
「いたた~。」
「もうっ、イリス。なんで何もないところでこけるの?」
「あはは、すいませ~ん。」
はダメだな。頼りになる気がしない。
やっぱり、オルシオさんだな。
「・・・食材、ですか?」
「はい。材料が決まらないと作れないので・・・。」
「それもそうですね。では、『農園』に行きましょうか。」
『農園』?樹の中にか?
いや、でも、『庭園』があったくらいだし、それくらいあるか。
というか、普通に会話しようと思えばできるんじゃ・・・。などと思いながら、俺はアン達と別れ、案内されるのだった。
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「広ッッッ!!!」
それが俺の率直な感想だった。
『農園』は、一フロア東京ドーム四個分という広い階層を十五も使っている、もはや樹の中なのかさえも疑わしい程のものだった。
樹の中であるはずなのに土があり、川があり、多種多様な草木が育てられていた。
そんな光景を見て、俺は再びここが異世界であることに感した。
やはり異世界なので、植物のことがわからないとオルシオさんに聞いてみると、何やら「解析鑑定」でわかるそうだ。
なので試しにリンゴっぽい果物に「解析鑑定」してみると・・・
・植物名 リンゴ
・品種名 ドゥルケ
・称号 果物/極上の果実
・詳細 果汁が多く、甘みが強い。果肉は比較的柔らかい。
まんまリンゴだったよ。
しかも極上の果実とか・・・めちゃくちゃ美味しそうじゃん。味も同じだし。
俺はもしかしてと思い、ミカンっぽい果物、イチゴっぽい果物、パイナップルっぽい果物、キウイっぽい果物「解析鑑定」してみると、全て想像していた通りの名前だった。
なんでだ?
そんな疑問に答えてくれたのは、サーガ大先生だった。
《異世界人が名付けたからです。主にテンプスという男が。》
え、じゃあ、地球と名前も味も同じってこと?
《はい。そういうことだと思われます。》
そうか・・・ということは材料集め楽そうだな。
じゃあ、なんで季節も気候も違う植物が一緒に育てられてるんだ?
《恐らく、命魔法で植物をいじっているのでしょう。》
魔法か。さすがとしか言えないな。
もし、地球に魔法があったら革命が起きてただろうな。
いや、そうなると、科学が発展しなくなるのか?
まあ、そんなことどうでもいいか。
それより、何作ろうかな・・・。
そう思いながら、俺は「走馬灯」を発動させる。
う~ん・・・あ。
これならできるんじゃね。
俺はある超能力の漫画のワンシーンにある料理を視た。
「オルシオさん。木か藁を燃やした灰と小麦粉、あと・・・醤油ってありますか?」
「醤油ですか?・・・ああ、そういえば炎華帝国からもらったものがありましたね。何を作るのですか?」
俺は口元に笑みを浮かべて言った。
「ラーメンです。」
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薄暗い部屋。
その部屋の中央には、木の枝が何本も折り重なってできた太い柱が建っていた。
その柱に近づく影があった。
その影の正体は、緑の木の葉のような髪の色をした、シドラと呼ばれる男だった。
シドラがその柱に近づいていくと、こんな甘ったるい女の声が柱の中から聞こえてきた。
『あらぁ、シドラちゃぁん。どうしたのぉ?』
そんな声にシドラはいつもより数段低い声で返した。
「色欲。嫉妬が動いたぞ。九罪王は何を企んでいる?」
『うふふ♡そんなの決まっているでしょう。あの御方のためよぉ。』
ラストが目的を話さないこと、そして何よりあの御方という言葉に、シドラは顔をしかめる。
『それよりぃ。今誰かいるでしょう?』
「貴様には関係ない。」
『いけずねぇ。』
ラストが不貞腐れたような声を出すと、シドラはチッと舌打ちをして、柱に背を向け歩き始めた。
『ま・た・ねぇ』
そんな声を聞こうともせず、シドラは思考を巡らせる。
(九罪王の活動、最古の魔王、神の使徒、そろそろ〝西〟が動くか?)
やがて男は右の掌で自分の顔を覆う。隠した顔で眉間に皺をよせる。押し殺したように、そして明確に、こう絞り出した。
「世界は一体どうなる?」
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ルーミ先生のラーメン教室~♪
木や藁を燃やした灰を水に溶いて、何度も濾すとアルカリ塩水溶液っていうのになります。
それをボウルで小麦粉と混ぜて、よくこねます。
しばらく寝かせてから、麺棒で薄く伸ばします。
それをたたんで麺のように切り、程よく茹でます。
そしてその麺をてぼと呼ばれるラーメン屋がよく湯切りに使う道具で湯切りをし、鶏ガラと醤油で作ったスープに注ぎます。
最後に、細かく刻んだネギと半分に切ったゆで卵、チャーシューがないので代わりに鶏肉を入れたら、
「手打ちラーメンの完成だ!!」
「「「おお!!」」」
それを見たアン達、そしていつの間にかいたシドラさんとフィーから歓声が上がった。
ちなみに箸を使える人がいなかったので、全員フォークだ。
余談だが、ラーメンを作る際に使った器具は「創造力」で創ったものだ。
「おいしい!!」
「おいしすぎる!!」
「超風が語り掛けるような旨さじゃ!!」
大絶賛のようで何よりだ。
それにしてもラーメンって作れるものなんだなあ。と、そんなことを考えていると、
「なにかいいニオイがする!!」
「おい、こらカーリー待てーーー!!!」
という声が聞こえてきた。
「おお~!!ウマそうだなーーー!!」
現れたのは、目をキラキラさせながら、涎を出している黄色い髪の少女と、
「こら!カーリー!走るな!!」
多少息を切らした、茶色の髪の少年だった。
「なんじゃ、お主ら来たのか。」
どうやらフィー達、魔の大森林組には面識があるらしく、呆れた様子で二人を見ていた。
「すまぬがルーミ。あと二十人前ぐらい作ってはくれぬか?」
はあ!?二十人前?
「えっと、その二人は?」
困惑しながらも聞いてみると、
「女の方がカーリー、男の方がシヴァじゃ。ちなみにカーリーは魔王じゃぞ。」
「ごーはんっ!!ごーはんっ!!」
俺は幼稚園の子供のように食事を待つ少女を見ながら、驚愕するのだった。
なるべくできれば、週一で投稿したいと思います。




