第十五話 感動の(?)再会
今日は二本立て。
これは二本目です。
サブタイトル変えました。
~ルーミ~
思わず見惚れてしまった。
現在、俺はオルシオさんにアン達のところに案内してもらっている。もう何度も曲がっていて、とても入り組んでいる。
廊下のような場所を通っているのだけど、樹の中だけあって、壁も床も木で出来ている。しかも、壁には明かりのようなものが付けられていて、かなり明るい。
これは何だ?苔・・・?
まあ、こんな時こそ、『解析鑑定』~♪
思わずドラえ◯んのように心の中で言ってしまった。
結果は・・・この光っている苔のようなものは、苔で間違いなかった。だけど、明らかに前世にはない苔だ。その名も、光り苔。大気中の魔力を吸い取り、光として放射するという魔法植物らしい。
っていうか魔法植物ってなんだ?
《魔法植物というのは、魔法を使う植物の総称です。》
サーガ先生ありがとうございます。
そのまんまなんだな。
《なるほど。この場所の、空気中の魔力濃度が低い理由がわかりました。》
え?こんなもんじゃないのか?
俺は『神ノ瞳』でどれくらい魔力があるかぐらいは、大体分かる。
だけど、この場所は、村とあまり空気中の魔力濃度が変わらないように見えるんだけど・・・。
《おかしいかったのです。これほどの魔人や魔王がいるのに、空気中の魔力が安定しているということが。この苔が魔力を吸い取っていたから安定していたのですね。》
魔人?誰のことだ?
《ルーミ様や、オルシオのことですよ。》
ええ!?オルシオさんって魔人なの!?
《はい。彼は天狗族の魔人種です。》
天狗族か・・・。前世の天狗のイメージとかけ離れてるな。
《『解析鑑定』すれば良かったのでは?》
俺も最初は思ったけどな。ほら、エンヴィーに『解析鑑定』使ったらブチ切れられたからさ。勝手に『解析鑑定』したら失礼かなーって。敵つくりたくないし。
《なるほど。確かにそうした方がよさそうですね。》
それにしても、サーガ。お前、オルシオさんを呼び捨てにしてたけど会ったことがあるのか?
《はい。少しばかり、魔王フィスィノシアと面識がありまして。その時にオルシオに会い、種族などを教えてもらいました。》
魔王を呼び捨てにするとか・・・一体、サーガとは何者なんだ?
そもそも俺は、サーガのことをどれくらい知っているんだ?
知っているのは、原初の悪魔族ということだけ。
謎だ。謎すぎる。
「ド、ド、ドォ~♪どうぞこちらでございますゥ~♪」
オルシオさんが、扉を開きながら言った。
いつの間にか着いた様だ。
俺はその部屋へ入る。
その部屋は円形状で、いかにも女の子の部屋といった感じだ。熊や兎、ペンギンなどの可愛らしい人形があり、色鮮やかな花々が鉢で育てられている。更に、床には大量の女物の、フリフリのついた服などが散らばっていた。木が二本絡み付いているような杖も転がっていた。
そして肝心のアン達は、何所にもいなかった。
「おや、居りませんなァ~♪何処かへ行ってしまったのですかなァ~♪」
オルシオさんが、俺の背後で呟いた。
その時、
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!来ないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ユーズの絶叫が鳴り響いた。
声の聞こえる方向は、俺の背後・・・つまり、さっき来た道からだった。
俺が後ろに振り向くと、そこには、ピンク色のドレスに、ピンク色のカチューシャを付けた女の子・・・ではなく、女装したユーズだった。
全速力で走っている。
「あっ!兄ちゃん!!」
俺のことに気が付いたようで、瞳を潤ませながら、それでいてペースを保ったまま、こちらに走ってきた。
あと二メートル程で俺と接触するという時に、ユーズの来た方向から三人の女の声が聞こえた。そう思ったら、その声の主たちが、ユーズと同じく、全速力で走ってくる姿が見えた。
「ユゥゥゥゥゥゥゥズゥゥゥゥゥゥゥ!!逃がさなわよォォォォォォォォ!!」
一人は、赤毛を結んでおさげにしている少女アン。嗜虐心がありありと浮かんだ形相をして、不敵に笑っている。
どうやらユーズと同じで、無事のようだった。
「待つのじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!これを着て、ナーヴァ=ハーマイオニーと名乗るんじゃぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
そう叫ぶのは、黒いメイド服を持ちながら、アンと並走している少女だった。歳の頃は十二、十三ぐらいで、紅葉色の地面につきそうな長袖のワンピースをしていた。同じく紅葉色の髪はサイドテールでまとめられていて、走っているからか、ブンブンと振り回されていた。
な!?異世界に来て、そのネタを聞くとは・・・というか何で知ってるんだ?
「ちょ・・・待ってくださぁ~い!お二人ともっ、速すぎ、ですよ~。確、かに、ユーズくんは可愛、かったです、けど~。」
二人の少し後ろを、「はあはあ」息遣いを荒くしながらついてきているのは、スラリとした長身で、ふわっとした茶髪にうすいピンク色のリボンを左右に付けている女性だ。
何故アンや、サイドテールの子と同じように少女と、思わずに女性にしたかというと、理由は二つある。一つは、さっきも言った通り、背が高いからである。恐らく、俺よりも頭半個分大きいだろう。そしてもう一つは、そのプロポーションだ。そう彼女のプロポーションは控えめに言っても、ボン、キュッ、ボンという感じで、彼女が走るたびに、その胸が・・・。
駄目だぁぁぁぁぁぁぁ!!彼女いない歴=年齢の俺には刺激が強すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
俺は貧乳派なんだ。貧乳派貧乳派貧乳派貧乳派貧乳派貧乳派貧乳派貧乳派貧乳派・・・よし、落ち着いた。
ふう。危なかった。
その三人を見たとき、いや正確には二人だが、ユーズはビクッっと肩を震わせて俺の後ろに隠れた。
「あっ!お兄ちゃ~ん!」
「ア~ン~!」
俺はこの時、感動の再開的な展開だと思っていたが、現実はそう甘くはなかった。
アンが抱き着いてきてくれるかなと、期待していた俺だが、アンの取った行動は、まさに正反対だった。
アンは全速力で走り勢いをつけながら、右の拳を硬く握りしめ、俺の鳩尾へと放った。
「グホォ!!」
殴られた俺は、膝をついて、腹を抑えて崩れ落ちた。
なん、で・・・?
この何でには、二つの意味が込められている。一つは何故殴られたのか。もう一つは『範囲結界』は何故発動しなかったのか、だ。
《害意がないと判断いたしました。》
サーガが、疑惑の一つを返答してくれた。
そしてもう一つは、
「お返しだから。」
怒気の混じった、冷徹な言葉を放つアンからだった。
この時俺は、ああ、やっぱり、母さんの性格を受け継いでいるなと、再確認させられたのだった。
すみません。
やっと新キャラ出てきたのに、話が全然進まなくて。
最近、時間にとても追われていて、多忙な毎日なんですよ。
あ~ッ!!だれかこの毎日から抜け出させて~!!




