第十話 第二ラウンド開始
ついに第十話です!
ここまで読んでくださった皆様、これからもよろしくお願いします。
もうすぐ第一章も完結です。
サーガの「私」にフリガナをつけるのを忘れていました。
申し訳ありませんでした。
というわけで、進化が始まった。
亜人種?っていうのがよくわからないのでサーガに聞いてみたいのだけど、進化が始まってしまったので聞くことができない。
仕方ないので、俺は成り行きに任せることにした。
《進化が完了しました。》
え?もう!?
《進化による結果を報告します。個体名サーガと半同化したことにより、個体名ルーミ=ナーヴァは人間族から半悪魔族へと進化しました。》
あ~・・・よくわからないけど俺、人間やめちゃったよ。
そんなことを思っている俺を他所に無機質な声は続く。
《半悪魔族に進化したことにより、全ての身体能力が上昇しました。個体名サーガとの契約により、能力の譲渡が行われました。それにより、レアスキル「痛覚耐性、状態異常耐性、精神攻撃耐性、熱変動無効、範囲結界、魔力感知、覇気、影移動、超再生、念話、詠唱破棄」を獲得、個体名ルーミ=ナーヴァは闇属性へと変化ました。》
はい、ありがとうございます。チートですね。
どゆことッ!?
え?なんでこうなったん?
なんで契約結んだだけでこんなことになんの?
というか俺、サーガからスキル譲渡されたけどさあ、サーガどんだけ強いの?
スキルの数だったら、エンヴィーにも負けてないと思うんだけど・・・。
《これにて、進化を終了します。》
終わったか・・・。
正直言ってヤバい。
進化マジヤバい。
だけど、これでエンヴィーに勝てるかというと話は別だと思う。
勝てないかもしれない。
でも、勝つ。勝ってやる。
さあ、第二ラウンドだ。
そう思った瞬間、意識が引っ張られるような感覚に襲われた。
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「う~ん。焦げ臭くなっちゃたな~。」
目の前の焼け焦げた肉塊を見ながら、少女は鼻をつまんで呟く。
その肉塊は、見た人全員が嘔吐するだろうと思えるほど、おぞましいものだった。
それを顔色も変えず見ているエンヴィーという名の少女は、間違いなく異常と言えるだろう。
すると、エンヴィーは右手に魔力を込め、魔力弾を作る。
魔力弾とは、自らの魔力を体外に放出した、妖気と呼ばれる魔力の波動を、魔晶石と呼ばれる魔力の結晶になる寸前まで凝縮した技法である。
通常ならば、魔力弾に爆発や温度などを込めるのは不可能だが、エンヴィーは能力「炎熱操作」と自らの特殊能力によってそれを可能にしている。
エンヴィーは、独自の技法で作られた魔力弾を目の前の肉塊を消滅させる。
「よし!これでオッケー♪」
そう声を弾ませ、無邪気な笑みを浮かべる。
その姿は、無邪気な少女そのものだった。
「さ~て。こっちも消さないとねッ♪」
もう一度魔力弾を作りながら、エンヴィーは大量の血液を流して倒れている少年の方を向いて言った。
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ゴホッ・・・ゲホッゲホッ・・・
意識が身体に戻ったかと思ったら、口から大量の赤黒い血が出てきて咳込んだ。
恐らく、内臓が傷ついたからだろう。
それにしても全く痛くない。
なんの苦も無く、俺はそばに落ちていた少し溶けている俺の刀を拾って立ち上がる。
いつの間にか、俺の脇腹が傷なんてなかったかのように治っていた。服は直ってなかったけど。
これも進化の影響だろうか?
「わあ!驚いたぁ~!なんで生きてるのぉ~?」
目の前には驚いた様子のエンヴィーが立っていた。
しかし声は弾んでいる。
「そんなの決まってるだろ?お前を・・・倒すためだ。」
「神ノ瞳:心眼、走馬灯」発動。
「いやあ。本当に君は面白いなぁ~。」
エンヴィーは笑みを浮かべたが、声は低く怒気を孕んでいる。
《読心系スキルが使われましたので、抵抗しておきました。》
マジか。いつの間に。まあいいや、ありがとう。
エンヴィーそんなスキル持ってたのか。
さっきも使われてたんだろうか?全く気付かなかった。
しかし・・・倒すって言っちゃたけど、どうしよう。刀も次使ったら壊れそうだしな。
引き延ばされた思考で俺はサーガに話しかける。
《・・・。》
うう、なんかサーガにジト目で見られてる気がする。
《刀のことでしたらお任せ下さい。私は闇魔法が得意なので、戦闘の補助などを担当します。》
ん?闇魔法?
戦闘の補助をしてくれるのはありがたいけど、闇魔法ってなんだ?
たしか村で教えてもらったのは、火、水、風、土、光、雷、力、命、音の九属性だったはず・・・もしかして、進化の時に言われた《闇属性へと進化しました。》っていうのが関係しているのか?
《はい。恐らく私と半同化したことにより、ルーミ様は闇魔法しか使えなくなってしまったのだと推測されます。》
おお!
つまり、闇魔法は使えるのか!
何とも主人公っぽい能力だな。
それで、闇魔法って・・・
《来ますッ!》
闇魔法って何?と思おうとしたが、思う前に三本の炎を纏った鎖が飛んできた。
焦った俺は、刀で鎖を防ぎつつ地面を蹴って後ろに下がった。
すると、予想外なことが起こった。
進化前・・・つまり、人間族だった頃は、どんなに頑張っても後ろに下がると2mはいかなかったのに、現在、半悪魔族となった俺が後ろに下がると、軽く10mは超えていた。
さらに、鎖を受け止めた刀は、壊れるどころか刀身を薄く漆黒の何かが纏っていて、傷さえなかった。
うお!?なんだこれ?
《それが闇魔法です。刀身が折れないように〝闇〟で纏っておきました。》
おお。これが闇魔法か。
あれ?でも詠唱とかしてなかったよね?
村ではアンとかが魔法を使うとき、詠唱をしてから魔法を発動してたような気がするんだけど。
《はい。詠唱はしていません。私には「詠唱破棄」というスキルがありますし、闇魔法はそれなりに使い込んでいますので。》
あ~そういえばそんなチートスキルあったなあ。
あれ?お前のスキルって俺に譲渡されたんだよな?
《その通りです。》
じゃあ、なんでお前が使えるんだ?
《それはですね。スキルというのは元々・・・ルーミ様ッ!》
おっと。
再度、エンヴィーが俺に向かって攻撃してきた。
しまった。また話に気を取られてしまった。
などと思いながら、俺は先程と同じように後ろに下がって避けた。
「さっきから、何かしてるのかなぁ~?身体能力も高くなってるし。本当は何かしてるでしょ?嫉妬しちゃうなぁ~。」
マズい。さっき以上に怒ってる。
「悪いな。さあ、今度こそ第二ラウンドといこうか。」
俺が顔に笑みを浮かべ、挑発するような口調で言うと、
「いやあ。久しぶりだなあ。何百年ぶりだろ、こんなにわくわくするのは。」
エンヴィーは不敵な笑みを浮かべた。
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