プロローグ 聖宮の中で・・・。
記念すべき第一章、そして第一話、どうぞよろしくお願い致します。
本当に本当につまらない普通の人生。 普通の大学を卒業し、普通の会社に入社、そして普通のサラリーマン生活。現在一人暮らし、親は俺が小さい頃に亡くなり、兄弟も彼女もいない、ちなみに彼女いない歴=年齢。
何故そんなことを考えていたのかというと・・・
「ちょっとちょっとどうしたの?バカみたいにボ~っとしちゃって。」
死んだはずなのに、だだっ広くて白い部屋?空間?に自分のことを女神だとか言っている美人な女神(仮)と二人きりでいるからだ。
たしか、俺は会社帰りに歩道を歩いている時に前を一人で歩いている三歳ぐらいの幼児を見て、この子供が車道に出て車に轢かれそうになった時に俺が助けてあげれば俺の人生何か変わるかな。なんて考えていたら・・・と、そこまで俺が死んだ時のことを考えていると、口をはさむようにして
「もういい!もういいよ!今から大~事なことを言うから耳の穴かっぽじって聞きなよ!」
と、少し怒ったように女神(仮)が言った。
「あなたは、未来ある子供がダンプカーに轢かれそうになった時にその子供を体を張って助けましたね。まぁ実はあの子供、あなたが助けてあげなくても奇跡的に助かったんですけどね。つまり、あなたは無駄死にだったんですよね~。」
と、女神(仮)は小馬鹿にするようにクスクスと笑いながら言った。
そうだ思い出した。あの時、轢かれないかな、なんて思っていたらホントに轢かれそうになったから助けたんだった。それにしても死んでしまうとは・・・。いや、たしかにね、人生変わらないかな~なんて思ったよ、だけど終わったら意味ないじゃん、しかも俺が何もしなくても助かったんなら俺、死に損じゃん。 はぁ、認めたくないけど、それも運命だとして認めるしかないか~。はぁ~享年、39歳か。普通に考えると短いのだろうけど、俺にとっては物凄く長く感じた人生だったなぁ~。
なんて俺が考えている間も女神(仮)は、話し続ける。
「私も鬼ではないので、来世に転生する時にサービスとして、何か簡単なことを一つ叶えてあげましょう。まぁ、どうせろくな願いじゃないんでしょうけど。」
なんか、またバカにされた気がするけど・・・まぁいい。
俺が小学生の時、まわりが皆兄弟だった。だからかもしれないが・・・
「兄弟が欲しい。出来れば長男にしてくれるとありがたいんだけど・・・。」
すると、女神(仮)は驚いたようで、
「あなたみたいな人が、そんなことを言うなんて・・・。」
なんてことを言った。
いや、俺をなんだと思ってるんだよ。まぁ、たしかに不純な理由で子供を助けようとしたり、基本はモンスターを狩るオンラインゲームなのに、ゲーム内でお金がなくなったからモンスターを倒した後の疲れ切ったプレイヤーを倒したらハマっちゃっていつしか、「死神」とか「プレイヤーキラー」とか呼ばれてたけど、そこまで言わなくても・・・。すると、
「私、あなたのこと気に入った!」
おっと、気に入られちゃったよ。あれかな?不良が車に轢かれそうになった猫を助けるといい人に見える現象かな?
「あなたの願いもう一つだけあげる!」
なら、お言葉に甘えて、夢だったけど叶わなかったことがもう一つある。それは、
「科学者になりたいんだけど・・・。できるか?」
「できるよ。あっでも、何かを生み出す感じのでいい?」
どういうことだろうか?まぁいいや。
「うん。そんなかんじでいいよ。」
「わかった。はい。」
そう言って、女神(仮)がパンッと手をたたくと、俺の背後に三mもの雪のように真っ白な大扉が現れた。
「その扉に入れば、転生できるから。」
と、言われ、扉の中をのぞきこんでみると・・・。何もなく、扉と同じ様に真っ白だった。何もない、というのは、そのままの意味で床さえも無かった。
俺は怖くなって、
「なぁ、これ、大丈夫なのか?」
と、聞いてみると。
「大丈夫。大丈夫。ほら、行ってらっしゃい!」
なんて言いながら、女神(仮)は俺の背中を押して、扉の中に突き飛ばした。
最初、俺は何をされたのか理解できず、扉がだんだんと小さくなっていくことに気付いて、自分の身体が落下していると分かった。扉と同じ様に女神(仮)も、小さくなっていった。扉がだんだんと閉じていくのを見て、
「ありがと~。本当にありがとな~!」
と、大声で叫んだ。扉が閉まるギリギリで、女神(仮)は少し微笑み、手をもう一度パンッとならしたように見えた。
扉が閉まると、周りが急に暗くなり突然、強烈な眠気が俺を襲った。くそ眠い。ヤバい、瞼が今まで感じたことがないくらい重い。そして、俺の意識は暗闇へと飲み込まれていった。
暗闇の中で、無機質なパソコンのような声が聞こえる。
《特殊能力「創造力」を獲得しました。》
《女神の贈り物:特殊能力「神ノ瞳」を獲得しました。》
そう、頭の中で声が響くと俺の意識が暗転した。
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