森を抜けて
「大丈夫か?」
テイムの契約を結ぶと言葉を完璧には理解できないがある程度のニュアンスは伝わる。それにテオンが気付くのはもう少し後の話である。
「ヒヒン」と、スレイプが鳴き立ち上がる。
(スレイプに俺って乗れるのかな?乗れたら移動距離が格段に上がるんだけどな)
テオンはしばらくスレイプを撫でながらそんなことやいろんなことを考えていた。
(スレイプをテイムしたっていうことは食料が沢山いるな。周りに果物とか、木の実とかないかな?)
テオンは周りを見まわして、果物や木の実を探した。
(おお、あった、あった。てか、結構あるじゃん。ちょっと拾ってくるか)
「果物を少し拾ってくるからスレイプはここで少し待っててくれないか?」
「ヒヒン」と、鳴いてスレイプは座った。
テオンはスレイプを撫でるのをやめて、果物を取りに行った。
〜・〜・〜1時間後〜・〜・〜
(ふう、いっぱい取った。取り過ぎちゃったかな?でも、まぁ奥にまだいっぱいあったし大丈夫か)
テオンはこの1時間で周りにある果物を取り尽くした。人が運べる量ではなかったが、テオンはアイテムポーチがあるため、問題なく運べる。だが果物を取ったはじからアイテムポーチにいれていってどんどん次の果物を取っていったために自分がどれくらい取ったか分からず、ここら辺一帯の果物を取り尽くしてしまった。
「じゃあ行くか。ねぇスレイプ、俺ってお前に乗れるのか?」
「ヒヒン」と、一鳴きし背中をテオンの腰の高さに下げた。
「乗っていいってことか?」
スレイプはテオンの方を向いて、縦に首を振った。
「そうか、ありがとう」と、テオンは言い、スレイプに跨った。そしてふと思った。
(鞍ないけど、馬に乗って痛くないのかな?)
結論から言うと、最初は痛かったが途中で乗り方を工夫したり痛みに慣れたので最後の方は痛かった。だが、鞍や手綱、鐙がないとスレイプの制御が難しいためテオンは街に着いたらすぐに買おうと心に決めていた。
スレイプに乗ったテオンは、出てくるモンスターを無視して、一直線に走った。最初の1時間は森が深かったがその後は段々と薄くなりやがて草原に出た。
(ふぅ、やっと出れたか。街みたいなところはないかな?少し休憩して、スレイプに果物でもあげるか)
「スレイプ、ここら辺で食事にするか」
と言うと、スレイプは立ち止まった。
(降りれるかな?)
と、思っていたが案外簡単にスレイプから降りられることができた。
降りたテオンはアイテムポーチから果物を何個か出してスレイプに食べさせてやった。
スレイプに果物を食べさせてやった後は1時間ほど休憩するために、テオンは寝転んでその隣にスレイプは座り込んだ。
1時間テオンは魔法の練習をしたりして、過ごした。
そして、テオンがそろそろ街を探そうと思っていた時に事件は起きた。
テオンの後方から小さいがカサカサっと音がした。
テオンはモンスターかと思いすぐさま立ち上がり雷魔法を唱え始めた。
「我が手に集いし雷よ、我が名において敵を打ち破り給え。落r」
言い終わる前に人間が出てきた。しかも1人ではなく4人も出てきた。
「ふっ、雷属性の魔法使いか。おいお前等、今日はついているぞ。ルボルディー亜種を殺して一儲けできるし、雷属性の魔法使いだぞ。あいつは生け捕りにしろ。奴隷商人に売ったら、10年間くらい遊んで暮らせるぞ。雷属性の魔法使いといっても所詮は子供だ。さっさとやるぞ」
そう言うと、他の3人はニヤついた。
(チッ、人間も殺さなきゃいけないのかよ)
「すまんな、だが、俺達は悪くない雷属性の魔法使いに生まれてきたことを後悔しろ」
テオンはスレイプを立たせて、臨戦態勢に入った。
(クソだな、こいつら。こんな奴らには絶対に負けない)
「我が手に集いし雷よ、我が名におい「やらせるかよ!」」
(ちっ、魔法が打てないか。スレイプは大丈夫か?)
スレイプは3人を相手に防戦一方だったが、3人を上手く捌いていた。
(大丈夫そうだな。だが、あれもいつまで続くかわらないな。なら早く終わらせた方がいいだろうな)
「余所見すんじゃねぇっっよ」
相手の剣が振り下ろされる。それをテオンは斧槍で防ぐ。
「ほぅ、俺の剣で切っても折れない武器か。さらに魔法媒体。それも売れば一生遊んで暮らせるな」
「ぐちぐちとうっせぇんだよ。さっさと死ね」
テオンは斧槍を思いっきり振り下ろす。
「そんな攻撃簡単に防g「パキッ、グジャ」」
テオンが振るった斧槍は相手の剣を折り、それでも勢いは止まらず相手を叩き切った。
(思っよりザコいな。この調子で後3人をやるか)
テオンはスレイプの方へ向かい3人いたうちの前衛の影に隠れて後ろから魔法を打っていた奴に思いっきり斧槍を振り下ろした。
「ぐじゃ」っと、音がして魔法使いは言葉を発することなく死んでいった。
残った2人は一瞬後ろを向いて自分達のリーダーが生け捕りにしている筈の人物が立っているのに驚きを隠せないような表情だった。
「これで、終わりだ」
テオンは斧槍を横に薙ぎ払った。
2人は咄嗟に自分の武器に強化系の魔法をかけたがそれごとテオンは叩き切った。
1人目の首をはねて2人目の首をはねる寸前で斧槍を止めた。そして、
「ここで死ぬか、俺の言うことを聞くかどつちがいい?」
残った1人はもう既に戦意を喪失し
「ああ、貴方の言うことをきき、聞きます」
と、簡単に諦めてしまった。
「お前は女か?」
残った1人はなんと女だった。兜で髪が見えず胸も出ていなかったのでテオンは男だと思っていた。が、声を聞きその声の高さから女だと判断した。
「は、はい」
(まあ、女だろうが容赦はしないんだがな)
「そうか、たが女だろうが容赦する気はない」
「わ、分かりました」
「まず、お前の仲間の死体から武器や防具を剥ぎ取れ。それが終わったらここに全部集めろ」
「は、はい」
女はすぐさま動き出した。すると脳内でアナウンスが流れる。
《槍術がLv2に上がります。斧術がLv2に上がります》
(これがスキルのレベルアップか、わかりやすくて助かるな)
その後、テオンは女が仲間を剥ぎ取っている様子を見たりさながら
(手慣れてるな、何回もやってきたのか)と、思っていた。
数十分後には女は全て剥ぎ取り、死体も一箇所に集め終えていた。
「お前の防具と武器もそこに置け」
「はいっ」
女はすぐに自分の武器をおき、防具も脱いだ。
「服も脱げ」
「そそ、そんな」
「女であろうと容赦しないと言ったよな。お前等のことだどうせ下着の下に武器でも入れてんだろ」
「そんなことはしてません」
「早くしろ。時間の無駄だ」
「は、はいぃぃ」
テオンは女に服を脱がせて裸にさせた。
「よし、お前の名前を教えろ」
「は、はい。私の名前はルーラです」
「そうか、お前がまた歯向かってきたり、逃げようとすれば俺はお前のことを容赦なく殺す。だから、そんなことをしようとは思うなよ?」
「はいっっ」
「スレイプ、こいつのことを見張っといてくれないか?もし、変な動きをしたら殺してくれ」
スレイプは「ヒヒン」と、鳴いてルーラの後ろに座り込んんだ。
「使えそうなのを物色するか。ルーラ俺が質問したことは嘘偽りなく答えろよ?もし答えなかったら速攻で首をはねるぞ」
「はい…」
テオンはその後アイテムや武器、防具を物色し、どんな効果があるのかなどをルーラに質問し、使えそうな効果がある物はもう一度魔眼で確認して、アイテムポーチに詰め込んだ。そして、街に行った時の保険用に死体も入れた。ルーラはそれを見て驚愕していたが、テオンは気付いていないように振る舞った。
その後、アイテムの中にあった、魔法を使えなくさせる首輪を付けて、縄で手を縛り縄の反対側をスレイプに括り付けた。
(子供の頃遊びで泥棒ごっこをした時に覚えた手を拘束する縄の結び方をまた使うとは思ってもみなかったなぁ。今考えたらこれ他方から見たらSMプレイじゃん。どうしよう。まあ、誰も見てないし良いか)
「よし、準備オッケー。おい、ルーラここから1番近い街はどこだ?」
「えっと、知らないんですか?」
「なんでお前が俺に質問する?お前にその権利はないんだよ。で、もう一度問おう。ここから1番近い街はどこだ?」
「ら、ラントリーです」
「距離は?」
「ここから歩いて3時間程です」
「よし、そこに行くか」
「あ、あの、服を返してくれませんか?」
「断る。服を脱がせた理由は武器を持ってないか確認する為というのと、見せしめのためだぞ?こんな所で服を返したら意味がないじゃないか」
「そんなぁ。もう、こんな事はしません。これからは貴方様の為に尽くします。なんでもしますから。どうか、どうかご慈悲を」
「分かった。そこまで言うんだったら返してやる。だがまた襲ってきたら見せしめにもっと酷い状態で晒すからな」
「はいぃぃ」
テオンはルーラの服を出して、縄に結ばれて使えない手が使えないので着せてやった。その後縄を解き服の上から更にキツく結んだ。
「よし、ラントリーに行くぞ」
「はい…」
奪った道具は機会があれば随時効果を書いていきます。
ルーラは凄い美人です。後に投稿しますが手音篤は女子に興味があまりないので(男子に興味がある訳ではない)あんな風に邪険に扱っています。
ルーラさん頑張って!