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ケモノの王  作者: 橘 ロネ
1/10

転生

「やぁ、手音 篤君。そろそろ起きたまえ」

  一見チャラそうな人物は目の前にいる青年に声をかける。

  うっ

  青年が呻き声をあげる。

「やっと起きたか。何時間君はここで寝るつもりなのかね。こう見えても俺は忙しいんだよ」

  そう言いながらチャラそうな人物は手に水を出して手音篤にその水をかける。

 そして、手音篤は目を覚ました。

「ここはどこだ?お前は誰だ?なぜ俺はここにいる?」

  手音篤は次々に自分が感じた疑問を目の前にいるチャラ男にこえをかける。

「君はずっとそこで寝といて起きたら質問攻めかいいご身分だね。まぁいい、優しい俺様が答えてやろう」

「なんか、すまんな」

「ふっ、最初からその敬意をもて、一応俺も神といわれている1人なんだからな」

「神?一体どういうことだ?」

「相変わらず質問が多い奴だな。さっきの質問に一つずつ答えていくから少し落ち着け。まず一つ目ここはどこか?という質問に対して、ここはどこでもない。強いて言うなら神の住まう場所だな。二つ目お前は誰だ?という質問に対して、さっきも言ったように俺は神だ。名はアルケディウスだ。三つ目なぜ俺はここにいるのか?という質問に対して、お前は死んだ。薄々気づいているだろう、あんな所から飛び降りて生きてる筈がないと」

  そう、手音篤は会社のビルの最上階から飛び降りた。手音篤は学歴はよく、大手企業に勤めていたのでビルはかなりの高さだ。

「そうか、死ねたか。で、死んだのになんで俺は生きているような感じになっている?」

「質問の絶えない奴だなぁ。ハァ。教えてやるよ、お前はこれから生き返って別の場所へ行ってもらう。なんか質問はあるか?」

  面倒くさそうに溜息をつきながらだか答えるアルケディウス。

「それ拒否権ないのか?」

「ないな」

「せっかく忌まわしきあの世界から離れられたのにまた行かなきゃいけないのか。ハァ」

  今度は手音篤が溜息をつく。

「誰が元の世界と言った?俺は生き返って別の場所へ行けと言ったんだ。お前を元の世界に戻す気はない」

「それは朗報だな。でも、なぜ俺は別の世界に行かなきゃ行けないんだ?」

「まぁ、話すと長いが聞きたいか?」

「要約機能とかないのか?」

「わかった、要約しよう。お前の元いた世界とこれから行く世界ではバランスが崩れてきてな、元いた世界は人間が多く、これから行く世界は人間が少なくなってしまったんだよ、それのバランス調整。それと大人ならぬ神の事情ってやつだ。二つ目は深入りしないでもらいたい」

「そうか、でも別の世界に行っても俺にはなんの得にもならないじゃないか」

「そう言うと思っていたよ。だからちゃんと交渉のカードは持って来た」

「そうか、そのカードとやらを教えてくれ」

「二つあるけどまぁ一個一個教えていこう。一つ目俺は神だ」

「だからなんだ?」

「まぁ話を最後まで聞け。俺は神だ、だから過去の改変ぐらいはどうってことない」

  ピクッと手音篤の眉が反応する。

(悪くない反応だな。にしてもコイツは頭の回転が速いな)

「そうか、それを引き合いに出してきたってことは分かってるっていうことだな。なら頼む」

  そう言って手音篤は頭を下げる。

「話が早い奴はらくだなぁ。じゃあ二つ目君はこれから異世界に行くにあたってキャラメイクをしなければいけない。その時にお前にある程度自由を与えるてやろう」

「そうか、二つ目はまぁどうでもいいが一つ目の方はどうか、よろしく頼む」

「分かった。そうだ異世界に転生するのだから無論デメリットもある。どう取るかは分からないが殺される以外は死なないということと、老いがないということ。もし、何らかのしょうがない理由以外で自殺しようとしたらある程度のペナルティがあるからそこは気を付けろ。そして、前世の記憶が残ってしまうということだ」

「分かった」

「じゃあ、早速だがキャラメイクに移ろう。最初は職業だな。何がいい?」

「職業なんてあるのか。うーん、どうしようかなぁ」

「俺的には勇者とか、なんかチートくさい職業とかそこら辺選べばいいんじゃないか?」

「別に俺はそこの世界に行って魔王を倒して村娘Aと結婚するみたいなことをしたい訳でもないし、ハーレムだヒャッハーとかしたいわけでもないんだよ。憧れはするがな」

「意外と君は欲がないんだね」

「そうだな。昔は親とかによく言われたな。そうだ昔、動物と暮らしたいっていう夢があったのを今思い出した。なんかそれらしき職業ってあるのか?」

「あるけど、ハズレ職業だぞ?テイマーっていうんだがなるか?」

「そうか、ハズレ職業か」

「いいこと思いついた」

「どうした?」

「テイマーを少し強化して、強いモンスターでもテイムできるようにすればいいのか」()()()()()()()

「今、モンスターとか言わなかったか?」

「何それ?そんなこと言ってないけど?」

「そうか、ならいいんだが」

(危ねぇ、口を滑らせるところだったぜ)

「で、職業を強化版テイマーにしてもいいか?」

「ああ、問題ない」

「よし、職業決まりっと」

  ピッと音がする。

「神様というのは随分ハイテクだな」

「そうだろ?神に生まれてきて良かったぜ。スゲー楽だわ。10年間ぐらいゴロゴロできるし」

「次、生まれ変われたら神に生まれたいな」

「安心しろ、無理だ。神は何かが概念化したものだからな」

「ふーん、そうなのか」

「まあな、そんな簡単になれたら神感が薄れるだろ?」

「神感ってなんだよ」

 手音篤が少し笑う。

「次のやつを決めるぞ。次はスキルだな。何がいい?」

「何がいいってきかれてもな。なんかいいのあるか?」

「武器とかの兼ね合いもあるしスキルは後にするか?」

「そうしてくれると助かる」

「分かった。じゃあ、武器を作るか。なんか使いたい武器はあるか?」

「昔、スイスに行った時に美術館で見たんだが、ハルバートってやつを使ってみたいな」

「お前は変わってるな。普通は草薙剣とかグングニルとか言うんだけどな。まあ、話している時から気付いていたんだがな。じゃあハルバートにしよう」

「ありがとう」

「特殊効果でも付けるか。何がいい?」

「あまり俺は筋肉がないから持ち手はあんまり武器の重さを感じないのと普通の金属より重く、欠けないようにしてほしい」

「後で魔法とやつも教えるが、それの媒体にもしといてやる。面白そうだから雷特化にしよ」

「面白さで決めるな。使うのは俺なんだぞ?」

「いいじゃん、いいじゃん。お前の要望通りにしといてやったんだから」

 ポチ、ポチ、ピッ、ポチ、ピッ

「クソ、文句は言えんのが悔しい」

「ハハ。じゃあ次だ、次は持ち物だなこん中から選んでくれ」



  ドラゴンの鎧…千年生きたドラゴンの革を使った鎧。軽く、そしてとても頑丈。

  ケンタウロスの靴…ケンタウロスの脚部から作った靴。移動がとても速く、そしてとても楽になる

  アイテムポーチ…中に無限に物が入り出したいものがすぐに出せる魔法のアイテムポーチ


「三つの中から選んでくれ」

「どれがいいのかな?でもテイマーだから馬をテイムしてそれに乗ればいいからケンタウロスの靴はいらないか、となるとドラゴンの鎧かアイテムポーチか。動物をテイムしてその餌を入れるためにもアイテムポーチがいいか。アルケディウス、アイテムポーチをくれ」

「分かった」

 ポチ、ポチ、ピッ

「よし、じゃあ次は魔法だ。魔法には属性があり、相手の弱点の魔法を使えば多くダメージを受けさせられるし弱点を受ければ多く食らってしまう。逆に効果がいまひとつな場合はその逆だ。そして火、風、水、土、木、闇、光、雷の8つの属性魔法とと、空間、時間、重力、強化の4つの付属魔法がある。さっきの弱点の話に戻るが付属魔法には弱点やいまひとつの魔法はない。そして対応する魔法だが火、風、水は三つ巴の関係。どう三つ巴になってるかは分かるよな」

「ああ、ある程度はな」

「そして、土、木は互いに弱点だが同じ属性にはいまひとつで闇、光は互いに弱点だが同じ属性だといまひとつでも弱点でもない、普通の関係になる。雷は強力で攻撃する時は土には今ひとつだがそれ以外の全ての属性は弱点になる逆に防御だが土は普通でそれ以外はいまひとつだ。大雑把だが属性魔法については分かったか?」

「問題ない。アルケディウスは俺に強力な魔法をつけてくれたんだな」

「まあ、そういう所だ。俺は優しいからな」

「ハハ、そうだな。ありがとう」

「次は付属魔法だが説明いるか?」

「いや、大丈夫だ」

「魔法は媒体にもよるがお前は雷に特化していて、それ以外は普通より少し上って所だな。言い忘れていたが魔法を発動するには、体の中にある魔素というものを使って発動する。お前はその魔素がかなり強く、ほぼ無限だから気にすることはないな」

「地球ではそんなのできなかったが?」

「地球では魔法をそもそも使わないだろ?今は俺が使えるように弄ったが普通は使わない所に生まれた人なら使えない。分かったか?」

「成る程、そういうことだったのか」

「まあな、よし最後のスキル決めだ。補足だがスキルは後付けできるし、Lvという概念もある。で、どうする?」

「じゃあ、ラノベの主人公がよく使う相手のスキルやスキルLvとか、職業が分かるスキルはないか?」

「ああ、ユニークスキルという部類でLvの概念はないが、とても強力なスキルでならあるぞ」

「じゃあそれを頼む」

「魔眼というスキルはお前が言っていたスキルと武器の能力を見抜ける、嘘も少しは見抜けるが嘘が上手いと見抜けない」

「成る程でも、使い勝手が良さそうだからその魔眼というスキルにしてくれ、それとハルバートのことだが上手く扱えるか分からんから槍と斧の両方を上手く使えるようになるスキルはないか?」

「そこまで具体的なのはないが、槍系の武器と斧系の武器の扱いを補正するスキルはあるぞLvは1からでそこまで強力じゃないがな」

「じゃあそれを頼む」

「最後に名前とか顔とか背格好とかを弄るか」

「名前はどうする?そのままでいいか?」

「いや、もうその名前は捨てよう。俺は新しく生まれるんだ。まあ名前も気に入っているし手音のおとの字を音読みしてテオンなんてどうだ?」

「いい名だな。それにしよう」

「ありがとう」

「顔とかまあその他諸々は俺がイケメンにしといてやるよ」

「イケメンにしなくてもいいが、よろしく頼む」

「じゃあそこに寝てくれ」

「分かった」

「会えて良かった手音篤いやテオン。頑張れよ」

「ああ、短い間だったがありがとなアルケディウス」

(そして、今までありがとう。俺の体)

「あの人のことをよろしく頼む」

「安心して任せろ」

「じゃあな」

「じゃあな」

 そして、テオンは静かに目を閉じるのだった。

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