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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第8話 凡人はスキルを得る

ギルドタグに突っ込みたいことあるもののドワ子の説明を待つ。


……。


「あの~、冒険者ギルドの説明は?」


「聞く?」


いや、聞かなきゃ駄目でしょ。


ドワ子は面倒くさそうに話し始める。


「冒険者ギルドでは……」



ドワ子の話しをまとめるとこういうことだった。


冒険者ギルドでは冒険者が倒した魔物の魔石やドロップアイテムの買い取り、依頼の斡旋、物資の販売、宿泊所や酒場の営業、冒険者の戦闘講習などを行っている。


人の勢力圏外のいたるところで自然発生する魔物は全てその体内のどこかに魔石がある。魔石の有無が他の生物と魔物の違いらしく、倒すと魔石を残して消滅して、ドロップアイテムを落とすことなどもある。ちなみにモンスターとは呼ばれないらしい。

この時点で今日の1日を振り返り、スライム1匹としか遭遇しなかった幸運に感謝したのは言うまでもない。

魔石には魔物固有の特徴があり、魔石を調べればどの魔物を倒したかがわかるようになっており、その魔物を倒した証明になるほか魔石は魔道具のエネルギー源となるためギルドでの買い取りを推奨しているそうだ。


依頼には採取、収集、警備、護衛、探索、調査など多岐にわたる。

基本的に草木、石類等の採取や魔物のドロップアイテムの収集、村の警備などは低ランク・低クラスの冒険者でも受けることが出来るが、その他の依頼は高ランクもしくは高クラスの冒険者でしか受けることが出来なかったり、そもそもが指名依頼だつたりするらしい。

私のような最低ランク冒険者はたいてい依頼を受けず、魔物の討伐を行って、魔石を売ることで生計を立て、ランクを上げていくようだ。



ここで出てきたクラスがタグを見て私が突っ込みたかったことの1つである。


冒険者はギルドに登録するとGランクとなる。Gランクはいわゆる見習いという扱いであり、Fランクに上がるためにはギルドの訓練教官と戦い、その試験で合格する必要がある。

FランクからはE、Dと討伐や依頼を行うことで上がっていき、C、B、Aに上がるためには昇格試験があるらしい。

またSランクもあるらしいが一般のギルド職員では昇格条件なども知らないらしい。

第3開拓村には1番高いランクの冒険者でもCランクらしくほとんどの物はDランク以下で燻るらしいので昇格試験は関係ないかと思いながらもCランクぐらいは目指したいと思った。


ランクとは異なり、分かりやすく実力を示すのがクラスだ。

魔石の買い取りを行っていればどの魔物を倒す実力があるかということが把握出来る。そこでこれクラスの魔物を倒せますという指標になるというものである。

これにはランクのような段階評価ではないためギルド職員やギルドマスターの気持ち次第なところもあるらしい。


しかし、戦闘が苦手な採取や警備専門の冒険者を区別することが出来たり、一般人にとっては分かりやすく意外と好評らしい。


これも最低ランクのスライムから始まると聞き、そのスライムにさら敗走した私は心の中で泣いた。


なんとか一通りの説明を受け終わり、取り出していたメモ帳に聞いた内容をまとめていると、ドワ子がテンションの低い声で話しかけてきた。


「これに触って」


カウンターの上にいつの間にか台座に乗った水晶のようなものが鎮座している。


とりあえず指示にしたがって水晶に手を当てる。


すると、そこで急に立ち眩みを覚え、たたらを踏んで頭を振った。


・スキルシステムを解放しました

・スキルを獲得しました


アナウンスのような声が聞こえる。


「今ので冒険者に適した貴方に適正のあるスキルが与えられたはず」


ドワ子の説明が足りない気もするが今のでスキルが得られたのであろう。あのアナウンスは本人にしか聞こえないらしい。まるでゲームのようだ。


「どんなスキルが貰えるのですか?スキルはこの水晶以外で手に入らないのですか?」


「このスキルストーンでスキルを発現させることができて、戦闘スキル、魔法スキル、特殊スキルのなかからランダムに3つが割り当てられる。スキルは対応した訓練を続ければ身に付くこともあるし、魔物と戦ったり、ダンジョンなんかで見つかるスキルスクロールで得られることもある。それにスキルは訓練を続ければレベルも上がる」


スキルストーンは各ギルドにあり、ギルドの種類に合うスキルを発現しやすいそうだ。このスキルの発現が1人1回しかできないので複数のギルドには所属できないようだ。


おそらく戦闘スキルが剣術、槍術みたいな武器術スキルで、魔法スキルが火魔法のような属性魔法や精霊魔法、召喚魔法や空間魔法で、特殊スキルがその他の有用スキルかな。


とにかくどんなスキルが身に付いたか楽しみだな。


「どんなスキルが身に付いたのか確認する方法はないのですか?」


「高レベルの鑑定スキル持ちに見てもらうか、純度の高い鑑定石を使えば確認できる」


「ここで確認できますか?」


ドワ子がちょいちょいと自身を指差す。


「教えて下さい」


ドワ子がじっとこちらを見て、呟く


「鑑定」


何かぞわっとするような不思議な感覚に襲われた。これが鑑定を受けるという感覚なのだろう、これはかけた人に確実にバレるし、魔物にも気づかれるな。なかなか難しいスキルだと思う。


そんな事を考えているとドワ子が常に眠そうにしていた目を見開き、その後、紙に何かを書き込んで私に手渡す。



レジュメ 人族 男 30才


レベル1

生命力 8/8

魔力 0/0

スキル

『鑑定眼』レベル1

『収納』レベル1

『読書』レベル1



数値と3つのスキルが紙に書かれていた。

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