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メモからはじめる魔物図鑑  作者: 平凡な三十代
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第6話 凡人は異世界でコミュニケーションをとる

気がついたら異世界に来ており、まだ1日もたってはいないがここまで長く感じた。


しかし、まだここで気を抜くわけにはいかない。今からあの門を抜けるために試練に立ち向かわなくてはならない。

柵は木だけで出来ているとはいえモンスター対策のため頑丈に出来ており、出入り口には門番が1人門の側で直立している。


門番の姿をみるとアラブ系の顔立ちでガタイも良く、片手で槍を持ち、革製品を装備しており、兵士というよりは冒険者のような印象を受ける。


私はとうとう門の前までたどり着き、そしてアラブ系門番が動いた。


ここからが勝負だ。

私は心の中で自分にそう言い聞かせた。


そしてアラブ系門番が口を開く。


「ようこそ。アインス第3開拓村へ」


「……へ?」




なにも質問されることなく、普通に村の中に入れてしまった。

しかも門番が話した言葉はなんと日本語であった。

他にも色々気になったことはあったがとりあえず言っておこう。


「神様ありがとう! テンプレ万歳!」


もちろん村人から変な目で見られた……。


とりあえず言語問題は解決したし、身分証も必要なかった。

何故だろうか、とりあえず気になったので立ち止まりバッグからメモ帳と鉛筆を取り出し、書き込んでいく。

アインス開拓村と言っていた。アインスとは国のことだろうか?しかし、アインスとはドイツ語の1、英語で言うワンにあたる言葉のはずである。言語は日本語で、国?はドイツ語、気になることは多いがずっとこうしてはいられない。

今日の宿を決めないといけないし、出来ればその前に冒険者登録もしておきたい。

ふとメモ帳から目線を上げて村人を見た。メモ帳に目線を戻しかけて、慌ててもう一度村人を見る。


頭から犬と思われる耳が生えている20前後の男の村人がそこにはいた。


獣人がいるのか。もしかしたらエルフやドワーフもいるかもしれない。

しっかりとメモしておきました。


メモ帳と鉛筆をバッグに直し、冒険者ギルドを探す。


村を見てまわると何人かの獣人がいた。ネコ、キツネなどいろいろな獣人がいるようでさっきのイヌミミ男子は耳以外普通の人と同じだったがキツネの獣人のお姉さんなんかは少し毛深く、ケモナー度が高かった。獣人も個人毎に獣度合いが違うらしい、これもあとでメモしておこう。

ちなみにネコミミさんは中年男性でした。残念です。


途中で食料品店を見かけて足を止める。野菜や果物、干し肉が並べてある。こっちにきてから何も食べていなかったためお腹は空いている。


「あんちゃん、見かけない顔だが冒険者かい?なにか買っていかないか?」


白人系のおっちゃんに流暢な日本語で売り込まれた。やはり違和感がすごい。


とりあえずリンゴのような果物を手に取り値段を聞いてみた。


「これ、1つ幾らですか?」


「ポムの実は1つ、1ダラだよ」


無事言葉は通じたらしい。これで日本語に聞こえるだけといことはなさそうだ。1ダラと言ったのはおそらくここでの通貨だろう。


「これでお願いします」


巾着から銅貨を取り出し、おっちゃんに渡す。おっちゃんが銅貨を受け取り、持っていた銅貨の1周り小さな銅貨を9枚返してくれた。


持っていた銅貨はどうやら大銅貨と呼ばれるものだったらしい。

物価もだいたい1ダラあたり百円ぐらいと考えて良さそうだな。

しかし、ダラとはドルのことだろうか?通貨はアメリカとはなんともごちゃ混ぜな印象を受ける。


おっちゃんにお礼を言いながら背を向け、ポムの実に囓りつく。

甘さを期待して食べたため思った以上の酸味に顔をしかめる。


日本でのリンゴは品種改良のおかげであの糖度が実現できているのだなと納得した。


そんな事をしながら村のなかを散策し、ついに剣と盾のエンブレムが入った看板の建物が見つかった。

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