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『公爵令嬢の性格矯正作戦』を立案した件について…

寮に帰った私たちは、一旦私の部屋に集合して今夜の計画を練る。


「やっぱりこのままにはしておけないわよね、カスミちゃん」

「ええ、時間をおいて冷静になって考えても、このままあの子たちが成長すれば、立派な貴族にはなれないでしょうね」

「貴族と言うより社会人としていかがなものかと思うわ。私たちの努力をぶちこわしてくれたお礼もだけど、人としてやってはいけないことがあることを身をもって知ってもらいたいわ。

 名付けて『公爵令嬢の性格矯正作戦』よ」

「何か計画はあるの?アイネちゃん」

「やっぱり砂の恨みは砂で晴らすのがいいんじゃないかと思うのよ。

 たとえばね………」


 私たちは30分ほど話し合って計画を練り、夜中に作戦を決行することにした。



 今日は週末なので、この後、王都の侯爵邸にもどらなければいけない。

 おそらく二人の公爵令嬢も王都の自宅に帰るであろう。


 幸い公爵家の別邸はもっとも王城に近い区域にあるので、場所の見当はつきやすい。

 クレヤボヤンスでのぞいてみると、ちょうどイリアさんの馬車が門に着いた所だった。

 ナターシャさんの馬車は道を移動中で、後5分くらいの距離にいる。


 まずはイリアさんを透視して、部屋の位置を特定する。

 三階の右端の部屋のようだ。


 続いてナターシャさんの馬車が自宅に着いたので、こちらも透視しておく。

 ナターシャさんの部屋は三階の中央から二つ右に行った部屋だった。


「部屋の位置は分かったわ。夜中の2時にカスミちゃんの部屋集合でいい?」

「分かったわ。早めに寝て夜中に備えるわね」

「テレポーテーションで迎えに行くから、寒くない服装で待ってて」

「了解」


 私たちは急いで王都の自宅に戻ると、遠足で疲れたことを理由に早めに就寝する。


 といっても、私は一旦サラセリアに飛んで冒険者としての活動を急いで行ってから、月面コロニーで就寝だ。


 アルタリア時間で夜中の2時集合と言うことは、サラセリア時間で昼間の2時。

 月面コロニーでは、大枚はたいて買ったゼンマイと振り子を併用した大型置き時計が唯一の時間を知る手段となる。


 もちろん今世には、腕時計は開発されておらず、せいぜいあって置き時計か懐中時計だ。 電波で正確な時間を知らせてくれるシステムもなければ、クウォーツの振動数で正確に時間を計る手段もない。


 唯一の動力源がゼンマイであり、小型にすればするほど精度が落ちる傾向にあるため、一番正確なのは大型の置き時計で有り、懐中時計は高価な割に使えない代物となっている。


 ノルマの薬草を集め終わってすぐに、私は月面コロニーで眠り、2時になると同時にカスミちゃんの部屋へテレポートした。



「起きてる?カスミちゃん」

「ええ、準備はできているわ」

「それじゃあ、予定通りやるわよ」

「分かった」


 私はカスミちゃんを連れて遠足できた砂浜へとテレポートした。


「それじゃあ、カスミちゃん。こっちは任せたわよ」

「OK。壊れるのが前提の砂の城なんて10分もかからずに作ってみせるわ」


 全ては打ち合わせ通りだ。


 カスミちゃんと頷きあうと、私は二人の公爵令嬢の寝室へとテレポートした。


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