対策会議を非常招集した件について…
時刻は夜の10時過ぎ、場所はカスミちゃんの部屋である。
12歳のよい子はみんなお休みの時間だ。
公園から自宅に向かう途中で緊急対策会議を深夜に開くことにした私たちは、お互いの別邸の位置を確認して早めに就寝したと見せかけ、私のテレポーテーションで落ち合うことにしたのだ。
カスミちゃんの部屋は男爵家別邸の2階角部屋だそうで、目印にペチュニアの花鉢を飾り窓に出して置いてもらう。
とりあえず帰宅した渡したは、8時までに夕食とカオリーナのおもりを終え、入浴後に就寝する。カオリーナがもっと遊びたがってぐずったが今日は本当にそれどころではないのだ。
そのあとすぐにサラセリアへテレポートし、9時にはヘンリー隊長と家を出て、薬草をノルマ分集め、月面都市に魔力(電力)を供給したらすぐにカスミちゃんの部屋へ飛び、今にいたる。
カスミちゃんも眠ると偽って部屋に引きこもっている。
「アイネちゃん、話し声がお父さんに聞こえるとまずいかも知れないわ…」
「そうね、部屋に電気がついているのも不自然ね。
月面コロニーに移動しましょう」
私はカスミちゃんを伴って月面コロニーの私の部屋に移動する。
「ここに来るのも久しぶりね。」
カスミちゃんが懐かしそうに見回す。
しかし今はそれどころではないのだ。
「早速だけど、どうやって乗り切る?」
「むしろアイネちゃんに聞きたいわ。
私は5歳のとき平民だったから測定していないの。
そもそもどうやってステータスを測定するの」
私が聞くと逆にカスミちゃんから質問が帰ってきた。
「そうよね…
まずステータスを自分で見える状態にしておくの。
それから大きな石版の下部中央い金属球みたいのなのが埋め込まれていて、そこに触れると石版に数字が出るんだったと思う。」
「5歳のときはどうやってごまかしたの?」
「ステータス表示には最大値が出ないから、ぼろぼろに疲れれば数値が小さくなるのよ。
当時は魔力以外4桁行っていなかったから、徹夜でトレーニングして普通の5歳児並に下げたの。
それでも高すぎるステータスだったみたいだけど…」
「今回もその手は使える?」
「たぶん無理ね。
最大値が大きくなりすぎているから、上手い具合に削って調整することが難しいと思う」
「けど、他に手はあるの?」
「今のところ思いつかないわ」
「………」
「………」
私もカスミちゃんも黙り込んでしまい、しばし沈黙する。
「ねえ、アイネちゃん。とりあえず現物を見てみたいんだけど、どうかな?」
カスミちゃんが沈黙を破った。
「そうだね…、実際のステータス測定板を見ながら考えるのもいいかもしれないね」
私たちはとりあえずステータス測定の石版が置いてある王宮に忍び込むことにした。
といってもテレポートで移動するだけなのだが………。




