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結果の分析… 

 月面コロニーの私の部屋へ戻ると、リビングのソファーに二人ともへたりこんだ。

 託された卵は割れないように毛布にくるんでカスミちゃんと一つずつ抱きかかえている。

 熱帯よりも気温の低い私の部屋では体温で暖めた方がいいのではないかという判断である。


 私たちは卵を抱えたまま薬草のハーブティーをすする。


「完敗だったね…」

 カスミちゃんが言う。


「そうだね、油断があったかも…」

 そう言うと私はステータスを確認する。

 疲れているわけではないので満タン状態に近いと思われる私のステータスは、人としての限界を超えていると言っても過言ではない。


 体力1955

 魔力9999+

 力 1890

 素早さ1787 


 昨日のランホリンクス戦より少し伸びている程度だ。


「カスミちゃんはステータスどうなってる?」

「ちょとまって…

 こんな感じよ」

そう言ってカスミちゃんは自分のステータスを教えてくれた。


 体力933

 魔力9999+

 力 941

 素早さ1066 


「カスミちゃんと私、二人併せておとな27人分くらいの力か…

 けど、あの恐竜のしっぽは止められなかったね…」

「特級冒険者のパーティーがすぐに撤退するはずだよね…」


 私たちはあのギガノトサウルスの強さを議論する。

 地球のギガノトサウルスは体長13メートルくらいで体重が8トンくらいである。

 1トンは1000kgだから、8000kgくらいだ。


 一方、今日遭遇したこちらの世界のギガノトサウルスは体長が20メートルほど。

 長さが1.5倍だから体積は3.375倍、体重も3.375倍でおよそ27トンだ。


 27トンといえば27000kg。

 1人で100kg担げる人が270人必要となる。


「アリアちゃん… これ、かなわないはずよね…」

「そうだね。

 カスミちゃんと私が10人ずついて互角ってところみたいね。

 それに、ギガノトサウルスはあと2匹いたから、集団で来られるともっときついと思う。」

「あらかじめ分かっていればサイコキネシスで吹き飛ばせると思うけど…

 それにアリアちゃんなら他の超能力や魔法もたくさん持っているし。」

「ただ、倒すだけなら超能力で簡単よ。

 けど、超能力の発動には必ずタイムラグがあるわ。

 集中するまでの時間が必要なの」


 そうなのだ。

 たとえ無詠唱でも、引き起こそうとする現象を明確に意識しなければ思っておるような超能力は発動できない。

 とっさの攻撃にはやはり肉体言語が有効なのだ。

「アリアちゃん、いつか、リベンジしたいね」

「うん、もちろんよ。

 ねえ、カスミちゃん。

 特訓にこれからもつきあってくれる?」

「こちらからお願いしたいくらいよ。

 あいつを吹っ飛ばせるくらい頑張ろうね!」

「うん、約束だね」


 私たちはお互いの瞳を見つめると決意を込めてうなずいた。


『ピシッ』

 そのとき、私の抱えていた白い方の卵から音がした。


『ピピシッ』

 続いてカスミちゃんが抱えている方の茶色い卵からも音が聞こえる。


「「もしかして、生まれる?」」

 二人の声が思わずハモった。


次回、いままで本作になかったあの成分がようやく登場します。


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