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敗北… 

今回は残酷な表現があります。

ご注意ください。

 草むらに身を隠しながら声のした方へと近づく。


 いた。

 声の主たちだ。


 どうやら決着はついたようで、3匹の大型肉食恐竜が体長15メートルほどの茶色い草食恐竜をむさぼっているところだった。

自然の摂理とは言えなかなか残酷な光景だ。


 引き倒された草食恐竜は致命傷であるがまだかろうじて息があるようで、大きな愛らしい黒眼を私たちに向けてきた。

 何かを訴えかけるような目だ。


『ゴメンね。

 この世界に治癒魔法はないの。

 お前を助けることはできないの。

 弱肉強食の世界では仕方がないのよ。』


私は心の中で草食恐竜に謝る。


 すると、草食恐竜はそうではないというかのように視線を自分の横の方へ移し、再び私を見た。

 私は草食恐竜の視線の先を確認する。


 そこには直径50センチはあろうかという大きな卵が2つあった。


『もしかしてお前の卵?

 あれを助けろってこと?』


 私が疑問を込めて草食恐竜を見つめると、そうだというような視線で草食恐竜が見つめ返してくる。


『分かった』

 そう心の中でつぶやくとほぼ同時に、草食恐竜の大きな目から、一粒の涙がこぼれ、その目は力を失った。


「カスミちゃん。

 どうやらあの恐竜の卵があるみたいなの。

 助けるよ!」

「分かった。」


 私は小声で言うとカスミちゃんの返事を待って卵の方へ移動する。


 卵まであと少しというところで、肉食恐竜のうちの一匹に見つかった。

 母恐竜との戦いで右脇腹に生々しい傷跡ができているが、動きを阻害するほどではないようだ。

 どうやら私たちも捕食するつもりらしい。


 卵を守るためにもここは戦うしかないところだろう。


 相手の肉食恐竜は史上最大の肉食恐竜と言われたギガノトサウルスのおよそ1.5倍。

 20メートル級の大物だ。


 剣を抜いて構える私たちにギガノトサウルスは突然後ろを振り向くとしっぽの一撃を加えてきた。

 私たちの力の合計はおよそ2700ほどまで増えている。

後ろに守るべき卵もあり、慢心もあった。


 受け止めきれる。

 そう判断してしまった。


 最初からサイコキネシスで勝負していれば結果は違ったのかも知れない。

 私たちは剣共々跳ね上げられた。


 カスミちゃんは数十メートルは飛ばされたようだ。

 剣も取り落とした。

 しかし、ギガノトサウルスは未だ無傷で迫る。


 私はレビテーションで空中に浮遊するとギガノトサウルスの後ろに回り込み、しっぽを持って、思いっきり投げ飛ばそうとした。


 しかし動かない。


 逆にしっぽを振り回され吹き飛ばされた。


 このままでは卵を守り切れない。


私がそう判断したとき、カスミちゃんの声が聞こえた。

「アリアちゃん!

 撤退するよ!!」


 素早く戻ってきたカスミちゃんが卵を2つとも確保し、叫んでいる。


「分かった!」


 私はすぐにテレポーテーションを発動するとカスミちゃんの横にテレポートアウトし、そのままカスミちゃんを連れて月面コロニーへと再びテレポートした。



恐竜の親が卵を守って倒れるシーンは書いていてつらくなりました。

これ以上詳しく描写する気力がなかったので字数も少なくなってしまいました。

そのうち加筆するかも知れませんが当分このままです。


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