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未来への約束…

「それでは、これから先、私たちはどう世界に関わればよいのでしょう?」

 私の質問にカスミちゃんも頷いている。


「それは君たちに任せる。

 目下の所20年先までの可能性の未来に、破滅的なものはない。

 君たちが目指す未来を、思い通りに歩めばよい。

 ただ、私としては、再び破滅的な科学技術がはびこらないように、中世的な文明レベルを一時いちどきに大きく変えないで欲しいという思いはある」


 私はカスミちゃんと顔を見合わせ、頷く。

「アイネちゃん、この世界に重化学工業を復活させたりすることはやめておきましょう。」

「そうね。でも今作っている和紙の性能はもう少し上げたいところだわ。

 ゴードンさん、世界の様子はセンサーか何かで把握していらっしゃいますよね。

 私が領地で作っている和紙のムラを減すことはできませんか?」


「その程度なら、文明レベル的には問題ないだろう。

 今ミツマタから作っている和紙は、繊維を紙にすくときにとろみが足りないため厚みが均一にならないのだ。

 トロロアオイの根から取れる成分を加えることでとろみが供給され、旧世界の和紙に近いものができるじゃろう」

「ありがとうございます」


 私は礼を言い、和紙が完成形に一歩近づいたことをとても嬉しく思った。


「今後私の知識が必要なときは遠慮無く尋ねてくるといい。

 未来演算システムで問題がありそうな事柄は教えられないが、特に問題が無いようなら旧世界の知識を復活させるのもよいだろう」


 私はカスミちゃんと顔を見つめ合う。

 それなら、旧日本人としてどうしてもお願いしたいことがある。

 冒険者をやっていたときから、二人きりのときはよく話していた内容が…

「それなら、おたずねします。

 この世界にお米はないのですか?」

「もし遺伝子技術で復活できるのなら、私たちお米が食べたいです」


 そう、私もカスミちゃんもお米に餓えていたのだ。

 北半球の世界を色々回ったが、小麦はあってもお米は栽培されていない。

 今が、千載一遇のチャンスかも知れないのだ。

 私とカスミちゃんは期待に瞳を輝かせる。


「ああ、それなら既に南半球に自生している。

 君たちならすぐに採取できるじゃろう。

 この辺りじゃよ」


 そう言うと、ゴードンさんの手元にホログラム映像の地球儀が現れる。

 ゴードンさんは南半球の南緯40度くらいに浮かぶ細長い島を指し示した。


「「ありがとうございます」」

 私とカスミちゃんは同時にお礼を言うと、早速テレポーテーションでお米の待つ島へと移動するのだった。


次回、いよいよ最終回です。

明日の夜、完成ししだい投稿します。

遅くとも23時までには投稿したいと思います。

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