番外編Bパート荷 CM(2)
登場人物
時奇 狼雅
命 張巻
モブ C
モブ E
国針 守町(社長)
稲利 御他
高平 真理
月並 響子
杉村 里美
仮染 夏
鬼瓦 静詞(副社長)
これまでにでた修正案をまとめ、ようやく撮影に入れるようになった。
春里グループのカフェ、スイーツ店、スポーツセンター、ファミレスの4か所を舞台にする。もともとの案とは別物になっている。まぁ、良
くあることだ、うん。
15秒分と30秒分、両方作るらしいが撮影は30秒分の方だけにして、あとは編集(開発部)でなんとかするらしい。
おれはBGM担当だから撮影までついていく必要は無いのだが、一応スタジオに行くことにした。
そういえば皆さんお久しぶりです。時奇狼雅です。
現在6時30分。早速ですがスタジオに向かいたいと思います。
ハイ到着。なんでスタジオなのかってそんなの、ほぼ全部CGだか合成だかでやるから以外になにかあります?
「おはようございます」
「おう、もう撮影始まるからこっち来い」
マッキーも来ているようだ。椅子に座ってめっちゃくつろいでる。
「マッキー、撮影どれからだっけ?」
「カフェからだ。それくらい覚えとけ」
俺の記憶力をなめてもらっちゃ、困るね。
ただ、もう準備はほとんど終わっているので、周りを良く見ていれば気づいたかもしれない。あからさまにカフェっぽい椅子や机が堂々と置いてある。
そんなことを考えているうちにカフェの撮影のキャスト、モブCとモブEが入ってきた。ちなみにCは女、Eは男である。そうだ、この撮影はカップル設定だ。
「なあマッキー、あいつらあんなに仲良かったっけ?」
「あぁ、フォックスは知らないんだったな。あいつら本物のカップルだぜ」
リア充かよ。そうと知ったら見てて気持ち悪くなってきた。リア充爆発しろ。
「みんな準備できてる?よし、じゃ撮影始めるぞー」
監督(社長)の声で担当を持っている者が配置についた。どうやらカメラは御他がやるらしい。
カフェでいちゃつく姿を見せられ続けること一時間。ようやくカップルパートが終わったようだ。
「はぁ、やっと終わった~」
「フォックスのリア充嫌いは相変わらずだな」
笑いながら言うんじゃねぇこの野郎。
「ほらセット変わるから次何か当ててみろ」
カフェセットが運びだされ、なんだか女子ウケの良さそうなセットに切り替わった。
「あれか、え~っと、女子会?」
「そうだ、お前の良く知った奴らが出てくるからちゃんと見てろ」
ニヤニヤしながら言ってやがる。嫌な予感しかしない。
出てきたのは高平真理、月並響子、そして杉村里美だった。
「うちの部長出るのかよ…」
「やっぱり知らなかったんだな」
ハッハッハーと謎の笑い方をするマッキー。殴りたいこの笑い顔。
そうこうしているうちに机の上にはケーキやらコーヒーやらが並べられていく。
「ケーキ見てると食いたくならんか?フォックスよ」
「お前は甘い食いたいだけだろ、糖尿病になっちまえ」
「そんなとこだろうと思って差し入れですよ、命さん。あとフォックスさん」
そう言って現れたのは、マッキーの後輩で新入社員の仮染夏だ。面識は無い。
「あんまり甘やかしてると、マッキーに付きまとわれるぞ」
「おいフォックス。言って良いことと悪いことがあるって知らないのか?」
マッキーがどす黒いオーラ出しながら睨んでくるが、慣れてしまって怖くない。
「喧嘩してないでこれ食べません?」
そう言って仮染がケーキを取り出した。春里グループの女性社員のなかで噂になっているらしい、春里グループのショートケーキだ。しか
もめっちゃ高いやつ。たしか真理が連れてきたパティシエの店のものだ。
「これ高いやつだろ。マッキーにはもったいないぞ」
「大丈夫です。今度何か買ってもらいます」
「めちゃくちゃ高い物じゃなければ良いけど」
全く遠慮せずに食べるマッキー。日常茶飯事なのか?まぁせっかくだし俺も食べるかな。
「お前ら仲良いんだな」
「まあね。高校の時同じ部活だったから」
「命さんにいろいろ教えてもらったんですよ」
「ん、女子会パートの撮影終わったぞ」
「早かったな、余ったケーキとか無いかな」
「命さんはこのケーキで我慢してください」
またセットが運び出されていく。あっちは大変そうだなぁ。
そしてまた新しいセットが作られていく。
「次は何でしょう、ファミレスですか?」
どうやら仮染も一緒に見ていくようで残っている。
「うん正解、次は副社長の出番だ」
ちょうど入ってきた、6人も。
「見たことない奴ばっかだな」
「フォックスもナツも会ったことないかな。あれ副社長の家族」
「本物の、ですか?」
「そうだよ。協力してもらえるんだってさ」
と言ってマッキーは立ち上がり、そのままスタジオの出口へ向かった。
「おいおいマッキーどこへ行く」
「次の撮影外だから俺はそっちの方に行くんだよ。お前らも行くか?」
「そうか、じゃ俺も行こうかな」
「途中でお昼食べていきましょう。もちろん命さんのおごりで」
「別に良いけど店は俺が決めるぞ」
そんなこんなで撮影の半分が終わった。
ちなみに昼はピザだった。
命「三千円は安くない」
はい、久しぶりの更新です。本編?なんの話ですかね。