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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
834/836

外伝EP16 暗黒竜に転生しましたよ。その23

 暗黒竜、狂気の怨霊騎士ウォーサー王、そして神獣エビルスタリオン……巨大怪獣、待ったなしだぜ!


 ――ったく、こんなデカくて厄介で説得も通じない面倒なモノ共をどう避けるか……考えるだけで頭が痛くなる問題発生なんだよなぁ


『おお、我が愛馬エビルスタリオン……久しいな……』


『同感であります、主よ……』


『よし、久し振りにアレをやるぞ。うぬならわかるだろう?』


『はい、もちろんですとも! では……』


「う、うわあ、ウォーサー王とエビルスタリオンが合体したぞ! スケルトンなケンタウロスになったぞー!」


 ウォーサー王とエビルスタリオンが目の前の融合する――どちらも粘液状の物体になり、一緒くたに……融合したってワケだ。


 ちなみに、エビルスタリオンの特徴が色濃く反映されたカタチのモノに融合したぞ! 真っ赤で巨大な全身白骨状態の半人半馬のモノ――ケンタウロスだ! 


「ウォーサー王とエビルスタリオンが融合したことで敵が一体、減ったな、アハハハ」


「兄貴、そこは喜んじゃいけないところッス! むしろ絶望すべきかと……」


「馬鹿、弱体化した可能性だってあるだろう? だから俺は笑ったんだ」


「兄貴、いい加減な尺度で敵を見ちゃいけない気がする……」


 ウォーサー王とエビルスタリオンが融合したことで敵は確かに減ったけど、兄貴が言うように弱体化したとは思えないんだよね。


 まあ、ウォーサー王が身に着けていた真っ赤な鎧兜はどこかへ消え失せてしまったっぽいので防御力だけならダウンしたとは思うが……。


『グ、グルオオオオオー!』


「うーん、奴さん……理性が完全に吹っ飛んだ感じだね」


「眼窩から紫色の炎が噴き出しているからな」


「え、そうなの? その前に理性なんてモノがあるのか?」


 真っ赤で巨大な白骨ケンタウロス――とまあ、そんなタダでさえ禍々しい姿に拍車がかかったぞ。


 奴の目玉の消失した眼窩から紫色の炎が噴き出してたしね……つーか、さらなる暴走って感じだ。


 この調子だと、話しかけてもまともな返事がまず返ってこないだろう……いや、元から無理だったし、ヤバさ倍増だ。



「フフフ、こりゃヤベェ展開だが狙い通りだぜ」


「狙い通り?」


「ああ、だが、ここは一旦、逃げるぞ。なんだかんだと、嘆きの森の出口はすぐ側だしな」


「ちょ、また逃げるのか? まあ、あんな奴を倒そうだなんて勇気なんて湧いてこないしなぁ……」


「だろう? ま、とにかく、嘆きの森の出口へ向かうぞ。上手くいけば、俺の狙い通りの展開になるしな」


 狙い通り? キョウの奴、目の前で展開する最悪のシナリオを前に気でも狂ったか? だけど、とりあえず、従っておくか。


『グ、グルオオオ! ウガアガガー!』


「お、追いかけて来たぞ!」


「でも、動きが鈍いな。ウォーサー王とエビルスタリオンの融合は動きを鈍らせる副作用があったっぽい」


「だけど、アレを見るッス! 奴が動く度、周囲の草木が一瞬で溶けたッス!」


「あ、ああ、一瞬で草木も生えない荒地と化しているぜ」


 うへぇ、ウォーサー王とエビルスタリオンの融合体――ウォースタリオンと仮称しておくかな。


 とまあ、そんなウォースタリオンの動きは鈍い――副作用だろうか? だが、奴が一歩、移動する度にジュワッと一瞬で周囲に生息する草木が溶けてしまう。


 ちょ、さっきは周囲の草木が枯れなかった? 今度は溶けるとか物騒にも程があるぞーッ!


「ん、キョウ、どこへ向かうんだ?」


「まあ、ついて来い。今のアレの動きの遅さなら追いつかれることもないだろうしな」


「だ~か~ら~、どこへ向かんだよ」


「ウーザー王の墓だよ」


『おお、往くのか! では、私が先導しよう。マーテルの星の入手なら任せてもらおう』


 マーテルの星がどんなモノかは知らん。だけど、それがあればウォースタリオンを――融合しているウォーサー王とエビルスタリオンに分離させることができるかもなぁ。


 そういえば、マーテルの星なるモノはウーザー王の墓にあるらしいし、ミュール公のウォーサー王への復讐へと繋がるんだったな。


 なんだかんだと、一縷の臨むをかけて向かってみようウーザー王の墓へ! うわ、幽霊旅団共がやって来た……俺達をウーザー王の墓へと行かせないためか!


『鬱陶しい奴らめ! だが、マーテルの星があれば、アイツらも一掃できる。そして嘆きの森に静寂が戻ってくる。さて、ここは私に任せろ。お前達は先にウーザー王の墓へ向かうのだ』


「んじゃ、そうさせてもらうぜ。ウーザー王の墓はすぐそこだしな」


「すぐそこ? もしかして、あの巨大な三日月っぽいモノが見えるけど、アレが?」


「ああ、その通りだ……ウ、ウワーッ!」


「わお、キョウ様に雷が落ちた!」


 ウーザー王の墓とは、俺達の今いる位置からでも十分すぎるほどに見える三日月を模した巨大なレリーフっぽいぞ――とその刹那、眩い閃光が周囲を包む込む! え、雷……落雷? それはキョウに落ちた……だと!


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