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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
822/836

外伝EP16 暗黒竜に転生しましたよ。その11

「悪臭をばら撒く汚物(ゾンビ)は消毒だァァァ~~~!」


「ちょ、待てよ、暗黒竜くぅぅぅん!」


「早く逃げろ! お前もゾンビ共と同じくボロボロに朽ちてしまうぞ!」


「お、おう!」


 寝起きは期限が悪いってヤツだな。


 俺の助けを求める叫び声に応えるカタチで地面から飛び出してきた巨大で真っ黒な竜――暗黒竜の成竜の口内に禍々しいエネルギーが収束し始める。


 く、来るぞ――俺が吐く暗黒竜吐息の何倍もの破壊力がある暗黒竜吐息が!


「よし、ここまで来れば大丈夫」


「あ、ああ……」


「しかし、人吐きでゾンビ共の大半をボロボロに朽ち果てさせるとは……」


 暗黒竜吐息を浴びた物体は腐敗する。


 何かしらの理由から動きだした屍であるゾンビは、当然とばかりに全身が腐敗した状態なので、その身の腐敗がさらに進行し、ボロボロに朽ち果て崩れ落ちて地に還る。


「汚物はかなり消毒できたな。ん、だが、まだ汚物は存在する……お前達だ!」


「わ、わあ、こっちを見てるッス!」


『ハハハ、まあ、落ち着き給え。我が友よ』


「え、人面樹君……ア、アレと友達なワケ?」


『まあね。この森に住まう古い仲間ってところかな』


「そ、そうなのかぁ……って、俺の方をジッと見つめちゃいないか?」


 人面樹と暗黒竜は古い知人――いや、友達? それはともかく、ゾンビ共同様、俺達も暗黒竜吐息で消毒する気だ! ん、だが、そんな暗黒竜の成竜の殺気立った視線がギランと俺ひとりを標的にするかの如く向けられている気がするんだけど?


「おおおッ!」


「ん、んんん?」


「お前、もしかして俺様の子供か?」


「可能性はあるかな? ほ、ほら、同じ暗黒竜だぜ」


「や、やっぱりな! そうだと思ったぜ――んじゃ、やる気が出たぞ。ゾンビ共もそうだが、この森ン中にいるモノを皆殺しにしちゃおうかな~☆」


「「「そ、それは駄目だろうがーッ!」」」


 目の前にそびえ立つコイツ――暗黒竜の成竜の子供の可能性があるよなぁ、俺。


 だ、だが、嘆きの森の中にいるモノを皆殺しにするなんて外道なことを言うな! 皆殺しっつうか滅すならゾンビ共だけにしろー!


「あん? いいんだよ、細けぇことは! んじゃ、早速……ガアアアアーッ!」


 細かいことじゃねェェェ~~~! とにかく、最小限の被害で済む――いや、身体が腐っちまうから絶対に触れない場所まで逃げるんだァ!


「お、こんなところに穴があるぜ」


「よし、入るぞ……う、うおーッ!」


「あ、兄貴ィィ!」


 ん、地面に穴を発見! だが、小型動物サイズの小さなモノだ――って、兄貴がそんな穴の中に兄貴が入り込む。


 おいおい、不用意に飛び込んじゃ駄目なパターンじゃないか? うーむ、的中――穴は予想以上に深いっぽいぞ。


「く、隠れる場所なんかないぞ。暗黒竜吐息から身を守るにゃ、どこに身を潜めれば……」


 この世界での俺の親かもしれん暗黒竜の成竜が吐き出した暗黒竜吐息は、一瞬でゾンビ共を白骨化させる——むう、ヤバいぞ! 巻き込まれたら俺達まで白骨化してしまう! しかし、どこを探しても身を隠す場所がないぞ。


 兄貴のように底なし穴に落っこちるのは御免だし、マジでヤバい状況だ。

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