EP9 俺、巨人族の少女と出逢う。その10
登場人物紹介
・マルス――キョウに決闘を申し込んだ死霊使い。
・アレス――マルスの愛犬であり相棒でもある喋るシベリアンハスキー。
「うううう、遅いィィィ~~~!」
「マルスちゃん、アレから三日間、ここでずっと待ってるワケだが、私らって物好きだとは思わない?」
「物好き? 決闘を申し込んだワケだし、先に来て待機しているのが当たり前じゃん!」
「だけどさぁ、何も三日前から待機していることもないと思うんだが……。」
と、相槌を打つ死神を連想させる黒ずくめに身を包む怪しい仮面の人物改めマルスと愛犬である喋るシベリアンハスキー改めアレスの周囲には、禍々しいモノ達が多数、待機している。
「部下を骸骨で組織しておいて良かった気がする。」
「うん、ゾンビだと悪臭がヤバいからな。俺の鼻が壊れちまう……。」
マルスとアレスの周囲にいる禍々しいモノの正体は、ボロボロに朽ちた剣や斧をたずさえた動く骸骨達だ。
「あのぉ、マルス様、本当に来るんでしょうかね? アナタと同じ死霊使いが……。」
と、動く骸骨の一体が、そうマルスに話しかける。
どうやら自立行動ができる上、意思もあるようだ……ん、アシュトンみたいな感じだな。
「マルス様、面倒くさいです! つーか、決闘反対!」
「決闘なんて物騒なことをやめて家に帰りましょうよぅ?」
「その前に、何が楽しくて決闘なんて物好きなことを……。」
「決闘なんて疲れるだけだよ、マルス様……。」
「この決闘に何かしらの意味があるんですか?」
他の動く骸骨達も意志があり、自立行動ができるようだ。
で、主であるマルスに対し、不平不満の言葉を言いまくる。
「ハハハ、骸骨達は平和主義者だなぁ、マルスちゃん。」
「ぐぬぬぬっ……お前達、せっかく生き返らせてやったのに、その言い草はなんだ! また物言わぬ白骨死体に戻りたいのかァァァ~~~!」
「「「じょ、冗談ですー!」」」
「ホントかぁ?」
「「「ホ、ホントですって!」」」
「まあまあ、マルスちゃん。骸骨共を脅すのは、そこまでってことで……来たよ、決闘を申し込んだ、あのお姉さん達が!」
「よ、よお!」
さてと、マルスとアレス、それに自立行動はできる上、意思を持ち喋ることもできる骸骨共がいる月の神殿遺跡に俺はやって来る。
ちなみに、一緒にここへ来たメンバーは、俺の使い魔であり、友達でもあるメリッサ、ミネル、アシュトン、ピルケの不死者達、それにウェスタとエイラだ。
「う、嬉しい! やっぱり来てくれたんだ!」
「あ、ああ、不本意だながな。」
「ところでアンタの使い魔は、後ろにいる四人ゾンビかな? ん、でも、全身甲冑の輩は、私の使い魔と同じ動き回る骸骨と同じっぽい気がするなぁ。それに水着姿の少女も別の系統の不死者のような気も……。」
「ま、そうなる。だけど、彼女らは使い魔であるが、俺の大事な友人でもある。」
「友人? 不死者と心を通わせているワケ? ハハハ、物好きだなぁ、アンタは!」
メリッサ、ミネル、アシュトン、ピルケを一目、見ただけで不死者だって判別できたのは、流石は死霊使いだ。
でも、物好きとは言われたくないぞ、コイツにだけは……。
「さてと、アンタは〝どこで入手〟したのかな? 生前の姿を維持させた状態のゾンビを作成する術を――。」
「はう、私やミネルさんを指差してますよ、あの怪人!」
ん、どういうこと? 不気味な仮面のおかげで表情を見ることはできないけど、キッと鋭い声でマルスは、そう言い放つと、メリッサとミネルをビッと右手に人差し指で順に指差すのだった。




