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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP14 兎天原の旧支配者 その13

「よし、この箱の中に閉じ込めておこう」


「水気のない場所に置いておかないと復活するかもしれないなぁ」


 さて、赤黒い粘液状の身体が乾燥し、動くコトができなくなったティマグァを俺達は箱の中に封印する。


 とはいえ、水気のある場所には置けない――復活する可能性があるしね。


 後日、知ったコトだが俺達では旧支配者を殺すコトができないらしい。


 故に、封印する意外、方法はないようだ。


 さて。


「おい、お前ら迷宮図書館へ行っていたんだってな」


「俺も行きたかったッス! 何せ、あんなコトがあったワケだし……」


「エフェポスの村がオーク共の襲撃を受けたッス!」


「だが、なんとか撃破はできたぜ。死傷者が出ちまったけどな……」


「そういえば、オーク共の中に変な奴が……異形のモノが混じってたっス」


 俺達は迷宮図書館を離れエフェポスの村へと戻ってくる。


 で、戻った途端、俺達は出迎えた兎獣人のハニエルとヤスから悪い知らせを聞くのだった。


 エフェポスの村がオーク共の襲撃を受けた、というコトを――。


 まあ、なんとかオーク共を撃破できたようだが死傷者が出てしまったコト、そしてオーク共の中に異形の怪物が混じっていたコト――もしかしてティマグァやタンタロズの仲間である旧支配者が混じっていたのか!?


「そういえば、異形のモノが誰かを探していたぞ。まさか、お前のコトじゃないだろうな?」


「それが本当なら嫌だな……」


「ところで、件のオーク共と一緒にいた異形のモノの姿を説明してくれたまえ」


「あ、ああ、イイぜ、髭のオッサン。異形のモノの姿は――」


「身体は人間だけど、頭と両手が蛇だったッス!」


「ヤ、ヤス、この野郎! 俺が説明しようと思ったのにィ!」


「うう、兄貴は説明が下手ッスから俺が代わりに説明したんスよ」


「むう、身体が人間で頭と両手が蛇……蛇人間ってところか⁉」


 身体は人間だけど、頭と両手が蛇!?


 姿形なんかはティマグァやタンタロズのようなグロさではないけど、奴らと同じ旧支配者なのか⁉


 とにかく、ソイツがエフェポスの村を襲撃したオーク共の中に混じっており、誰かを探していたのか――。


「シュラララァ……私のウワサをし申したか?」


「ウ、ウゲーッ! ウワサの蛇人間か!」


 ウ、ウワサをすれば影――件の蛇人間が現れるのだった……ん、だが、オーク共は一緒ではないようだ。


 オーク共と同様、蛇人間のも数も多数いるってところか――。


「蛇人間が現れたってコトはオーク共も!?」


「アイツらには俺の誘惑光弾が効く……き、来たらぶちかましてやる!」


「オーク共? お前らは何を勘違いしているのだ」


「え、勘違い?」


「うむ、そう勘違いだ。私は部下など持たぬフリーのモノ故に――と、お前らの話を聞いていたぞ。で、件の蛇人間が探しているモノ……それは私のコトだ」


「な、なんだってー!」


 オーク共を引き連れてエフェポスの村を襲撃した蛇人間が探していたモノは、俺達の目の前に現れた蛇人間のコトのようだ。


「おっと、名前を名乗っていなかったね。私は古蛇族(エルダースネーク)のエヌメネス。場合によって旧支配者と呼ぶモノもいるだろう」


「旧支配者だと!? あのティマグァやタンタロズの仲間なのか!」


「ほう、他にも旧支配者を名乗るモノと出会っている――さて、何かしらの縁を感じる故、頼みたいコトふがある」


「頼み事!?」


「うむ、単刀直入に言おう。私を匿ってくれ――同胞の蛇人間ズェランゾラとオーク共からな」


 蛇人間は古蛇族のエヌメネスと名乗る……旧支配者だと!?


 で、オーク共を引き連れてエフェポスの村を襲撃した蛇人間は、エヌメネスと同じ古蛇族で名前はズェランゾラというのか――。


 で、ソイツやオーク共から匿ってくれって? だが、そんなコトをすれば再び……。


「た、大変だ! オーク共がエフェポスの村の外に――ッ!」


「ズェランゾラめ、気づいたか――さて、私はそこの家の中に身を潜める故、後は頼むぞ」


「ちょ、面倒なコトを押しつけんな!」


 ム、ムム、エフェポスの村の外にオーク共が!?


 いきなり現れて匿ってくれと言い出す都合のイイ存在ことエムメネスが、ここにいるコトを知ったズェランゾラ率いるオーク共が、再び襲来したのか――ったく、一難去ってまた一難って展開だな。

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