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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
743/836

外伝EP13 サキュバスに転生したんですけど、何か問題でも? その16

・キャラクター紹介


 ・ジンフリード——考古学少年エティエンヌの父親であり、同じく考古学者。


 ・アルシア——ギャルのような女兵士。

 考古学少年ことエティエンヌの父親ジンフリードは、強引なやり口で古代遺跡を発掘する要注意人物な考古学者である。


 例えば、無信教な獣人達と違い信心深い兎天原に住む人間達の信仰の対象となっているラーティアナ教が、宗教上の理由で立ち入りが禁じられている遺跡内に許可もなく足を踏み入れるなどなど――。


 そうそう、兎天原の支配国家であるマーテル王国の歴代の王や王妃が永遠の眠りにつく場所――要するに、王家の墓に最近、何者かが入り込んだ形跡があるようだ。


 で、その何者かというのが、あのジンフリードの仕業ではないか――と、ウワサされているが、ジンフリードご本人は否定しているとのこと。


 さて。


「クククク、人間である我々に手柄を取られる——そう思ったっているだろう?」


「…………」


「図星だな。さ、そろそろ、私が連れてきたマーテル王国の兵士達がタンタロズを捕まえている頃だろう」


 手柄ねぇ……俺的には興味がないな。


 が、その一方でクロウサヒコ達エフェポス警備隊の連中は腑に落ちなそうだ。

 

 俺達がタンタロズを捕まえるんだ――と、意気込んでいただけに。


 それはともかく、ジンフリードはマーテル王国の兵隊を引き連れているようだ。


 なるほど、一緒にいる連中が、件のマーテル王国の兵士達ってワケね。


「オッサン、超ヤバいんですけど!」


「オ、オッサンではない! ジンフリード教授と呼べぇ!」


「え、オッサンって、そんな名前だったの?」


「ア、アルシア、貴様ぁ!」


「し、知らなかったんだし、仕方がないじゃん! あ、それはともかく、超ヤバいんですけど! ゴリザック隊長達がタンタロズに捕まったんですけど!」


 ジンフリードは一体、何人のマーテル王国の兵士を引き連れて、ここに――オーク共の根城にやって来たんのやら——。


 さて、そんなジンフリードが引き連れてきたマーテル王国の兵隊のひとりが忙しなく氷室内に駆け込んでくる――む、金髪ガングロのまるでギャルのような女兵士だ。


 ん、ゴリザックとかいう隊長を筆頭とした複数人のマーテル王国の兵士がタンタロズに捕まった…だと…⁉


 返り討ちに遭ったのか……うん、多分、そうだ。


 タンタロズやオーク共をナメてかかったんだろなぁ、きっと。


「あ、忘れていた。あたしはオーク共に追われていたんだコトを……テヘ☆」


「アルシア、お前って女はーッ!」


 な、何ィィ! オーク共に追われている…だと…⁉


 あ、ああ、なるほど、だから忙しなくここへやって来たワケだ。


 そういえば、タンタロズの配下であるオーク共はまだまだいるんだったな。


「あ、いたぞ! あの派手な人間の女がァ!」


「ヌ、ヌアアッー! あの女の仲間が俺達の食糧庫を荒らしやがっている!」


 ト、トラブルメーカーッ! オーク共がガングロギャルのような女兵士ことアルシアを追いかけて氷室内に駆け込んでくる。


「おい、お前達、オーク共を叩き潰すんだ!」


「「ヒ、ヒイィィッ!」」


「お、おい、怯むな! 怯むなァァ……オラァ!」


「オッサン、けっこう強いじゃん!」


「お前も戦え、アルシア!」


「えええ、あたしもー……面倒くさいから却下! だけど、その代わりとばかりにイイコトを思いついたかも!」


「そ、それはなんだ、早くしろ!」


「そこにいるダサくて地味~な魔族さんの力を使うんですよ……うわ、近寄るな! キモい!」


「お、俺の力を使う…だって…⁉ つーか、ダサいとか地味って言うな!」


 む、ジンフリードもアルシアも意外と強いな。


 オーク共の気迫に驚いて怖気づいてしまった他のマーテル王国の兵と打って変わり、襲いかかってくるオーク共を次から次へと叩き潰している。


 ちなみに、ふたりは魔術でオーク共を叩き潰している。


 ジンフリードは考古学者兼魔術師なのかも、そしてアルシアは魔術兵というモノかもしれないな。


 じっくりは見なかったけど、ジンフリードは青い光弾を、アルシアは赤い光弾を放ちオーク共を向けて撃ち放っていたな。


 そんなワケだから、別に俺は何もしなくても……。


「ウギギッ……つ、強いぞ、あのオッサン!」


「あの派手な女も……ええい、ならば別の対象を……お前を八つ裂きにしてやる!」


「わ、わああ、こっちに来るな!」


「おお、ピンク色の光弾を飛ばすなんて、やるじゃん、サキュラさん!」


「い、いつの間に? だけど、俺が放ったハート型の光弾を食らったオークはピンピンしているぞ⁉」


「うむ、だが、よく見ろ。お前の放ったピンク色の光弾を食らったオークの緑色の肌の色がピンク色に変色し、オマケの両目がハート型に変化しているぞ」


「え、ええ、何が起きたんだーッ⁉」


 オーク共には、俺が一番弱そうに見えたのか⁉


 多分、そうなんだろう。


 故に、俺を標的に数体のオークを襲いかかってくるのだが、俺の中の自己防衛本能が独りでに働きピンク色の光弾——魔術を使っていたワケだ。


 さて、俺が撃ち放ったピンク色の光弾を食らったオークの一体の様子が妙だ。


 悔しいけど、全然……クソもダメージを受けていないんだよなぁ――が、オークの特徴的な緑色の地肌がピンク色に、そして両目がハート型に変化する。


 やれやれ、俺の攻撃を受けたことで、一体、何が起きたのやら――。


「ご……す……ず……ご主人様……おでに……命令を……ブヒ、ブヒヒッ!」


「ど、どういうコト?」


「うむ、誘惑光弾の効果だろう。まあ、とにかく、奴に何か命令してみるんだな」


「お、おお……」


 う、ご主人様だって⁉ 


 そう肌の色が緑色からピンク色に、そして両目がハート型に変化したオークが、そんな妙なコトを言い始める……誘惑光弾の効果⁉


 よ、よし、何か命令してみるか!

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