表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
736/836

外伝EP13 サキュバスに転生したんですけど、何か問題でも? その9

 登場人物の紹介


 ・サキュラ——スタイルはいいけど、ダサくて地味なサキュバスに転生してしまった名を忘れた現実世界の人間。

     

 ・デュシス——栗鼠の姿をした賢者(?)。そしてエフェポスの村の有力者。


 ・クロウサヒコ——エフェポスの村の平和を守護るエフェポス警備隊の隊長を務める兎獣人。

  

 兎天原——特に東方、南方には、ウサルカ文明と呼ばれる古代文明絡みの古代遺跡が集中している。


 故に、俺が今いる兎天原東方にある村のひとつであるエフェポスの村には、ウサルカ文明の謎を解き明かそうと躍起になる考古学者達が、多数、滞在していたりするワケだ。


 その一方でウサルカ文明絡みの古代遺跡を荒らすコトが目的の盗賊の類もチラホラと見受けられるそうだ。


 危険である故、発掘がままならない古代遺跡、未発掘状態の古代遺跡も数多、存在しているせいもあるんだろう。


 で、俺——夢魔のサキュラが、エフェポス警備隊の連中+αと一緒に向かっているドリルルの森も、例外なくウサルカ文明絡みの古代遺跡が存在している森ってワケだ。


 しかし、ここには村人の七割を占めるエフェポスの村の村人達――獣人を食らう悪鬼ことオーク共の根城も存在しているので、一言で説明するなら〝危険区域〟である。


 さぁて、そんなドリルルの森のすぐ側までやって来たけど、どうなるコトやら――。


「お、来て早々、でっかいタケノコのような岩が目の前にあるぞ」


「ああ、コレは黎明の奇岩って呼ばれてる。ドリルルの森の入り口を示すモノさ」


「どうでもいいけど、変な音が聞こえます。ま、まさか……」


 大きさは大体、四、五メートルはあるんじゃないかな?


 そんな岩のタケノコが、ズドーンッ——と、俺の目の前にそびえ立つ。


 へえ、黎明の奇岩と呼ばれているのか、そしてこの先が、件のドリルルの森のようだ――ん、変な音が聞こえてきた? 


 あ、ああ、確かに……って、もしかしてドリルルの森に潜むオーク共のお出ましか⁉


「あ、ダサい服を着た人間がやって来たぞ」


「違う違う。アレは魔族だって。ん~……かけている眼鏡もダサいね」


「魔族……ああ、人間に近い姿をしているもんなぁ」


「ちょ、ダサいって、もしかして俺のコトかーッ!」


「「は、アンタしかいねぇーだろう!」」


「ヌ、ヌアーッ!」


 う、ううう、ダサいって言われた。


 黒いジャージ上下に黒縁の眼鏡——という見た目は、ダサい要素ありありって感じなんだろうか?


 とまあ、そんな俺としては腑に落ちない物言いをするヘルメットをかぶった喋る狸と狐が現れる。


 足音の正体はコイツらか?


「タヌキチ、コンキチ。偵察、ご苦労!」


「あ、隊長、カメキチがいないッスよ」


「確かに……もしかして捕まったとか?」


「そのまさかだよ、隊長。あの野郎、鈍間だからなぁ……」


「ま、アイツのおかげでオーク共の根城を発見できたんだけどな」


 ヘルメットをかぶった狸と狐の名前は、タヌキチとコンキチというらしい。


 で、どうやらエフェポス警備隊の斥候のようだ――ん、カメキチというモノもいるようだけど、ソイツはオーク共に捕まってしまったようだが、そのおかげでオーク共の根城の発見に繋がったっぽいぞ。


「よォし、根城がわかったワケだ。早速、乗り込むぞ!」


「では、案内しますね」


「ああ、そういえば、森ン中は岩のタケノコだらけだったな」


「おっと、忘れるところだった。岩のタケノコは、この森に棲む獣人仲間の住処としても機能しているんだ」


「鼠とか栗鼠とか、どっちかっていうと小型の獣人の?」


「お、よくわかったな。ダサい魔族の姉ちゃん」


「ま、まあ、そうかなって思ったワケだし……」


 そうそう、忘れちゃいけない。


 ドリルルの森の中は、ここが入り口である――というコトを指し示す巨大な岩のタケノコこと黎明の奇岩と似た、或いは似て非なる形状の岩のタケノコが、あっちこっちに見受けられる森だってコトを。


 ついでに、岩のタケノコこと奇岩は、鼠や栗鼠といった小動物系の獣人達の住処でもあるようだ。


 なんだかんだと、利用するのに適しているのかもなー。


「さ、オーク共の根城を見つけて、コイツをぶち込んでやる!」


「導火線のついたメロン……う、それってもしかして爆弾⁉」


「フフフ、よくわかったな。コイツがあれば、奴らを一網打尽にできると思わないか?」


「ま、まあ、そうだな。爆弾でチュドーンとオーク共の根城を吹っ飛ばせるコトができればな……」


 ば、爆弾…だと…⁉ だけど、その形状は人間の大人の拳ほどの大きさのメロンのカタチをしている。


 とにかく、そんな物騒なモノをクロウサヒコが所持している。


 さて、巨漢なオーク共に対し、小型の兎獣人であるクロウサヒコが、真っ向から対峙するのは危険である。


 故に、コイツをオーク共の根城にぶち込めば、兎獣人であるクロウサヒコであっても、奴らを一網打尽にはできるだろうな。


「あ、そうだ。爆弾はコイツだけじゃないんだ。一応、渡しておく」


「導火線のついた人参? 人参型爆弾か……と、とりあえず、貰っておくか」


 人参型爆弾も所持していたのか――クロウサヒコの奴、爆弾を何個所持しているんだか。


『爆弾でオーク共の根城を爆破する気だな。クククク、考えたモノよ』


「ひゃあ、変な声が聞こえてきました!」


「あ、ああ、確かに……だ、誰だッ! 姿を見せろォォォ~~~!」


「わしなら、ここにいるぞ」


「わ、わあ、オークが出たーッ!」


「ま、待て! 鼻はデカいけど、肌は緑色じゃないぞ」


「鼻がデカくて悪かったな。わしは人間だ。下賤なオーク共と一緒にするんじゃない」


 薄汚れた黄色い外套を羽織った鼻の大きなオッサンが、ヌゥと突然、俺の背後に現れたぞ……な、何者だ⁉


「さて、お前らのような連中が来ると困る。奴らは、このわしの使い魔のようなモノだからな」


「オーク共が使い魔⁉ あ、その顔は……わ、わわわッ!」


「メリッサが消えた……う、なんだ……す、凄く眠くなってきた……う、うう、もうダメだ……」


 鼻の大きなオッサンは、オーク共を自身の使い魔だ――そう言ったぞ、間違いなく!


 もしかしてオーク共を操る黒幕的存在なのかも――と、思った矢先、俺の隣にいた筈のメリッサの姿が、突然、消失する……な、何が起きたんだ、一体⁉


 で、それから間もなくである俺を強烈な睡魔が襲う!


 ダ、ダメだ、意識を保っていられない……チ、チクショー! 一体、何が起こったんだ……何が……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ