表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/836

EP9 俺、巨人族の少女と出逢う。

 登場人物紹介


 ・ピルケ――古代遺跡に眠っていたミイラ女。

「お、おい、いつの間にプールなんか!?」


「兄貴は気づいてなかったんすか? 元からプールは〝あった〟っすよ。」


「え、マジで!?」


「ひゃっはっは、しかし、セレネーの泉と繋がっていたとはなぁ、このプールは!」


 兄貴は何も知らずに、ここを――ディアナスの樹海の入り口のところにある元ラーティアナ教の教団施設の廃墟をアジトに据えたんだろうか?


 俺はここに住み始めてから、色々と探ってみたけど、蔵書数が数百冊にも及ぶ図書室なんかもあるし、オマケに今でも普通に使えるキッチンが備わった喫茶店のような場所も見つける。


 さて、アジトこと元ラーティアナ教の教団施設の廃墟の庭には、朽ちたプールがあったのでメリッサ達、使い魔と一緒の改修して、再び使えるようにしたワケだ。


 と、そんなプールだけど、ディアナスの樹海の中にセレネーの泉という場所と水道で繋がっていたようだ。


 で、エフェポスの村に帰らず居候しているフレイヤの話じゃ、名水百選に選ばれるほどの水が湧き出す場所とのこと――。


 さてさて。


「うはー、肉のない俺の肉体を潤してくれる最高の水だぁ!」


「この水に浸かっておれば、わらわの身体は干乾びることはないのう。それになんという美味い水だ!」


「ですね、本当に美味しい水です! お姉様もそう思うでしょう?」


「あ、ああ……。」


「ん、どうしたんだ? キョウ姐さんはプールの中の入らないのか?」


 うーん、俺は別に水が嫌いな猫のような人間ではないのだが、どうも入り辛いんだよなぁ……。


 何せ、黒一点であり、動き回る骸骨であるアシュトンを省くと、その他はみんな目のやり場に困る水着姿なんだよなぁ……。


 まったく、身体は女でも、心は男のままというのは難儀な話だぜ……。


「あ、知ってます? 最近、エフェポスの村の近くで巨人族を見かけたって話を――。」


「知らなかった、そんなこと……え、巨人っているんだ!」


「そりゃ当然です。ここからだと北北西にあるヨートゥンヘイムという山岳地帯に巨人族の集落があった筈です。」


 と、メリッサがそんなウワサ話を……へ、へえ、流石はファンタジーな世界だな。


 この世界には、当然とばかりに巨人族も存在しており、ヨートゥンヘイムという山岳地帯に集落があるみたいね。


「巨人族かぁ、大きさは俺達人間の何倍なんだろう? 気になるところだ。」


「しかし、珍しい話ですなぁ。巨人族をヨートゥンヘイム以外で見かけるなんて……う、何か悪いことが起きる前兆だったりして?」


「巨人族は大昔に神々に倒し、世界の支配権を握ろうとしたという伝説がありましたね。」


「へ、へえ、そうなんだ?」


「はい、そんな伝説もあって怖がられているんですよね、連中……。」


「この世界の連中は信心深いなぁ……。」


「そうなんですよぉ、困ったものです。巨人族はナリはでかいが平和主義者が多いのに……。」


「え、平和主義者が多い……け、獣も身体がでかいモノほど大人しいというけど、まさにってヤツか!?」


 巨人族はかつて神々を倒そうとしたって!?


 俺が本来いるべき世界の神話にも同じような話があったなぁ。


 とはいえ、それは神話の中で繰り広げられた架空の話ではあるが――。


「そうそう、ウワサの巨人族ですが、どうやら十六、七歳の少女の姿をしていたそうです。んで、〝魔法使い〟を探していたそうです。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ