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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP11 雪の女帝とホッキョクグマ その24

 亡霊に憑依されるってコトは、肉体変化もアリってコト?


 うーん、目の前にいる兎獣人……ウサキチだっけ?


 コイツの耳が……触手みたいな形状に変化したんだが……。


 おいおい、本当に憑依しているのは亡霊とは別物なんじゃないのか⁉


 ワケのわからん言葉……理解不能な呪文に聞こえる奇々怪々な言葉を言っていたしな……。


「いあいあいあァァァ~~~!」


「うう、気持ちが悪い! つーか、何故、耳が蛸や烏賊の触手みたいな形状になるんだよ!」


「あ、わかった! きっとスノーゴーレムの亡霊に憑かれているんだ!」


「そ、それはあり得るわね」


「スノーゴーレム? 冬季限定の魔物だっけ、ソイツ? まあいい、私が援護する。だからウサキチをぶん殴れ!」


「え、援護するって⁉ わあ、火縄銃で射撃するのかよ。当たり所が悪いと死んじまうぞ、おい!」


「いいんだよ、細かいコトは!」」


「む、むう、マジで知らないぞ、おい……ウリャー!」


 ドリスの仲間を助けたいって気持ちはわかるけど、火縄銃なんてモノでドーンと射撃してみろよ?


 下手したら死ぬぞ、対象のウサキチが……。


 うーん、とにかく、ドリスが援護するって言うんだ。


 触手みたいにウネウネと蠢く耳をぶん回すウサキチって名前の兎獣人をぶん殴って奴の身体に憑依している亡霊を追い出してやる!


「ウサキチ、少し痛いが我慢しろよ!」


「ド、ドリス……マジで撃つ気かぁ?」


「ああ、耳の形状がマジでヤバい形状になってしまったんだ。うん、多分、大丈夫だろう☆」


「そっかぁ、ドリスがそう言うなら大丈夫だろうね」


「ちょ、お前らッ! うおわ、マジで撃ちやがった……ええい、俺も攻撃だ!」


 お、おわ、俺がウサキチとかいう兎獣人をぶん殴る前に、ドリスが携える火縄銃の銃口が、バンッ——と、轟音を立てながら、銃弾を放たれる。


「ぶぎゅる、ふぐるるるああああ!」


「な、何ィィ! 触手のような形状に変化した耳で銃弾の直撃を防いだ…だと…⁉」


「モ、モギャーッ! 弾いた弾丸が、俺の右足にィィ!」


「む、むう、跳弾したのか⁉」


 ギィンッ!


 金属音……ドリス愛用の火縄銃から放たれた弾丸をウサキチの耳……いや、触手が全身を覆うように展開する……き、金属化しちゃいないか⁉


 そのせいかは知らないが、弾丸が跳弾し、古代遺跡ぶっ壊し隊の仲間であるマスケット銃を背負った山羊の住人の右足の脛に直撃するのだった。


「アハハハ、悪い悪い……」


「わわわ、笑い事で済ますなァァァ~~~!」


「あ、危ない! マスケット銃を振り回すなって!」


「お、おいおい、仲間割れなんてやめろ!」


「外野は黙っ……ギャウッ!」


「グ、グエーッ!」


 鉄の触手……そう言っても間違いないウサキチの触手化した耳が、ドリスと右足の脛に跳弾した弾丸が直撃したけど、案外、元気そうな山羊の獣人を薙ぎ払う!


 ああ、ドリスなんて空中でスピンしながらぶっ飛び頭から地面に落下したぞ!


 さて、なんだかんだと、コイツのコトを怪獣触手兎と呼ぼう!


「ギ、ギギギガーッ!」


「う、今度は俺を薙ぎ払う気だな! グ、グワーッ!」


 ぬう、俺がそう言った直後である。


 触手兎の耳——いや、二本の触手が左右から、空を裂く音を奏でながら、俺を標的に襲いかかる……く、直撃だ!

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