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EP8 俺、古代文明の遺跡で動くミイラと出逢う。その6

 登場人物紹介


 ・デュオニス――ウェスタの甥

「ふ、ふんぬー!」


「アシュトン君、そんなに力を込めたら折れちゃいますよ。その全身甲冑の下は骨々な身体なんだし……。」


「そうですよ。そんなに力を出すと石棺を壊してしまい兼ねません! その前に全力を出さなくても、今の私達なら、これくらいの重さの物体くらい容易に押し退けられます、とりゃー!」


「「お、お前が一番、力を込めているだろ、メリッサ!」」


 ま、まあ、何はともあれ、普通の人間の力ではビクともしない巨大で重い石棺が、メリッサ、ミネル、アシュトンの三人が力を込めて押すと同時に、ズズズッと地響きを立てながら動き出す。


 わお、あんなクソ重い物体を軽々と押せるような力が、本当に発揮されるなんて!


 <怪力>のカードで三人を強化した俺自身も驚きである。


「ひゃああ、石棺はマジで動いているよ!」


「うは、すげぇ!」


「凄い怪力っすね!」


 と、石棺の中の入り込んでいる兄貴とヤス、それにデュオニスも驚きの声を張りあげている。


「うおおおおおっ!!」


「アシュトン君、ストップ、ストップ!」


「か、階段が見えてきました! 空洞が本当にあり、そこへ降りるための階段が見えてきましたよ!」


「わあ、けっこう深いな。松明で照らしても底が見えないぞ!」


 メリッサ達はトンでもないパワーを発揮し、巨大で重い石棺を呆気なく押し退ける――む、本当に空洞が姿を現したぞ!


 オマケに、そんな空洞へと降るための階段も見受けられる――な、何か絶対にあるって感じだ。


「おい、空洞だってよ!」


「なんだと!」


「ヘヘヘ、俺が一番乗りだァァァ~~~!」


「お、おい、お前らっ!」


 我先にとばかりに、ドッと押し寄せてきた欲に駆られた連中が、石棺の下に現れた空洞の中へと駆け込む……ちょ、お前ら、順番は俺達の方は先だっつうの!


「まったく、みんな欲深いったらありゃしない! というか罠がないか心配じゃないのか……。」


「そういう心配が頭の中から完全に吹っ飛んじゃってるね、アイツら……。」


「欲望は怖いガウ!」


 欲望に駆られちゃいけないよなぁ……。


 空洞には明らかに人為的なモノ――階段が見受けられるし、絶対、何かあるんじゃないかって考えるべきだけど、それが頭の中から吹っ飛んでしまっているし、先行するかたちで空洞の中へと駆け込んだ連中は――。


「さてと、僕が連中の様子を……たぁー!」


「むう、紺色のブレザーと半ズボンに早変わりだと!?」


「僕の得意技のひとつさ! こんな女のコみたいな服をいつまでも着ていられるかっつうの! さて、僕の使い魔エイリ、一緒に空洞の中へ行くよ!」


「わ、狐!? いつの間に!」


 デュオニスの格好は、白いワンピースと麦藁帽子という格好から、ほんの一瞬で紺色のブレザーと半ズボンという格好に早変わりする。


 もしかして白いワンピースの下に着込んでいた? むう、そうは思えないような思えるような……とにかく、デュオニスはいつの間にか召喚していた使い魔だという狐のエイリと一緒に空洞の階段を駆け降りる。


「お姉様、私達も行きましょう!」


「おい、待てよ! まったく、度胸だけはあるなぁ……。」


 グラーニアは松明を右手に持ち颯爽とデュオニスの後を追いかける。


 さて、容姿が瓜二つということでグラーニアは、俺のことをお姉様と呼ぶようになったワケだが、生物学上、俺は彼女の妹になるんだよなぁ、この身体はグラーニアことリリス姫の妹に当たるエリス姫だしねぇ。

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