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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
524/836

外伝EP08 魔族に転生したんだけど、とりあえず仕事を探してみます。49

「一晩の宿泊料、十五万MGよ。」


「ちょ、泊まりませんってばぁ!」


「まあ、遠慮せずにィ☆」


「だが、断る……全力で!」


 ん、そんなやりとりが聞こえてくる。


 マモンとポノス……かな?


 うお、気づけば、俺はフカフカした最高に心地が良いベッドに横たわっているじゃないか!


 そ、そうか、俺は気絶して、この部屋に運び込まれたようだ。


「あ、ダーリンが起きたわ。」


「お、おい、一泊十五万MGってなんだよ! つーか、ここは……。」


「マモンセントラルホテルの505号室だよ、兄貴。ついでに、隣の部屋……504号室に件のターブス・ゴリケインらしき人物がいるようだ!」


「な、なんだってー!」


 ちょ、俺が気絶している間、そんなに近くまで――。


 と、とにかく、ターブス・ゴリケインを捕らえるための準備とばかりに、マモンセントラルホテルの505号室に身を潜めている状態ってところだな。


「さて、この部屋には秘密があってね。故に、ターブス・ゴリケインを捕まえるために身を潜めたワケさ。」


「な、なるほど、気絶していた俺を運び込んだのも、そのためだったのか!」


「さあ、その秘密を披露しちゃおうかな~☆」


 505号室には、何かしらの秘密があるようだ。


 故に、この部屋に身を潜めることとなったようだけど、それは一体――。


 その前にマモンって、いつの間に俺達の仲間に……。


 まあ、とにかく、505号室の秘密ってモノがターブス・ゴリケインを捕まえるための鍵になりそうなので、それを披露してもらわないとな。


「ん、なんだ、壁が透け始めた……わ、ゴモリーとモロクだ。」


「オマケに、如何にもキザな色男がいるわね。」


「ターブスだわ!」


「そ、それはともかく、向こう側には俺達の姿が見てないようだな。」


「見えなく当然よ。何せ、505号室は他の部屋の様子を覗き見するためにつくられたへだしね。」


「そ、そうなんだ……って、悪趣味だなぁ。」


「マモンさんってストーカーみたいで怖い!」


「ちょ、悪趣味とか人聞きの悪いことを言わないでもらえるかな! まったく、ド貧乏な連中は何もわかっていないから困るわね。」


「ええと、莫大な財産を守るための監視室ですか?」


「正解! そこの巨乳ちゃんはわかっているじゃない☆」


「巨乳ちゃんじゃありません! 私の名前はグラーニアです。あ、何故、この部屋が監視室だってことがわかったのかというと私の実家も財産を守るために強固な監視を目を光らせていたので、もしかして!……と、思ったんです。」


「む、むう、とにかく、この部屋の仕掛けがわかったから、俺は満足だ。」


 505号室は他の部屋を覗き見するための部屋のようだ。


 所謂、監視室ってヤツだな。


 うむ、なんだかんだと、幻想世界である兎天原とはいえ、こういうセキュリティシステムがある部屋は必要不可欠だろうね。


 マモンのような莫大な財産を保有するモノにとっては――。


 ちなみに、505号室の壁はすべて覗き見魔鏡という仕掛けが施されているようだけど、それを扱えるのは、マモンセントラルホテルの営業主であるマモンのみなんだとか――。


「あ、ゴモリーとモロク以外、それにさっきの笛吹き少女の他にも魔族がいるみたいだ。」


「頭の天辺から両足の爪先までを隈無く覆う全身甲冑で身につけた騎士ってところかな?」


「アイツはエリゴル。あんな重厚な全身甲冑を身につけているけど、中身は可愛い女のコよ。」


「え、それは本当なのか……わ、笛吹き少女! 何故、この部屋に⁉」


「私はアムドゥスキアス。アムって呼んでね、お兄様☆」


「お、おう!」


 うお、あの笛吹き少女が505号室内に!


 で、アムドゥスキアスと名乗り、馴れ馴れしく話かけてきたんだが、いつの間に仲間になったんだよ、コイツは――。


「お兄様って、おいおい……。」


「むう、じゃあ、私のことはポノスお姉様とお呼び!」


「はい、ポノスお姉様!」


「よしよし……っと、そんなことより、アンタってターブス・ゴリケインの部下じゃないワケ?」


「部下というか金で雇われた用心棒ですよ。ほら、ウチら魔族って真っ当な仕事よりも、ターブスのような〝ワケあり〟な人物の用心棒とか、そっち系の商売を専門の方が向いてるじゃないですかぁ、お姉様。」


「ああ、確かにねぇ。」


「つーか、俺的には真っ当な仕事に就きたいんだが……。」


「あ、そうだ、お兄様、お姉様。ターブス・ゴリケインを捕まえる手伝いをしましょうか? そこにいるワンちゃんにも仲間にならないかって説得されたことだし――。」


「私はワンちゃんではない、狼だ! まあ、確かに説得を行ったぞ。戦わずして敵を攻略する――と、そんな兵法もあることだしな。」


 アムドゥスキアスことアムに懐かれてしまったぞ。


 まあ、悪い気はしないな。


 何気に可愛いコだしね……うわ、ポノスと俺の首にマフラーのように巻きついているキングコブラのサマエルが睨んでいる!


 それはともかく、アムが一緒にいる理由は、彼女がワンちゃんと呼ぶダハーカ教授に仲間にならないか――と、説得されたからのようだ。


 むう、しかし、アムが呆気なく裏切ったところを見ると、ターブス・ゴリケインってヤツは、信頼できる要素がまるでないクソ野郎なのかもしれない。


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