EP1 俺、魔女になります。
「ここはケモニア大陸のど真ん中のある兎天原という地域みたいだな。」
俺は目の前の机の上に広げてある地図をジッと見つめながら苦笑する……むう、やっぱり、ここはに日本じゃねぇな。
「ケモニア大陸はトンでもなく広大な大陸なんだぜ。この俺でもわからんことばかりの大陸なんだ!」
「てか、兄貴は行動範囲が狭いっす。そんなワケで兎天原の外にすら出たことがないじゃ……。」
「う、うっせぇ! とにかく、俺の言うことを素直に聞いてりゃ万事抜かく物事が進むんだよ!」
「うわ、メチャクチャ言い出した!」
「お、おう、わかったぜ、兄貴!」
ま、まあ、兄貴の言うことには耳を傾けておくかぁ……メチャクチャだけど。
「さて、着替えが済んだようだな。」
「うん、兄貴って人間用の服もたくさん持っているんだな。」
「まあな! いつか人化の法を覚えて人間になれる日が来ることを考えて集めていたってところさ!」
「へえ、人間になれる術みたいなものがあるんだぁ。でも、女物ばっかだなぁ。」
「な、何か文句でもあるのか!」
「ん~ま、それはともかく、そこにある鏡に映ってる俺ってさ、美人だよな! うへへへ……。」
兄貴は人化の法とやらを覚えて人間になりたいと思っているみたいだ。
だから、せっせと人間用の服を集めているようだ。
でも、女物ばかりだ……兎だから人間の衣服に関して無頓着なのかな?
それとも、〝そういう趣味〟なのか……。
それはともかく、俺は今、兄貴とヤスのアジト内にいる。
んで、鏡に映った自分の姿に思わずうっとりとしてしまうのだった。
「お、俺はナルシストなのか!」
俺は水に映った自分自身の姿に恋をしてしまったギリシャ神話に出てくる美青年ナルッキソスか!
とにかく俺は、ウホッ! イイ女――と、気品に満ちた容姿端麗な今の姿を見て言ってしまいそうになる。
ちなみに、胸の方は並みかな? 適度な大きさって感じかな?
後、髪の色は艶のある黒、瞳の色は兄貴やヤスのような兎と同じ赤いの特徴的だろうか?