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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
489/836

外伝EP08 魔族に転生したんだけど、とりあえず仕事を探してみます。14

「あれぇ、ウサエル長老じゃないですか! 何故、アナタがここに?」


「まあ、色々あってのう。」


「あ、キョウの使い魔のゾンビちゃんも一緒じゃないか――。」


「ゾンビちゃんじゃありません! メリッサですー……って、ゾンビなのは間違いないんですけどね。」


「さてと、ピコポンを回収しに来たぞ。おーい、皆の衆、俺の工房に運ぶぞー!」


「「おう!」」


 武装しているとはいえ、流石に小動物であるアライグマのウルカヌスのみで、俺が仕留めた巨大な雄鶏の姿をした魔獣ピコポンを回収しにやって来るワケがないか――。


 そんなワケでウルカヌスと一緒に大きな荷車を運ぶ一頭の馬と一頭の牛の姿が見受けられる……むう、喋ったぞ、コイツら。


 だ、だが、もう驚かんぞ! もう獣が当たり前のように喋る世界にいるんだし……。


「ヒヒヒーン、俺の名前は名前はメズキンだ。」


「俺はゴズキンだモー。」


「コイツらは俺の従者でなぁ。元々は……と、それはともかく、持って来た荷車にピコポンを乗せるんだ。」


「「へい、親分!」」


 喋る馬はメズキン、そして喋る牛はゴズキンという名前のようだ。


 で、コイツらからウルカヌスは親分と呼ばれているようだな。


 さてと、ウルカヌスが持ってきた荷車に仕留めたピコポンを巨大を乗せる手伝いでもするか――。


「ヒヒヒーン、獣人化だ、ゴスキン!」


「了解だモー! うおーッ!」


「な、何ィィ!」


「ダーリン、獣人なんて珍しくないじゃん。」


「俺にとってはトンでもなく珍しい光景だ!」


 む、喋る馬ことメズキン、そして喋る牛ことゴスキンの首から下が人間のような状態――二足歩行で行動できる状態と化す。


 コ、コイツら、獣人化できるのか……これまた驚きだぜ。


「何、驚いているんだよ、魔族の兄さん。」


「俺達って珍しい存在なのかモー?」


「いや、そういうワケでは……。」


「しかし、そう驚かれると照れちまうぜ、ブヒヒン……。」


「つーか、兄貴ィ、いい加減、人化の法を習おうぜ。単に二足歩行で行動できる状態に変身できただけだしなぁ……。


「う、うむ……。」


「人化の方ってなんだよ?」


「五体を完全なカタチで人間の姿に変身させることができる術みたいなモノよ、ダーリン。この世界じゃ、そんな人化の法に憧れる連中が多いみたいだわ。」


 獣人化し、二足歩行で行動できる状態以上の変身術があるようだ。


 それは完全なカタチで〝人間〟に変身できることである。


 ふーん、オマケにポノス曰く、人間に変身できること術――人化の法を行使できるモノに対する憧れるモノも多いそうだ。


 うーむ、人間の姿に変身できるってことが、そんなにイイコトなのか、俺にはさっぱりだぜ。


「しかし、魔族とはいえ、兄さんは人間そっくりな姿だし、羨ましいことこの上ないモー。」


「え、そうかぁ?」


「ヒヒーン、そんなことより、ピコポンを荷車に乗せるのを手伝えよ、お前ら!」


「お、おう……って、既に荷車の上に乗せているじゃないか!」


「ブヒヒヒン、確かに……俺って凄いパワーだな!」


「そ、その調子なら人間に変身するよりマシな気がしてきたぜ。」


 メズキンはトンデモない怪力の持ち主のようだ。


 たったひとりで巨象のように巨大な雄鶏の姿をした魔獣ピコポンを荷車の上に乗せてしまったワケだし――。


 なんだかんだと、手伝い不要となったな。


「さてと、そろそろ来てる筈だな。」


「親分、マジですか!」


「じゃあ、早く戻らないといけないっすねモー!」


「あ、訊いてなかったけど、アンタの鍛冶工房兼ホテルに来る集団って、どんな連中なんだ?」


 そういえば、ピコポンを狩れるって仕事に集中し、どんな連中が鍛冶工房兼ホテルにやって来るのか訊いていなかったな。


「ん、もしかして獣人飛行隊の連中ですか、ウルカヌスさん?」


「ビンゴだ、ゾンビちゃん。新事業を始めるから、その祝賀会を始めるんだとか――。」


「獣人飛行隊⁉ ソイツらは獣……獣人化できる獣ばかりで編成された軍隊のような感じでいいのか?」


「軍隊じゃなくてギルドかな? ああ、その名の通りの連中さ。」


「ギ、ギルド……組合ってところか?」


 ほう、そんな連中がいるんだ。


 で、ソイツら新事業を始めるので、そのウルカヌスの鍛冶工房兼ホテルで祝賀会をねぇ……。


「あ、そうだそうだ。俺は件の獣人飛行隊の隊員でもある。」


「え、ビリーは獣人飛行隊とやらの隊員なのかぁ。」


「ま、そんなワケだ。で、隊長のヤマダがお前達を紹介しようと思っている。新しい隊員を募集中だった筈だしな。」


「あら、それはありがたい申し出かもね、ダーリン。」


「うむー。」


 喋る陸亀ことビリーは、件の獣人飛行隊の隊員でもあるようだ。


 お、なんだかんだと、そんなビリーはありがたいことを言っているぞ。


 獣人飛行隊が新隊員を募集かぁ。


 仮に入隊できた場合、恐らく新事業の方に回されるんだろうなぁ――と、予想してみるか!

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