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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
482/836

外伝EP08 魔族に転生したんだけど、とりあえず仕事を探してみます。7

「私の名前はビリー・ザ・タートルだ。よろしく頼む!」


「お、おう、こちらこそ!」


 テンガロンハットをかぶった陸亀が喋る……も、もう驚かんぞ。


 さて、ガラパゴスゾウガメかな、コイツ。


 俺が甲羅の上に乗っても歩行に支障が生じることがないくらい大きな亀だしな。


「ビリーは〝ああ見えても〟も射撃の達人なんだ。役に立つぞ。」


「そ、そうか、それはありがたい!」


 へえ、射撃の達人なのか……い、意外だ!


「ん、ウルカヌスは一緒じゃないの?」


「俺はここで待っているのが仕事だ。何せ、オーナーだからな。」


「は、はあ……。」


「そうだ、コンザエモンとタヌキチが先にピコポンの生息地へ行っている。アイツらと強力してピコポンを狩ってくれ。」


 むう、なんだかんだと、アンタも一緒に来いよってヤツだ。


 さて、先行してピコポンの生息地に行っている従業員がいるっぽいな。


 仕方ねぇ、気が乗らないが後戻りができない状態だし、行くしかないな、こりゃ……。


「ああ、ちなみに、ピコポンの生息地は、このホテルの北にあるんだ。」


「お、おう、そうか……案内を頼む。」


 ふむ、俺達が今いるログハウス――ウルカヌスの鍛冶工房兼ホテルの北にピコポンの生息地があるようだ。


 喋る陸亀ことビリーに早速、案内してもらおう。


「とりあえず、この短剣だけでも持っていくか――。」


 さ、武器庫にいるワケだし、何か武器を……よし、テーブルの上に置いてあるこの短剣に決めた!


「フフフ、お目が高い。ソイツはきっと役に立つ筈だ。」


「そうかい? じゃあ、ありがたく使わせてもらうぜ。」


「おーい、行くぞ。私の後について来たまえ。」


「か、亀のクセに意外と歩くのが早いな。もう外のいるぞ、アイツ……。」


 亀はノロノロと歩く鈍くさい動物だと思ったけど、ビリーという喋る陸亀は意外にも素早いようだ。


 俺が気づいた時、既に鍛冶工房兼ホテルの武器庫の外に移動していたワケだし――。


「よし、みんなそろったね。ピコポンの生息地は、さっきも言ったがウルさんの工房の北にある。」


「ああ、それはわかっているが、件のピコポンを狩って何をするんだ? ひょっとして巨大なローストチキンでもつくるのか?」


「ん、ウルさんはそのつもりらしい。どうやら今夜、団体客が来るらしいからね。」


「へえ、そうなんだ。」


 なるほどねぇ、団体客が来るんで、そのオモテナシとばかりに、巨大な鶏の魔獣であるピコポンのローストチキンを――とまあ、そんな目的がウルカヌスにはあるようだ。


 で、そんな時に、たまたまやって来たのが俺達である。


 やれやれ、上手い具合に乗せられちまったかもなぁ、あの喋るアライグマに……。


「ビリーさん! たたた、大変でやんすぅぅぅ~~~!」


「ん、タヌキチじゃないか……ん、コンザエモンは一緒じゃないのか?」


 ん、鎖帷子を身に着けた一匹の狸が、俺達のもとに全速力で駆け寄って来る。


 コイツが先行してピコポンの生息地に向かったというモノのひとり……一匹であるタヌキチのようだ。


 しかし、何故、戻ってきたんだろう……トラブル発生ってか⁉


「ビリーさん、コンザエモンがピコポンに食べられてしまったでやんす!」


「何ィ、油断したな、アイツ! だが、食べられて間もないなら助けることができる筈だ。さあ、こうしちゃいられない……行くぞ、ついて来るんだ!」


「お、おう……って、凄い足の速さだ!」


「は、はい、凄い足の速さですね! 兎である私でも、あの速さには追いつけませんね……。」


 ビリーって本当に亀なのか?


 サバンナを疾風のように駆け抜けるチーターの如き勢いで、巨大な鶏の姿をした魔獣ピコポンの生息地があるウルカヌスの鍛冶工房兼ホテルの北へと向かうのだった。

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