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EP6 俺、異世界からやって来た仲間を得ます。その7

「え、アグリッピナ様の命令だよ。ここに彼女が探している〝子熊ちゃん〟がいるって聞いてねぇ。」


 と、アシュトンは即答する。


 むう、やっぱりサキを探してここへやって来たのか、コイツ!


 オマケにメリッサがクソビッチと呼んでいたきな臭いが漂う人物であるアグリッピナ・マウソロスの名を口にしたぞ。


「わ、私を捕まえに来たのかガウ!」


「ま、そうなるかな? ああ、件のアグリッピナ様は、この俺が言うのもなんだけど、超お優しい方だから安心したまえ!」


「絶対に拒否するガウ! その言葉には裏がありそうだガウ!」


「ハハハ、裏がありそうだって? そんなワケないだろう、ウフフ……。」


 アシュトン、嘘をつけっ!


 その手に持っている巨大な網が先端についた長柄の棒はなんだよ!


「こうなったら実力行使だ! 俺はこう見えても強いんだぜ! 故に、ここへ単独でやって来たんのだぁぁぁ~~~!」


 むう、お前は歴戦の武将か!?


 とまあ、一瞬だけど、俺はそう思ってしまう。


 何せ、巨大な網が先端についた長柄の棒を頭上でぶん回す姿が、俺が本来いるべき世界にかつて存在した赤兎馬という名馬に跨がり、幾多の戦場を駆けめぐった三国志の英雄、関羽が愛用の武器である冷艶鋸という名の青龍偃月刀を振り回す勇姿を連想してしまったし……てか、俺も同じことをできそうだ。


 なんだかんだと、そんなアシュトンが頭上でぶん回しているモノが、先端に巨大な網がついているだけの軽くて細い木の棒なワケだし……。


「でやあああっ……ぶべぼっ!」


「ガウガウ! 子熊だからってナメんたなガウ!」


 あちゃ~……勢いだけってヤツだな。


 というか子熊とはいえ、サキは最強の肉食獣と言われる北極熊(ポーラーベア)だ。


 人間でも最弱の部類に入るっぽい気がするアシュトンの相手だと無類の強さを発揮する。


 と、そんなサキはシャッとアシュトンの顎を目掛けて跳躍し、突きあげるかたちで熊パンチが打ち放つ!


「ううう、この俺が一撃でKOとはな……や、やるじゃないか!」


「ニコニコ笑ってるんじゃねぇガウ! オラオラオラーッ!」


「ウ、ウギャー! 何故か反撃できん俺も可愛い教の一員になってしまった証なのかもしれん……ウフフフ。」


「か、可愛い教!?」


「件のアグリッピナ・マウソロスが教祖を務める新興宗教団体です。可愛いモノを愛でることをスローガンとして掲げています。」


「むう、教団名そのものって感じだなぁ……。」


 へ、へえ、アグリッピナって女は、ジュノー騎士団の騎士団長以外にも、そんな宗教団体を興しているのね……。


「ん、また誰か来たぞ。今日はこれで二度目になるなぁ。忙しない人間の来訪が……。」


「うわ、赤いボンネットをかぶったメスの獅子(ライオン)に跨った赤い日傘を差したフリフリした衣装を着た人間の女性っす!」


「あ、あの女は間違いない!」


「ま、間違いないって、どういうことだよ、ミネル!」


「アレが……アイツが件のアグリッピナ・マウソロスです!」


「ふえええ、まさかホントに来てたんですがァァ!」


 件のアグリッピナって女だと!?


 ソイツが単独で、ここへやって来たって言うのか……むう、意外というか、なんというか、とにかく、面倒くさそうな輩がやって来たのは確かだな!

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