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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
395/836

外伝EP05 迷宮図書館管理人と四十人の盗賊 その30

 「うーん、追い詰められたり、または一度やられると巨大化して復活する展開ってさ。ありきたりの展開だよね。」


「う、うん、まるで某特撮ヒーローの敵怪人みたいだね、沙羅さん……。」


「ちょ、何、その話?」


「説明してもわからないと思う。何せ、別世界……私が本来いるべき世界の話ですから――。」


 むう、敵が巨大化する展開は、まさにありきたりの展開である。


 私が知る某特撮ヒーローと敵対関係にある組織の敵も、毎度毎度、行うお約束な定番化した行為だしね。


 そんなワケで、私の目の前で起きたこと……死霊内蔵型人形兵共が合体し、巨大化したところで、ある意味で物珍しい光景ではない。


 ちなみにだけど、合体し巨大化した死霊内蔵型人形兵こと略して巨霊兵の大きさだけど、約二十メートルはあるだろうか?


「お、おい、今はべちゃくちゃ話している。そんな暇はないぞ! さっさと、そこから離れるんだ!」


「えっ……わああ、踏み潰される!」


 ふ、ふう、危なかった!


 サカラが声をかけてくれなかったら、私とアフロディーテさん……アイロディーテ、それに沙羅さんは、巨霊兵の巨大な右足の下敷きになるところだったわ!


「――ったく、この独活の大木め! でも、弱点の面積が広くなったかな、かな?」


「お、カルラ。何か思いついたのか?」


「まあね、相棒。利くかどうかがわからないけど、一応、やってみる。」


 ん、弱点の弱点の面積が広くなった⁉


 カルラの背中の見受けられる一対の赤い翼が、再び青白い炎をまとう……何をする気かしら?


「んんんー……君達ぃ、私の背中の翼――迦楼羅火炎天輪翼(かるらかえんてんりんよく)に破壊の(チャクラ)が溜まる間の時間稼ぎをお願いする!」


「は、はい……えええ、時間稼ぎですかぁ!」


「まあいいじゃん、愛梨。破壊の気が溜まるまで間くらいは、私らだけでなんとかしましょう!」


「うんうん、あっちゃんの言うことに賛成!」


 カルラの背中の見受けられる一対の赤い翼のは、迦楼羅火炎天輪翼という名称があるのね。


 で、そんな迦楼羅火炎天輪翼に破壊の気とやらが溜まるまでの間の時間稼ぎを頼まれるのだった。


「私も手伝おう。まあ、私がアレを破壊してしまう前の破壊の気とやらを溜めておくのね。」


「暇潰しだ。私も手伝おう。」


「「ごすずん、俺達も戦うぞ!」」


「はーい、じゃあ、私は見物していますね~☆」


 スカアハさん、それにヘラさんアシュペリウスと仲間の犬達が、自分達も時間稼ぎにつき合おうと言い出す……ちょ、ウェスタさん、アナタは見学ですかっ!


「愛梨さん、俺も仲間を呼んでみたであります。」


「ひゃ、ノネズミヒコさん……どどど、どうして、私の胸の谷間に!」


「まったくぅ、このエロ鼠! それより、仲間を呼んだ……ですって⁉」


 い、いつの間にか、私の胸の谷間に旧日本軍兵士のような格好をした一匹の鼠が……う、ノネズミヒコさんだ。


 し、しかし、なんで、そこにいるワケェ⁉


 アフロディーテさんと合体し、アイロディーテの姿になると、私の本来の年齢である十四歳+十歳というワケで二十四歳の姿になってしまうワケだ。


 そんな感じで〝大人〟の姿になるので、当然、胸の大きさも……ったく、だからって、なんでソコにいるのよ!


「お、それはともかく、〝来た〟であります!」


「あ、兎が乗ったラジコン戦車⁉」


「隊長じゃん!」


 むう、スケベ鼠……ノネズミヒコさんが呼んだ仲間っていうのは、ラジコン戦車のキャノピーのところから顔を出したヤマダシロウサヒコさんだ。


「よ、よし、これだけの面子がそろったんだ。時間稼ぎには丁度イイわね!」


 よ、よし、カルラの背中に見受けられる一対の赤い翼――迦楼羅火炎転輪翼に破壊の(チャクラ)が溜まるまでの時間稼ぎと洒落込みましょう!


「う、薔薇の香水の匂いがする。」


「アシュペリウス、こんな時に何を……。」


「本当ですよ、ごすずん。つーか、そんな薔薇の香水の匂いは、あのデカブツから……。」


「む、確かに、ほんのりと……あ、ひょっとして、あのデカブツの中に誰かが潜んでいたりして!」


 アシュペリウスが薔薇の香水の匂いがするって言い出す。


 うーん、アフロディーテさんも、ほんのりと匂うって言うけど、私にさっぱりだなぁ……。


 さてと、巨霊兵の中に何者かが潜んでいるんじゃないか――と、アフロディーテさんが、怪訝そうに言い出す。


 じゃあ、薔薇の香水の匂いって、まさか……。


 と、その前に、いつの間に、〝何者〟が巨霊兵の中に乗り込んだのやら……。



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