表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
393/836

外伝EP05 迷宮図書館管理人と四十人の盗賊 その28

「まったく、死霊を動力源の核の中にぶっこむとか、トンでもないことを考えつくわね。」


「うん、それは言える。でも、まあ、ああいう連中を操るのが得意そうだよね。」


「ちょ、一体、誰なんですかー!」


 うう、まったく、勿体ぶらずに名前を言ってくださいよ、まったく!


「ハデスさんよ、愛梨。」


「は、はぁ……って、誰です? 悪の権化みたいな人ですか?」


「ちょ、ウェスタさん、いきなりバラすのはどうかと……あ、でも、愛梨にはわからないからいいかな。」


「ククク、名前だけで悪の権化的な物言いをするのは、ちと可哀想よ。見た目だけなら、可愛いし……っと、別に守銭奴なだけで悪ではないわよ。」


「属性は、混沌で善って感じだしね。」


「は、はぁ……。」


 ふーん、死霊内蔵型(?)の人形の製作者は姿が可愛らしい!?


 オマケに、属性的に悪じゃない?


 なんだかややこしい人物像を想像するわ。


「なあ、どうでもいいけど、増えてないか?」


「うん、確かに……。」


「え、人形兵が?」


「何を言っている。そのまさかさ。」


 ムムム、気づかなかったかも……。


 刺客こと死霊内蔵型の人形兵が増えていることに……ちょ、いつの間にってヤツだわ!


「何体いるか数えていないうちに増援だなんて、まったく!」


「アフロディーテさん、数えていなかったんですかっ!」


 む、むう、バザー会場の北区画でアデプト団の怪しいオッサンを捕まえて保安官に引き渡した時には、ちゃんと数を数えていたのに、今回はそれをまったく……いい加減だなぁ、アフロディーテさんは――。


「む、九体いるわね。」


「ちょ、今、数えたんですか!」


「そうよ、何か問題でも?」


「いや、問題はないけどさぁ……。」


「つーか、さっきはもっと少なかったわよ。んー……きっと、あの中のお仲間を呼び寄せてるモノが混じっている気がするわ。」


「な、なんですってー!」


「さっきから気になっていたんだが、一人二役を得意とする芸人か、お前?」


「だー! 違いますってばー! その前に、どいつよ、仲間を呼んでる奴は!」


 私とアフロディーテさんは人格が独立しているので、そんなこんなで会話をする様は、まるで一人二役という芸風を得意とするお笑い芸人に見えて当然だよね。


 それはともかく、孤児院内にある魔導書の切れ端を奪い損ねた猫獣人を粛清しにやって来た刺客こと死霊内蔵型人形兵の中には、増援を呼び寄せているモノがいるようだけど、どいつもコイツも同じ不気味な三つ目が描かれたお面をかぶっているから見分けがつかないわね……。


「「キキィーッ!」」


「わああ、なんで私を狙ってくるのさァァァ~~~!」


「仕方がないわね! 飛鳥脚、うりゃー!」


 死霊内蔵型人形兵が一斉に、私を標的にするかたちで飛びかかってくる。


 ふえええ、なんで私を狙ってくるワケェ!


「ちょ、また増えてない?」


「うむ、増えているな。よし、俺も一緒に戦うぞ!」


「はいはいー! 私も戦います!」


 く、仲間を呼び寄せている個体を倒さないと無限に増え続けそうだわ。


 まったく、死霊内蔵型人形兵ってモノは、何体、存在するのよ!


「ごすずん! さっき言っていた仲間を呼び寄せている個体を私達が見つけますんで、〝ソイツ〟以外の個体の撃破をお願いします!」


「えっ……それじゃお願いするわ、アシュペリウスとお仲間のワンちゃん達!」


「「了解だ、ごすずん!」」


 そ、そういえば、アシュペリウスを筆頭としたワンコ達がいたわね。


 よ、よし、そんなアシュペリウス達に仲間を呼び寄せている死霊内蔵型人形兵を見つけ出してもらっている間に、私はアフロディーテさん、カルラ、サカラと一緒に、その他の死霊内蔵型人形兵を潰していかなくちゃ!


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ