EP6 俺、異世界からやって来た仲間を得ます。その3
「ああ、そうだ。ネメシス騎士団の連中が、何故かは知らんけど、サキを探していたなぁ……。」
「ネメシス騎士団だと!? ふむ、メイザースあたりかな?」
「てか、私達はそんなメイザースさんに死亡者扱いされてましたねぇ、ミネルさん。」
「うむ、あの新参者が騎士団長に就任したワケだし、そうなって当然だ。メリッサ、お前はともかく。私は目の敵にされていたしな……。」
あのネメシス騎士団がサキを探している!?
それにミネルとメリッサは除名扱い?
何やら内輪モメが起きているっぽいぞ。
「何か問題が起きているっぽいな。」
「はい、詳しい経緯はわかりませんけど、フレイヤさんに頼んで調べてもらったところ私とミネルさんは、ゾンビに殺害されて殉死したことになっているようです。」
「で、そんな私達を殺害したことになっているゾンビを倒した英雄的存在が、あのメイザースさんなんです。」
「そ、そうなんだ、へえ……。」
メイザースって、あのオッサンだよな?
しかし、酷い話だ。
ゾンビ化したとはいえ、メリッサとミネルは健在だというのに……。
「でも、いきなり騎士団長に昇進とかあり得るの?」
「ああ、無論だ。何せ、ネメシス騎士団は団員は、マーテル王国に属す騎士団の中では団員数十名の弱小騎士団だからね。」
「むう、弱小騎士団なんだ。じゃあ、大手企業のような騎士団もいるワケね。」
「大手企業? キョウ様は時々、妙なことを言いますね。まあ、大手の騎士団は存在しますよ、確かに――。」
ネメシス騎士団はマーテル王国に属す数多の騎士団の中では、弱小の存在のようだ。
何せ、団員が十名ほどらしいし――ってことは大手の騎士団の使いっぱしり的な存在なのかな?
「ん、私達のことはともかく、その熊ちゃんを探している理由は、恐らく〝あの女〟に命令されたからでしょうね。」
「あの女?」
「はい、サキちゃんのような可愛い生き物に目がない動物愛護騎士を自称するクソビッチです!」
「む、むう、なんだか嫌な感じがする女だな。んで、何者なんだよ?」
「ああ、〝あの女〟とマーテル王国に属す大手騎士団のひとつであるジュノー騎士団の騎士団長を務めているアグリッピナ・マウソロスのことです。」
むう、自称、動物愛護騎士だぁ!?
とまあ、そんなマーテル王国に属す大手騎士団のジュノー騎士団の騎士団長アグリッピナ・マウソロスに命令されたメビウス騎士団の連中が、サキを探しているっぽいなぁ。
しっかし、可愛い生き物に目がないというアグリッピナとかいう女は、一体、どんな輩なんだろう?
メリッサがクソビッチと言っているので、性質の悪い存在っぽいけど、その姿を拝見してみたいもんだ。
「なあ、そのアグリッピナってどんな姿をしているんだ?」
「ああ、俺が訊こうと思ったのに……。」
「まあいいじゃねぇか!」
「ん、アグリッピナですか? 年甲斐もなくフリフリした衣装を常に着ている派手な女ですね。」
「あの人を見ていると、ババア無理すんな! と、本気で言いたくなりますね。ま、実年齢よりはずっと若く見えますが……。」
「は、はあ……。」
と、年甲斐もなくフリフリした衣装を常に着ている派手な女!?
オマケにババア無理すんなって言いたくなる?
おいおい、余計に気になるじゃないか!




