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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
382/836

外伝EP05 迷宮図書館管理人と四十人の盗賊 その17

「莫迦だな、アンタ……。」


「莫迦? フフフ、それはわからないぞ。」


「フン、後悔しても知らないぜ、魔女BBA! 雷光の魔石を食らえ!」


「後悔するのは、お前の方だろう、それーっ!」


 う、アースは右手に握る放電する黄色い石をスカアハさん目がけて投げ放つ!


 と、そんなアースに対抗するようにスカアハさんは、折り紙の鶴を投げ放つワケだが、相対するモノが石と紙では勝ち目が……。


「ウ、ウオーッ! 折り紙の鶴が爆裂し、私の投げた魔石が爆風の奔流に巻き込まれて砕けてしまった! ど、どういうことだァァァ~~~!」


 紙が石に勝った……コイツは驚いたわ!


 アースが投げ放った放電する黄色い石が、スカアハさんが投げた折り紙の鶴と接触した途端、赤々とした炎を巻きあげ、そして轟音を奏でながら爆破し、跡形もなく黄色い石……いや、魔石を吹っ飛ばすなんて!


「な、何が起きたんです!」


「私にも教えろ、魔女BBA!」


「無論、見ての通り、媒体が〝石〟か〝紙〟かの違いだけってヤツさ。つーか、アースとか言ったな? お前が投げ放った魔石と同等……いいや、それ以上の威力を有する武器と化した折り紙の鶴を見てどう思う?」


「す、凄く意外です……ウ、ウギャー!」


 む、スカアハさんが投げ放った折り紙の鶴は、当然、紙が媒介ではあるけど、アースが投げ放った魔石魔術と同じ系統の魔術なのかも!?


 と、それはともかく、今度はアースの身体が爆破する。


 が、身につけている衣服が、黒いブーメランパンツを残し、ぶっ飛んだ程度なので、命には別状がないようだ。


「私を魔女BBAと罵った罰が、この程度で済んで良かったと喜ぶんだな! ちなみに、私は常に二十歳の肉体と美貌を維持しているつもりだ、覚えておけ!」


「そ、そうなんだ。でも、なんだか無理しているような……。」


「シッ……それ以上、言わない方はいいわよ、愛梨!」


「う、うん、そうだね。アハハハ……。」


「さてと、パンツ以外の衣服が破けちゃったけど、まだやる気?」


「あ、当たり前だ! 俺は男だっ……パンツ一丁でも気にしないで戦える!」


 むう、なんだかんだと、まだやる気のようね、アースは――。


 まあ、パンツ一丁というはしたない姿でも一向に戦意を失わないあたりは、やっぱり男だわ。


 仮に私だったら恥ずかしくて物陰に隠れているところよ……って、アースは痩せてはいるけど、腹筋が浮き出しているわね。


 所謂、細マッチョって感じかしら?


「覚悟しろ、魔女BBA! 私が魔石を使用した魔術だけが得意だと思ったら大間違いだってことを教えてやる……うらああっ!」


「く、この強烈な風の奔流は、まるで爆風⁉ ぎゃうっ!」


「あ、ああ、スカアハさん!」


「ちょ、アイツ! 地面に散らばっている小さな何かを蹴りあげたわ! あの爆風が、それが原因で発生したんだわ!」


 黒いブーメランパンツのみという一張羅なアースが、地面に散らばった小さな何かを大量にスカアハさん目がけて蹴りあげる。


 その刹那、小さな何かが赤々と光り輝くと、轟ッ――と、裂帛した轟音を奏でながら爆砕し、発生した衝撃波の奔流にスカアハさんは飲み込まれてしまう!


「ハハハ、俺の大事な衣装を台無しにしてくれた仕返しってヤツだ! テメェも下着姿になっちまえーっ!」


「むう、油断したわ。まさか地面に魔石をまき散らしているなんてね!」


「う、このっ! 服の下に対魔術防御が施された水着を着こんでいたのか!」


 むう、アースが蹴りあげたのは、事前にまき散らしておいた魔石のようだ。


 なるほど、そんな魔石が放つエネルギーの奔流が、衝撃波を発生させたワケね。


 さて、スカアハさんだけど、どうやら無事な様子だ。


 着こなしていた魔女のような黒いワンピースは吹っ飛んでしまったけど、その下に対魔術防御は施されたビキニタイプの水着を下着の代わりに着こんでいたことが幸いしたようだわ。


「う、魔女BBA、服の下に色々な武器を隠し持っていたのか、生意気だぜ。」


「念には念をってヤツさ。」


 対魔術防御が施されたビキニタイプの水着姿になったことで露となったのは、スカアハさんの身体が収納されたホルダーが見受けられることだ。


 所謂、暗器って隠し武器かしらね?


 ちなみに、右足の脹ら脛のところには、伸縮型っぽい槍が収納されたホルダー、左足の脹ら脛のところには、短剣が収納されたホルダー、右手には棒型の手裏剣、左手には十字型の手裏剣が収納されたホルダーが……。


 そして、スラリとくびれた腰には、先端がドリルを連想させる螺旋状の分銅がついた鞭のようの紐状のモノをベルトのように巻いている。


「ジッと見つめて、どうしたんだ? 私の身体に何か問題でも? あ、わかった……そういうことか!」


「そ、そういうことってなんですか!」


「ハハハ、隠さんでもいいぞ、クククク……っと、他にも私は武器を隠し持っているぞ。」


 ちょ、私が何を隠しているって言うんですか!


 変な勘違いしてませんかね、スカアハさんは……。


 それはともかく、スカアハさんは他にも武器を隠し持っているようだ。


 ま、まあ、あえて言わないけど、どこに隠し持っているかについての検討はつくわね。


 

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