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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
360/836

外伝EP04 ゾンビ考古学者と眼鏡少女 その39

「ヒ、ヒイイッ! ヘルプミーッ!」


「わ、どこに潜り込んでいるんです!」


「気にするな! さあ、アイツを倒してくれ!」


「む、むう、まあ、仕方ないわね。アテナをどうにかしないとヘラさんを屈服させられないし……。」


 ひゃっ! 小さな鼠が……いやいや、ノネズミヒコさんが、私の身体を駆けあがり、シャッ――と、私の胸の谷間に潜り込んでくる。


 む、むう、アイロディーテに変身すると、髪の毛の色が金色になる以外に、外見年齢が十歳上乗せされてしまうワケで、本来の私の年齢である十四歳から二十四歳の姿になってしまうせいかな?


 胸が無駄にデカくなってしまうのよねぇ……。


 まあ、そんなワケで小さな鼠獣人であるノネズミヒコさんにとっては、ある意味で最高の隠れ場所ってワケだ……って、このスケベ鼠!


「む、チビ眼鏡の娘とアヒルのアフロディーテが合体しただと⁉ く、なんて生意気な胸だ!」


「そこっ! 胸は関係ないでしょう!」


「まあいい、お前があの鼠を庇うなら、お前を叩き潰すまでだ!」


「ふ、ふえええ、やっぱりそうなるワケェェェ~~~!」


「うーん、アイツと戦うハメになるのは、ある意味で宿命なのかもしれないわねぇ……あ、でも、アイツを油断させる方法なら見つけたわよ、愛梨。」


「え、どういうことです⁉ あ、ああ、そういうことね!」


 チ、チビ眼鏡は余計だ!


 何気に背が低いことだけは気にしているんだからっ!


 それはともかく、鎧兜を身にまとった勇ましい戦乙女って感じの姿に変身した梟のアテナを油断させる方法をアフロディーテさんが発見する――と、私も一応。


「さてと、アテナ、ちょっといいかな……。」


「ん、降参したいのか?」


「まさかぁ、それはないわ。」


「フン、ならば何が言いたい?」


「そうね、アナタは〝その姿〟になるのは久し振りなんでしょう?」


「うむ、まさにその通りだ。私は基本的には梟の姿でいることが多いからな。」


「ウフフフ、だから忘れがちに……いや、隙をつくってしまうのよ!」


「なんだと!」


「ア、アテナさんでしたっけ? あのぉ、穿き忘れていますよ、スカートとかズボンを……。」


「えっ……キャ、キャアアアッ!」


 むう、人間の姿である戦闘形態に変身することが滅多にないんだろうか?


 そのせいかはわからないけど、アテナは穿き忘れているのよね、スカートとかズボンといった下半身に穿くモノを――とまあ、それが弱点である隙に繋がったワケだ。


「ニャハハハ、白と青の縞模様のパンツが丸見えよ!」


「み、見るなぁー!」


「ア、アフロディーテさん!」


「うん、今しかないわね……美神拳、夢幻脚!」


「ガ、ガアアッ……し、しまった!」


 ア、アハハハ……さ、流石に下着が丸見えの状態だってわかれば恥ずかしくてまともに戦えないわよね。


 ま、まあ、そういうことを『いんだよ、細けぇことは!』で済ませられる女のコは滅多にいないと断言できるし……。


 まあ、とにかく、そんな白と青の縞模様のパンツが丸見えな状態を恥ずかしがるアテナの隙を突くアフロディーテさんは、シャッ――と、左足を軸に弧を描くような右の回し蹴りを叩き込むのだった。


「う、油断したっ……うう、夢幻脚を放つなんて、この卑怯者め! むうう、眠気がっ……ガクッ!」


「え、眠っちゃった?」


「夢幻脚がヒットしたモノは睡魔に襲われるのよ。」


「は、はあ、そうなんだ……。」


 ちょ、どういう原理なワケ⁉


 とにかく、美神拳の技のひとつである夢幻脚は、ヒットした相手を眠らせてしまう効果があるようだ。


「ふう、アイツが隙を見せなきゃ絶対に効果を発揮しなかったわね。まあ、ああでもしないとすぐに決着がつく相手ではなかった……。」


「へ、へえ~……そ、そんなことより、後はヘラさんだけですね!」


 さてと、なんだかんだと、アテナは戦闘不能状態だ。


 後はヘラさんを屈服させるのみね!

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