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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
334/836

外伝EP04 ゾンビ考古学者と眼鏡少女 その13

「メリッサ、後でもげた首を胴体に繋げてあげようか?」


「おお、ウェスタさん、サンキューです!」


「フフフ、それくらい朝飯前よ。」


「うーん、それはともかく、こう真っ暗だと、誰がどこにいるのかさっぱりですねぇ……。」


「鬼が出るか蛇が出るか……ここは覚悟して照明を! ムフーッ!」


「は、はわわっ! 私の目がっ……沙羅さんの仕業ですね!」


 ノダート遺跡の内部に足を踏み入れたまでは良かったけど、ここには内部照明が一切存在しない真っ暗闇の空間だ。

 

 まあ、当然だろうけど、せめて松明くらいは――おっと、そんなことより、私の両目が光を放つっ!


 合体している沙羅さんの仕業だろうけど、不気味な奴って思われそうな感じだわ、これじゃ……。


「あっちゃんっていつから多重人格になったワケ?」


「多重人格じゃないわよ。この身体の持ち主の愛梨、それに私と同じく愛梨と合体している沙羅って烏の人格が一緒くたにならずに独立しているだけどよ。」


「それを多重人格って言うんじゃ……。」


「あ、あのぉ、階段が見えるんですけどっ!」


「あの階段の先に駄姉がいる舞台に繋がっていると思う。あ、ちなみに、他にも通路があって、そっちには照明がついていて明るかったわよ。」


「ふえええ、ウェスタさん、それを早く行ってくださいよぅ!」


 なんと他にも通路が――。


 オマケに、そっちの方は照明があり、明るいと……。


 まあ、それはさておき、私の両目から放たれた光が、暗闇の回廊を切り裂くように階段らしきシルエットを照らし出す。


「じゃあ、早速、階段を……。」


「う、ここに来て妙な気配をっ……みんな階段を駆けあがるわよ!」


「ふええ、やっぱり何か来たのォォォ~~~!」


 え、ここに来て気配を!?


 まさかヘラさんの子分が闇の中で蠢いているのか……むう、ヘラさんがいるという舞台へと繋がる階段を早いとこ駆けあがるべきね。


「侵入者発見! 侵入者発見! 迎撃許可ヲ要請スル!」


「ん、声が聞こえる……や、やっぱり、何か来てる!」


「あの声は、きっと人形兵(ドールソルジャー)ね。中々、手強いから逃げた方がいいわよ。」


「そ、そうします。うりゃー!」


 姿は見えないけど、人形兵とやらが迫って来ているようだ。


 ウェスタさん曰く、中々、手強いらしい……う、面倒事は避けたいし、逃げろーっ!


「あ、出口が蓋にようなモノでふさがれているっ……早く開けてよ!」


「ひっ! 階段の下に赤く光る眼のようはモノがたっくさん!」


「あらら、たくさんいるのね。予想外だわ……っと、蓋を開けたわよ。」


「よ、よし、飛び出すわよ!」


 私達は一目散に階段を駆けあげる――う、階段の下に禍々しい赤く光る眼がたくさん!


 人形兵ってモノ達が階段の下に集結したのか!?


 それに階段の上――出入り口は蓋のようなモノでふさがれているようだけど、ウェスタさんは鍵を壊したので、なんとか出られそうである。


 うーん、蓋を開けた先が、ノダート遺跡の内部のどこに繋がっているのかはわからないけど、今は人形兵から逃げることを優先しなくちゃいけないわね。

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