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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP04 ゾンビ考古学者と眼鏡少女 その9

 青い光に包まれながら、私は勢いよく地面へと急降下する。


 うく、アフロディーテさんには、一体、どんな策が……私達が助かる策があるって言うのかしら?


「な、なるほど、なるほど! あっちゃんが何を考えているかわかったわ!」


「え、えええ、どういうことですか、沙羅さん!?」


「私もなんとか意味が……。」


「むう、私はさっぱりだなぁ……。」


「莫迦、下を見てみろ。自ずとわかる筈じゃ!」


「え、下を……う、森? ぐえっ!」


 アフロディーテさんが何か考えているのかさっぱりである。


 一体、どんな策を弄し、三十メートル上空から落下した私達を……ぐ、ぐふ、背の高い巨木が密生する森の中に落下したわ。


「あ、ああ、そうか! この青い光はバリアか……で、木の上に落っこちたで落下速度が減速し……う、うぎゅっ!」


 なるほど、アフロディーテさんが何を考えているの、ここに来てやっとわかったかも!


 アフロディーテさんは落下した先が背の高い巨木が密生する森というワケで、それを一縷の望みとばかりに利用したんだ。


 とまあ、そんなこんなで密生する巨木の鬱蒼としは葉っぱや枝のおかげで落下速度が減速するが、それでも私は勢いよく地面に激突してしまうのだった。


「愛梨、大丈夫! 生きてる?」


「も、もちろんよ! でも、一瞬、死ぬかと思った~……。」


「ンフフフ、なんだかんだと、バリアが役に立ったわね。」


「やっぱり、あの青い光はバリアだったのね!」


「うん、そのおかげで怪我を負わなかったでしょう?」


「あ、そういえば、確かに……。」


 やっぱりバリアだったのね。


 ふう、そんな青い光のバリアのおかげもあり、巨木の鬱蒼とした葉っぱや枝によって減速したとはいえ、地面の激しく衝突した私は無事だったワケだ。


「ふう、負傷したのは、右の翼だけね。」


「うん、この調子だと、しばらくは空を飛べないわ。」


「じゃ、じゃあ、地上から……森の中を進んでいきましょうか――。」


「うん、それがいいわね。空を飛んでノダート遺跡へ行けば、またイーリスが邪魔をしてくる筈だし……おっと、メリッサとピルケは、どこに行ったのかしら?」


 身体を共用しているアフロディーテさんと沙羅さんも勿論、無事である。


 が、メリッサさんとピルケさんの姿が見受けられないのよねぇ……。


「あうあうあう、大変ですー!」


「あ、メリッサさんの声だ……ギャ、ギャアアア! く、首が胴体と分離しちゃってます!」


「ま、まるでデュラハンみたいね。」


「おーい、メリッサはともかく、わらわを助けるのじゃ! く、苦しいっ!」


「モ、モギャー! しゃ、喋る首吊り死体だぁ……って、ピルケさんか、ビックリしたなぁ、まったく……。」


 ム、ムムム、不死者ってホント不死身だなぁ……。


 メリッサさんは地面に落下した衝撃で胴体と首が分離しちゃっているし、一方のピルケさんは、全身を覆っている包帯の一部が枝に引っかかり、それが首に巻きついた状態なので、その姿はまるで首吊り死体である。


「ふう、損傷したのが首だけで良かったです。」


「そ、そう?」


「はい、足が骨折しなかったので歩けますしね。」


「う、うーん、それで済ませてもいいのかなぁ……。」


「おい、早くわらわの首を吊っている包帯が巻きついている枝ごと切ってくれ!」


「あ、はいはい、今すぐ!」


 ふう、こんな調子で上手く偵察なんてできるんだろうか?


 まあ、とりあえず、地上からノダート遺跡へ向かってみるとするか――。



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