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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP04 ゾンビ考古学者と眼鏡少女 その6

 さて、百年に一度、目を覚ます大ボスのような存在ヘラさん以外にも、兎天原には厄介な存在がいるらしい。


 オリン山の天空姫――と、そう呼ばれる女神様だ。


 詳しいことはわからないけど、オリン山という山の頂上にある豪奢な大理石の神殿に住んでいるとか――。


 そうそう、オリン山の天空姫は、イイ男を見つけるとさらっていくって伝説があるらしい。


 故に、天空姫が住むオリン山に男は近づかない方はいいって言われているんだとか――。


 それはさておき。


「兎林檎って白いのもあるんですね。」


「白いのはレアモノよ。赤いモノなら銅貨五枚ほどで買えるけど、白いモノは銀貨五枚は必要だからね。」


「へ、へえ、そうなんだぁ……って、この世界にも通貨がやっぱり存在するのね。」


「当然でしょう、愛梨。ちなみに、マーテルゴールド――略してMGって私は呼んでいるわ。」


 私達は喫茶コギツネマルから、真向かいのお店である特産物である皮の一部が兎の長い耳のような形状をしているヘンテコリンな林檎――兎林檎など、エフェポスの村の特産物が売られている土産物屋へと移動する。


「あ、そうそう、白いモノは果肉が赤いわ。」


「ふ、ふええ、なんだかリバーシブルって感じだね!」


「さ、お土産を用意したので、いざ……ノダート遺跡へ行きましょう、皆さん!」


 うーん、メリッサさんは行く気満々である。


 今更、行きたくないって言っても遅いなぁ、こりゃ……。


「話は沙羅から聞いたぞ。俺も行くかー!」


「俺も行くであります!」


「え、一緒に……ですか? ま、まあ、行くメンバーが多い方は頼もしいかもね。」


 そうそう、沙羅さんも獣人飛行隊のメンバーみたいね。


 故に、ノダート遺跡へ行くって話は、既にリーダーであるシロウサヒコさんにも伝わっているってワケ。


「さ、なんだかんだと、偵察も兼ねて一足先にノダート遺跡へ行くわよ……合体!」


「さ、沙羅さんっ……が、がぼがぼっ!」


 まずは誰かが偵察に行くべきかなぁと思うけど……う、沙羅さんが私の口の中に飛び込んでくる!


 むう、アフロディーテさんもだけど、何故、合体する度、私の口の中の潜り込むワケェ!


 他の方法はないのかしら……苦しすぎるんですけど!


「よし、変身成功!」


「あ、ズルい! 私とも合体よ、愛梨!」


「う、うげえっ!」


 な、何がズルですかっ!


 アフロディーテさんも沙羅さんに続くかたちで、私の口の中に……。


「むう、先に沙羅と合体したせいかな? アイロディーテには変身できなかったわね。」


「ンフフフ、私との合体が優先されたようだわ。」


「チッ……悔しいけど、そうみたいね。胸が全然、成長してないしね。」


「胸の大きさは関係ないと思うんだけどっ!」


「まあ、それはともかく、私が……私達が一足先の行って偵察してくるから、他は後からゆっくりと――。」


 今の私の姿は沙羅さんとの合体した姿――年齢+五歳前後、そして一対の黒い翼を持つ黒い天使って感じの姿がベースとなってはいるけど、後から合体したアフロディーテさんの人格も同時に存在する不安定な精神状態である。


 三つの人格が、それぞれ個別に存在するまさに多重人格だ。


 それはともかく、沙羅さんが身体を操作する――グルンと南の方角へと踵を返し、そして空へと飛びあがる。


 ほ、本当に偵察に行くワケェェェ~~~!?


 


 

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