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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP03 アヒル女神と眼鏡少女 その33

「あ、ホントにノッポで貧乳だね。」


「えっ!?」


「愛梨、それは言わない方が……クスクス♪」


「ム、ムムムッ……。」


「お、怒らないで! 冗談ですってばぁ……うっ!」


 アハハ、本当にキョウさんは間近で見ると、確かに美人だけど、貧乳でノッポのお姉さんだ。


 んー……使い魔であるゾンビのミネルさんより貧乳かもしれないわね。


 アレじゃ男装しても多分バレないかも……う、そんなことより、急に立ちくらみがっ!


 それに身体が動かないっ……オマケに身体のあちこちが痛い!


 ぜ、全身の筋肉が悲鳴をあげているって感じだ……。


「うへえぇ……合体した状態だと、私まで動けなくなっちゃうなんて予想外だわ。」


「ア、アフロディーテさん、どういうこと? さっき言ってた私の体力面から考えて一回しか使えない技だって言ってけど、それを使ったことによる副作用なのかな、かな?」


「うん、そのまさかよ。今の愛梨の体力面から考えると身体的に負担が大きすぎる荒業だし、オマケに魔力を八十%も消費するわ。」


「そ、そういうことなんだ……。」


「うん、しかし、合体が強制解除されないのが不思議なのよねぇ……あ、ひょっとして愛梨の身体が、私との合体に馴染んだのかもしれないわ。」


「な、なあ? 人格がころころと入れ違ったように見せる芸風のお笑い芸人だったりする?」


「む、むう……。」


 私――美島愛梨と喋るアヒルことアフロディーテさんは合体し、ひとつになった姿である魔法少女アイロディーテだけど、人格はひとつに統一されることなく別々に存在しているワケだ。


 そんなワケで私とアフロディーテさんの人格が、ころころと入れ替わる様子を見れば、その手の芸風をお得意とするお笑い芸人だって思われても仕方がないよね、アハハハ……。


「わあ、そんのことより、ボリスが緑色の炎が燃え盛る大釜の中から飛び出してきた!」


「まったく、しぶといわね。あの虎さん……。」


「う、でも、少しっつうか様子が違いすぎる姿だ!」


「ウホッ! イイ少年っ……じゃなかった! アレがボリスの真の姿ってヤツね。」


 さてと、緑色の炎が燃え盛る大釜の中に仰向けの状態で頭から突っ込んだボリスが、絶叫を張りあげなら飛び出してくる。


 まったく、タフもいいところだわ……と、言いたいところだけど、信じがたい光景が目の前で展開する。


 筋骨隆々の大柄な虎の獣人である筈のボリスの様相が、なんと長い金髪と切れ長の碧い目を持つ鼻筋がすっきりとした紅顔の美少年って姿に変貌していたワケで……。


 し、真の姿ってヤツだろうけど、意外すぎるっ!


 

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