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俺、異世界で魔女になります!  作者: はすた
外伝シリーズ
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外伝EP03 アヒル女神と眼鏡少女 その19

「この先には行かせん!」


「行きたくば、わしらの屍を超えて行けィ!」


「うおおお、勝負だ、勝負ゥゥゥ~~~!」


「うええ、やっぱり出てきた! オマケにクラットと同じ左右の前足に鉄の爪を装備した黒い猫ちゃんが三匹!」


 ふえええ、案の定って感じの展開だわ。


 さっきの猫ちゃんこと左右の前足に鉄の爪を装備したクラッシャーキャット——略してクラットと同じ黒い猫ちゃんが三匹、柱の陰から飛び出してくる。


「クラット四号が敗れたようだニャ……。」


「ククク……だが、奴はわしらクラッシャーキャット四天王の中では最弱!」


「人間の女に負けるなど、ネコ団の面汚しよ!」


 クラッシャーキャット四天王!?


 あ、ああ、なるほどね。


 さっきの猫ちゃんを合わせると、確かに四匹になるし、そんなこんなでクラッシャーキャット四天王ってグループ名は妥当だったりするかも……。


 う、それより、今度は三匹を一度に相手にしなくちゃいけないわね……。


「あ、もう在庫(ストック)が、もうないや……テヘ☆」


「え、在庫?」


「マタタビの粉末入りの試験管のことよ。ほら、見て胸の谷間に隠しておいたモノがなくなっているでしょう?」


「た、確かに……って、上着の胸元を引っ張らないでくださいよぅ!」


 まったく、合体し、一体化したとはいえ、アフロディーテさんったら、マタタビの粉末入りの試験管なんてモノをいつの間に胸の谷間に……。


 が、そんなマタタビの粉末を在庫はもうないそうだ。


 うーん、さっきのように無傷で勝利ってワケにはいかなくなった気がするわね。


「キュピーン——と、俺の脳内にイイ作戦がひらめきが! おい、そこの猫共……コレで君達を買収したい!」


「お、おおう、アシュトンさん、それは鰹節じゃないですかーっ!」


「つーか、イイ考えってコイツらを仲間に引き入れるってこと?」


「「「うむ、了解だニャン!」」」


「そ、即答かよ、お前ら!」


 アシュトンさんは動く骸骨である——即ち、白骨死体が何かしらの理由で動き出した化け物のような存在である。


 とまあ、そんな肉という肉が一切、存在しない異形の様相である故に、頭蓋骨の中身……脳みそも空っぽなのでは!?


 ま、まあ、まるで生きているかのように動くし、オマケに意思があるので脳だけは存在するのかな?


 それはともかく、アシュトンさんは身に纏っている重厚な全身甲冑の中から、鰹節をいくつも取り出す。


 で、その鰹節で目の前にいる三匹の武装した黒い猫ちゃんことクラッシャーキャット四天王を仲間に引き入れようと目論むワケだが、なんとほんの数秒……戸惑いことが一切なくクラッシャーキャット四天王は、アシュトンさんがチラつかせる鰹節の誘惑に対し、呆気なく乗ってしまう。


 うは、なんて単純な!


 というか、頭目のボリスに対する忠誠心が、まるでなしって感じである。

 

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