外伝EP03 アヒル女神と眼鏡少女 その4
変身という行為は、容姿そのモノが変わってしまうことなんだろうか!?
喋るアヒルことアフロディーテさんと合体した私——美島愛梨の容姿は、金髪碧眼の巨乳美女のモノへと変化してしまったワケだ。
オマケに外見年齢も、大体、十歳くらい上乗せされた気がするんですけど……。
ま、まあ、美人だし、私的には最高だとは思うんだけど、元は小柄で貧乳の地味な中二女子だったのに……か、変わりすぎでしょォォォ~~~!
「よし、今の姿の私達の名称は……決めた、アイロディーテよ!」
「え、えええ、アイロディーテ!? ま、まあ、悪くないかなぁ。」
うん、語呂的には悪くないかなぁ。
なんとなくカッコイイ感じだしね。
「あっちゃん、融合合体の技術を応用したんでしょう? なんだかんだと——。」
「まあね。アンタ達が、あの空飛ぶ玩具と融合合体できるワケだし、それを考えると〝器〟を生き物に変えることも可能かなってことを試してみたかったのよ。」
「な、なんの話かな、かな?」
「ああ、いずれ話してあげるわ。それより、私との合体で得られた能力を試してみない?」
「た、試す? な、何を?」
「つまり、こういうことよ。沙羅、アレを——。」
「OK! 埴輪ゴーレムでしょう……そ~れ!」
融合合体の技術を応用?
器を生き物に変えるた?
まったく、私には何がなんだか……。
と、それはともかく、何故、そんな流れになるんだろう……。
それに合体した状態の今の能力を試すってことは、要するに戦えってこと!?
ズギュウウン——と、烏の沙羅が埴輪ゴーレムとかいう大柄な人間の姿を模した動く土人形を地面から出現させたワケだし……。
「ハァァァニィィィ~~~!」
「ヒ、ヒイッ!」
「あ、ああ、忘れていたわ。ソイツには荒ぶる地霊が宿っているから気をつけてね~☆」
「あ、荒ぶる地霊!?」
「まあ、所謂、精霊の一種よ、うんうん。」
「ちょ、説明になってないわ! わ、わああ!」
埴輪ゴーレムは人間型と言っても、その出来映えは最悪だ。
何せ、幼稚園や保育園に入園したばかりの幼児にでも作らせた意匠もへったくれない歪なモノなワケで……。
まあ、創造主の沙羅は、知的生命体とはいえ、喋る烏なので、ある意味で仕方がないのかもしれない。
そんなこんなで一見すると弱そうに見えるが、その一方で大人の姿になった私の二倍近い大きさを誇っているので、ズズーンと私を見下ろす姿からは、強烈な圧力を感じてしまう。
で、コイツには荒ぶる地霊とやらが宿っているようだ。
ふむ、奴が生き物のように叫び声をあげることができる原理は、そんなワケね——と、それはともかく、飛びかかって来たコイツをなんとかしなくちゃ!




