外伝EP02 歌姫×歌女神 その33
ミサイルという兵器の原典は、日本軍が第二次世界大戦時に行った戦闘機による敵戦艦への特攻や人間魚雷だと後日、俺は知る。
ハハハ……偶然にも、俺はそんな戦闘機による特攻を仕掛けたモノのひとりだったりするだよなぁ。
さて、なんだかんだと、戦闘機や人間魚雷と違う無人なのが、ある意味で人道的だとは思うが……。
とにかく、アレは爆弾だ!
当たったら一貫の終わりだ!
俺とノネズミヒコが融合合体している戦闘機——F15は、そんな融合合体したことで〝限りなく本物〟に近い玩具というワケで……。
「グギギッ! す、凄いGを感じるであります!」
「G? とにかく、上昇だァァァ~~~!」
俺とノネズミヒコは執拗に追いかけてくる誘導型のミサイルから逃げるため急上昇する!
「く、アレを撃ち落とす武器はないのか、武器は!」
「隊長、イシュタルさん曰く、武器は搭載されてないそうであります!」
「な、なんだってー!」
さて、F15戦闘機の玩具には、なんと武器が搭載されていないという……ちょ、アレを撃ち落とす手立てがないじゃないかっ!
「く、こうなったら燃料切れを狙うぞ!」
「隊長、多分、無理であります。」
「な、なんだと!?」
「あのミサイルは、恐らくメフィストの魔力が動力源になっているモノであります。だから燃料切れはないと思うであります。」
「むう、厄介だな。だけど、奴の魔力が動力源なら……うおおっ!」
あのミサイルは、メフィストの魔力が動力源なのか!?
ん、仮にノネズミヒコの予想が正しければ……ちょっとした思いつきがキュピーンと俺の頭の中を駆け巡る。
「隊長、どこへ行くんのでありますか!?」
「ノネズミヒコ、黙ってついて来い! 俺の予想が的中した場合、多分、アレをなんとかできる筈だ!」
「は、はあ……って、そっちはエフェポスの村とは正反対の方向でありますよ!」
俺は全速力でエフェポスの村とは正反対の方向へと飛翔する。
え、何故、エフェポスの村正反対の方向へ向かうのかって?
フフフ、上手くいけば、あのミサイルを撃破できるかもしれないんだ!
「うおおおっ! 来やがれ、このミサイル野郎!」
「あ、隊長、待ってください!」
さて、ここからが問題だ。
俺の予想が正しければいいが……とりあえず、ディアナスの森にある竜騎士団の墓地という一面も持つ先端が岩のチューリップといった感じに形状をしている塔ことバルロスの塔の周辺まで、ミサイル野郎を引きつけてみるか!




